いつもの日常。 | ナノ
少女の名前



……気になる。
どうして、初めて会った伊作の名前を知っていたか。



「えっと……、どうして僕の名前を、知ってるん…ですか?」


先に口を開いたのは伊作。

伊作の問いかけに応えたのが、空から降ってきた少女。


「あたし、平成って時代に住んでたの!」

「『…え?』」


いきなり、平成って時代に住んでたと言った少女に私と伊作は耳を疑った。


「驚くもアレだよね。でも平成から来たことは事実!」


『そうですか』


「あたしのが住んでた時代じゃ忍たまは国民的アニメなの!
それにハマったあたしは、さっき話したように毎日トリップしたかったの」


「どうして、とりっぷ……したいって思ったんですか?」


「…………き、だから」


最初のほうが全く聞こえない。


「………上級生が、好きだから…っ!!
あたしがトリップしたってことは、天女になったってことでしょう!?
そしたらっ、あたしが上級生に愛されること間違いなしなのよ!!」



その言葉を聞いた瞬間…頭の中が一瞬、空っぽになった感覚がした。



「はぁ。………そうだったんですか。じゃあ今すぐ"平成"って時代に帰って下さい」


「……………え?」


伊作はため息を吐き、冷たく自称天女?に言い放った。
天女のは今にも泣きそうな顔をしている。



『残念だけど、それは無理な話。
私、今日から貴女の世話係になった。
学園長の命令だから』


「「――!!!」」


2人はかなり驚いていた。
まあ、当然のことだろう……

身元も分からない怪しい人物の世話係になったのだから。


『あぁ急に言われてもわかんないんだったね。私は名字 名前。これからよろしく天女様』


「……よろしく、お願い‥します。名前くん。
えっと、あたしは藤堂 燐華です。」


『うん、よろしく。…保護する代わりに、此処で働くことになるんだけど大丈夫?』


「…例えば、どんなことをしたらいいんですか?」


『うーん、そうだねぇ。食堂のお手伝いをしたり、事務員の仕事をしたりかな』


「そうなんですか……。」


『まぁ、仕事はゆっくり覚えたらいい』


私が、にこりと笑ったら、天女様は顔を赤くした。
慣れない土地に来たから、気分でも悪いんだろうか。




「ちょっと待って!
この女は身元も知らない怪しい人物なんだよ!?」


『そんな事、私に聞かないでよ。聞くなら学園長に言って』


私の言葉を聞いた瞬間、伊作は医務室を出て行った。




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