Color☆おたのしみSS | ナノ


(Green)


※壱視点


きょーうはクリスマス!
昼前から一緒に出かけて、ちょっとお高いレストランでランチ。奈緒が見たがっていた映画を一緒に見て、行きたがっていたアミューズメントパークへ。ロマンチックな並木道を抜けて、学生が出せる限界のお金で高めのホテルを取りました! もっちろん、ラブホじゃないよー。
誕生日は、まだつきあってなかったし、ふたりっきりではちゃんとお祝いできなかったから・・・。いままで迷惑・・・というか、悲しい思いをさせたことのおわびに、プレゼントは2つ。……お金はどうした、とか言わないでね? オレ、こう見えてもお金は貯めとくタイプなの!


お昼のデートは、自分で言うのもなんだけど完璧だったと思う。
なおなおも喜んでるっぽいしね。
んでも、本番はこれからなんだよー!





「……い、壱・・・。この部屋、泊まるの・・・?」

「うん! きれいでしょー?」

「きれいだけど・・・今日いろいろしてもらったし、……お金とか、大丈夫?」

「だいじょうぶ。いろいろ蓄えてるから!」


心配そうな奈緒にへらっと笑いかけると、奈緒まだちょっと不安そうにしながらも、はにかんでうなずいた。
オレは先にベッドに座って、ちょいちょいっと奈緒を呼ぶ。んでもって、足の間を指差して、そこに座るように言う。
奈緒はちょっと恥ずかしそうにしながらも、オレに向き合うようにちょこんと座った。


「ね、奈緒。プレゼントがあります!」

「え、」

「しかも、2つあるのー」

「今日、こんなにいろいろしてもらったのに・・・!?」


奈緒は、驚いた顔でオレを見上げた。
君の瞳に比べたら、そんなお金なんて安いもんさ・・・とか、ちょっとカッコつけたい気分だ。


「大丈夫だってば! えーっとね、」


用意したプレゼントは、2種類。
今日はちゃんと真面目だからね。「プレゼントは、オ・レ☆ 召し上がれ?」なんてしないよー。
ひとつめは、奈緒が最近CM見て欲しそうにしてたもの。
もうひとつは、カップルっぽい誓いのもの。……ま、指輪です! そういえば、まだ持ってなかったなーって。
……まあ、ひとつめは前座ね。2つ目のプレゼントとともに目を潤ませて喜ぶ奈緒に、そっとキス。「壱・・・抱いて?」って言う奈緒を華麗にエスコートして、一緒にシャワーへ。我慢できなくなった奈緒と、お風呂場で1回。ベッドに戻って2〜3回・・・か、それ以上! いつも勉強勉強言ってる奈緒も、今日ばっかりはオレにメロメロになるはずだぜ!


奈緒をぎゅっと抱きしめたまま、手元のバッグをごそごそ。大きめの四角い箱を取り出す。
奈緒のほほにちょこんと口付けして、ラッピングした箱を差し出した。


「はい!」

「あ、ありがと! おっきいねー」


予想より大きかったのか、奈緒はちょっと目を丸くした。
それから、包みを丁寧に開ける。


オレはその間に、もうひとつのプレゼントをポケットの中で確認。
さりげなーく奈緒の指にはめ・・・、


「あー、っ!!!」


……はめて、感動する奈緒にちゅうをし、目を潤ませてオレに愛の言葉を囁いて・・・、


「3DSだぁーっ!!! 壱、壱ありがとー! 愛してるっ!!」


愛の、言葉を……。
あ、あれ・・・? なんか、愛の言葉・・・早速、聞いちゃった?


「な、奈緒・・・?」

「壱、ありがとうー・・・。本当に、欲しかったの。しかも、緑! ほしかった色だよー」

「え、あ・・・う、うん」

「もうー。壱、大好き! これでリオの新作ができるー・・・!」

「あ、あの・・・」

「3DS、どこも品切れでなかなか買えなくて・・・。でも、リオの3DSのソフトだけ、一応買っておいたんだ。どこかで見つけたとき、すぐできるようにって! まさか、壱が買ってくれるなんて・・・」

「あの・・・奈緒?」


先にソフトだけ買うって、どんなんだよ!
っていうか・・・奈緒、感動で泣きそうになってるんだけど!? 早い、早いよっ!
本番は、このあとなんだからっ!!


「壱のことだから、『プレゼントは、オ・レ☆』ってパターンだと思ってたよ。本当にうれしい! ありがとう、壱!!」

「……それもちょっと頭をよぎったんだけど・・・」

「大好きっ!」


めずらしくテンションの高い奈緒は、オレの肩に手を置いて、ちゅっと唇に噛み付いてきた。
う、うーん・・・。まあ、いっか・・・な?
このまま深いちゅうに持ち込んで、その隙に指輪を……。


……でも。奈緒はすぐに唇を離して、ぴょんと立ち上がってしまった。
そして……そして、あろうことか、バッグの中から、にっくきリオくんのソフトを……、ちょっとーっ!?


「な、奈緒っ!?」

「ちょっとだけ、ね?」

「い、いけませんっ!」

「お願いっ、ほんのすこしだけ! オープニング見たらやめるからっ!」

「だめですっ! ゲームはおうち帰ってから!」

「10分だけ! いや、30分だけ!」


まさかの、ホテルの一室でゲームかよ!
奈緒とオレは、まるでお母さんと子どものような攻防を繰り広げた。
いつもしっかりものなのに……! なんでゲームが絡むと、小学生の男子みたいになるんだよー!!
しかも、さりげなく10分から30分に増やすんじゃなーいっ!


「今日ばっかりはそうは行かないから!」

「ぎゃーっ! か、返して!」

「このままゲームパターンなんてありえない! こっち来なさい!」

「すりーでぃーえすぅーっ!」

「ほら、こっちも!」

「リオーっ!!!」


本気の抵抗を見せる奈緒の手を引っ張って、ベッドに押し倒した。
ゲームはまとめて足元にぽいだ!


「はい、手出して」

「うぅ・・・ゲーム返してくれるの・・・?」

「……んなわけない。もうひとつのプレゼント!」

「ゆびわ・・・?」


手を差し出した奈緒の薬指に、ペアで買っておいた指輪を差し込む。
奈緒は、ちょっと驚いて、「ありがとう」と笑った。
……よ、よし。ムードは皆無だったけど、まあいっか。


「……、」

「……なおー?」

「あの、壱・・・」

「なに?」

「指輪、ありがとう」

「うん、どういたしまして。うれしい?」

「うれしい。……うれしい、けど・・・」

「…………、」

「ちょ、ちょっとだけ・・・リオを・・・、っん!」


最後まで言わせるかー!!
おそらくゲームをやりたがろうとした奈緒の口に噛み付いて、黒いチュニックの中に手を差し込む。
もーっ! 奈緒のばか! 信じらんないっ!!


「んっ、んぅっ・・・」

「もう、寝かさないから! 泣いてもなにしても許さないっ!」

「やっ、ぁっ!」


男の純情を踏みにじった罰は重いんだーっ!!!











――結局、予定通りにいったのは、愛し合いまくったという事実のみ。
ヤり倒してくたくたの奈緒は、次の日フラフラになりながらオレ好みの時計をプレゼントしてくれました。
やったね☆





……うぅ・・・。奈緒のばかーっ!





***
奈緒の誕生日の設定にしたかったんですけど、前に壱と2日違いで・・・って設定で書いてしまったので、クリスマス文です。以前マガの会話文で、プレゼントに悩む壱を書いていたので・・・。
時期外れにもほどがありますね
3DS、クリスマスは発売してないですよー、というツッコミはご容赦ください(;・∀・)

本編では奈緒を傷つけていた壱ですが、そろそろ許してあげてもいいですか?笑







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