再会
そして、約束の当日。
ミルフィオーレのアジトの外で、ボス自ら出迎えをすること早数十分。
綱吉を乗せたと思われる黒い車が止まった。
車から先に降りてきたのは幹部の方たち。その次に、後部座席から出て来たのは綱吉だった。
「やあ、綱吉君」
「……お久しぶりでございます、綱吉様」
白蘭様の後ろから現れた私に、幹部の方たちは驚き、目を見開いた。
「お前、攫われたはずじゃ……!」
「私は元々、ミルフィオーレファミリーの人間です」
淡々と言えば、幹部は再度驚いていた。
……綱吉だけは、どこか寂しそうな顔をしていた。
「スパイだったってことかよ!?」
「……やっとお気付きになりましたか?」
嘲笑うかのように言えば、幹部の方たちは怒りに満ちた顔をした。
「感動の再会のお話はそれくらいにして、場所を移そうか」
「……ああ」
綱吉が頷くのを確認した白蘭様は、敵が目の前にいるのにも関わらずくるっと背を向けてアジトの中に入って行った。
「こちらへどうぞ」
「…………」
私は彼を先に歩かせると、隠し持っていた拳銃を背中に突き付けた。もちろん、安全装置は外している。
「十代目ッ!!」
「ツナ!」
「何か余計なことをなされば、すぐにでも撃ち殺しますのであしからず」
手も足も出せずに顔を歪めている彼らを見て、白蘭様は愉快そうに笑った。