秘め事(19/19)
「ああっ！やっ…あッ、ううぅっ！」
滴り落ちる先走りをまとわせた夏見の手が俺のをリズミカルに扱き始める。
感じる場所を的確に一定の間隔で揺さぶられて、たちどころに煮え立った欲が腰元から押し寄せる。
「うあぁっ やぁっ…無理…！出る…っ！」
「ん。イッていいよ」
「うあっ！ひ…ッあぁ！でるっ あ！うああぁっ！」
夏見の言葉で緊張の糸が切れ、股間に溜まっていた疼きの塊が一気に弾けた。
身体中に甘い電流が駆け抜けて頭が真っ白になって痺れる。これまでにない激しい絶頂に体の力がすっかり抜けきって、さすがにそんな俺を支えきれなくなった夏見は俺を抱えたままその場に座り込んだ。
「…はあ…、はあ…っ、ごめん…俺だけイッて…」
中に埋まったままの夏見のモノはまだ硬く熱を宿している。それが脈打つと中が擦れてゾクッと背筋が震えてしまう。
「…いや。こっちこそごめん」
「へ…？」
「本当はここでここまでするつもりなかった。…けど我慢できなかった」
深くため息を吐きながら夏見は俺を抱きしめる。また中が擦られて思わず「ひっ」と声が漏れた。
「そっ、そうだったの…？」
「俺の家に引きずり込んでからするつもりだった」
「…引きずり込むて」
「…鞄。そこにある」
突然夏見が上を指差す。指先は二人で花見をした塔屋をさしていた。
「え？え？ なんで鞄？」
「家に引きずり込むから」
「…はっ！？ え？…今から！？ 授業まだあるだろ！」
「そんなのサボる」
夏見はいつも通りの傍若無人な態度に戻っていた。こうなるともう俺は夏見のペースに言葉通り引きずり込まれるしかない。…暴れようにも、夏見のモノが深く刺さったままだから動くに動けない。
「せっ、せめてちょっと休ませろ！」
「…この格好のまま？」
「ちがっ…、あうッ！」
腰を引き寄せられてグリッと内側を抉られる。夏見同様に俺の中もまだ熱を保っていた。それどころかイッて感度が鋭くなってるせいで余計に興奮が増してしまう。
「休んでもいいけど、焦らされたぶん容赦できなくなるよ」
「…え゛っ？」
欲情しかけていた脳がその言葉で一気に凍り付く。…今までのはだいぶ手加減してたってこと？ 固まる俺に夏見はさらに「…いや、やっぱ」と続けた。
「今まで散々我慢してたから何にしろ容赦しない」
「〜〜っ！！」
顔を掴まれて深く口付けられる。
怯え戸惑う俺なんてつゆ知らず、澄んだ青空に学校のチャイムの音がのどかに響き渡った。
終
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