ゲームは楽しくなくちゃ、ね?



「白蘭さんッ!」
「……どうしたの正チャン」

 血相を変えた入江様が部屋に飛び込んで来た。
 いい雰囲気であったのを邪魔されて白蘭様はむっと唇を尖らせたけど、話を聞く気はあるようで私を腕の中に閉じ込めたまま、入江様の方へと向き直った。

「ボンゴレから宣戦布告がありました!」
「え……!?」
「……ふーん。綱吉くん、僕らが狩りをするのに気付いて宣戦布告を?」
「いえ、その可能性は低いです、昨夜ビアンカさんが脱出直後にボンゴレアジト内でちょっとした騒ぎがおり、彼女がいなくなったことと、僕が迎えに行かせたミルフィオーレの人間を見られてしまったからだと。向こうでは、我々がビアンカさんを攫ったということになっています」
「あははっ!」

 突然笑い出した白蘭様に、私と入江様は揃って目を見開いた。
 今の話を聞く限り、笑うところなんてはずなのに……。

「むしろ面白くなってきたね! スパイのことは気付かれたの?」
「え? あ、いや、そのことに関しては問題はないかと……」
「なら、こっちは当初の予定通りに狩りを始めればいいよ。みんなにもそう伝えといて」
「は、はい」

 白蘭様は言葉どおり、翌日にはボンゴレ狩りを開始された。
 ミルフィオーレとボンゴレの戦力の差は私が思っていた以上にすごく、わずか数ヶ月でボンゴレは一時壊滅状態にまで陥った。
 まだ何とか持ちこたえているボンゴレに、白蘭様は交渉の席を用意した。ただし、条件が一つだけあった。ボスである綱吉一人だけが来るということ。
 はっきり言って、これは綱吉を殺すための罠だった。
 そんな条件に応じないと思っていたのに、綱吉は白蘭様に会うことを決めた。


|

[しおりを挟む]
[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -