快楽を呼ぶ悪魔 | ナノ

快楽を呼ぶ悪魔

01


「ふあ・・・あ……」


あのあと。
お風呂から出て、紳が入れ替わりでお風呂に入って……。
くたくたに疲れていたあたしは、そのまま眠ってしまった。


目が覚めると……。
隣には、上半身裸で、ベッドに座る紳がいた。
……紳の裸、始めて見た。


……か、かっこいいっ。
……って、なんかあたし痴女みたいじゃない!?


「……わり、起こした?」

「う、ううん・・・」


あたしが紳に見とれるように見入っていると、紳が軽く微笑んであたしを見た。
どうしよう……。すごく、かっこいい。


「今、何時?」


あたしは、きょろきょろあたりを見回しながら言った。


「もうすぐ12時だ。お前、寝過ぎなんだよ」


紳がそう言って、あたしの頭に手を乗せた。
そのまま、ふわり、と微笑む。


「……紳、今日・・・優しいね」


最近ずっと優しかったけど……。今日の紳は、特別にやさしい。
なんか、雰囲気がやわらかい。


「・・・そうか?」


紳がまた少し微笑んで、あたしの頬に手を置いた。
冷たい感触に、少し身震いしながら・・・紳の手に、視線を移動する。


……あれ?


「紳、手の数字……」


視界に入った、紳の手の甲の数字。
確か昨日……【2】、だったよね?


「・・・なんで、【1】に変わってるの?」


確証はないけど……。
おととい、数字は【3】だった。
そして、昨日は絶対に【2】だった。


それで……今日は、【1】。
どういう、こと?
なにかのカウントダウンなの?


「紳、その数字……もし、【0】になっ、・・・んむっ」


数字の意味を聞こうとした瞬間、紳に唇を塞がれた。
起きかけた上半身は、紳に押されて、再度ベッドに沈む。


「ん・・・ふ、ぁ」


紳の舌が、あたしの口内に入ってくる。
くちゅくちゅという水音が、耳に響く。
紳の舌があたしの舌を捕えて、ねっとりと絡みついた。


「んんぅ・・・」


あたしは紳の首にゆっくり手を回した。
紳の体はひんやりしている。
でも、寝起きでほてった体に心地いい。


しばらくして、紳が唇を離した。


「ふ、ぁあ・・・っ、」

「・・・この質問をするのは、3回目だな」


紳がにっこりと、微笑む。
……しつ、もん?


「お前が、繋がりたいのは……誰だ?」


紳が、少し不安そうに尋ねた。
……ああ、そうか。
……首輪を、外すときが・・・来たんだ。


一呼吸置いてから、震える唇を開く。
3度目になる、この問答。
……これが、あたしの最後の答えだから。





「……紳と、繋がりたい。紳に首輪、はずしてほしい」

「……わかった」


紳は微かに笑うと、あたしの首筋にキスを落とした。



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