歪んだ純愛15 | ナノ


歪んだ純愛 15


ガタンッ


「!?セルティ!どうしたの!セルティ!!」

突然苦しみだしたセルティに新羅は咄嗟に駆け寄った。

『突然、影が、言う事を…ッ聞かないんだ!やめろ、やめろ!静雄、何をする気だ、やめてくれ!静雄!』

察知した新羅が状況を把握し、歯を食いしばる。

「!セルティ、泣かないで、私が居るから、お願いだから、頼むよ!」


“ありがとうな、親友”


『臨也が死んでしまう!静雄が!静雄が…!』


どこからか聞こえてくる声に、セルティは顔のない姿で泣いた。
新羅は怒りと悲しみのあまり口端が切れて血が床に零れ落ちる。


「バカだ、静雄も、臨也も…ッ!セルティ、お願いだから、もう苦しまないで、私が居るから、頼むから、何でもするから」

もがき苦しみ床に倒れて暴れるセルティを、新羅は上から強く抱き締めることしか出来なかった。





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ギリ…

「…ッ」

臨也の首がどんどん締め付けられていく。
静雄を持ち上げている手が痺れ始めた。
こんな状況であるのにも関わらず、心から歓喜に満ちていた。

「おお、ハレルヤ!何をしても方法が見つからなかったというのに、俺のキスひとつでこんな変化が起きるなんて!なんてことだ…なんてことだよ!」

声を震わせて叫ぶ。
もう泣いているのか喜んでいるのか、臨也にも理解できない領域に達していた。
そして

「!?」

今、静雄の瞼が、ぴくりと動いたような気がした。
抱き上げたまま頬を指でなぞる。

「シズちゃん、俺がわかるんだね」




『テメェは俺の手で殺す!』


そう何度も言われ続けてきた。


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