DUNE


靴を脱いで
砂丘のうえ
築き上げたものはなく
何も見えず
ただ佇む
指の間 零れ落つ幸せ


悲しいこと
嬉しいこと
幼い日の思い出を
瓶に入れて
放り投げた
太陽だけが それを見ていた

どうして
涙溢れているのだろう?

どうして
頭抱えているのだろう?


靴を脱いで
砂丘のうえ
掴みかけたものはなく
何も言えず
ただ佇む
指の間 零れ落つ幸せ


ピントなんて
合わなくていい
見たくないこの世界
埋もれた
綺麗なもの
人は皆 失って気づくから

ふとした
瞬間に揺らぐ現実感

ふとした
瞬間に消える真実味


だって
わたし生きてるもの
肌を切れば
痛いもの
誰かに
愛されたいもの
誰かを
愛したいもの


靴を脱いで
砂丘のうえ
築き上げたものはなく
何も見えず
ただ佇む
指の間 零れ落つ幸せ


わたしが
あなたには見えてるかしら?

わたしに
あなたはどれだけ見えるかしら?


指の間
零れ落ちた

幸せをかき集めて

そのピース
繋いでゆくと

あなたという
光になったよ

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