※※第360話:Make Love(&Intercrural sex).219








 如月は日本に帰って来ている夕月に、突然、美咲の捜索の打ち切りを告げられてしまい戸惑っていた。
 美咲のためだ、とだけ伝えられたが、あまりにも突然のことで何かあったのだとしか考えられなかった。
 けれど、踏み込んでいい問題ではないような気がして、詳しい理由を聞くことはできなかった。

 夕月が止めると言ったら、止めるのが如月の忠誠心に乗っ取っている。
 美咲について近づけたと思ったら、暗礁に乗り上げてしまった様子だ。
 とても気になりはしたけれど、夕月にも思うところがあるのだろうと考え、如月はひとまず自分のプロポーズを最優先に考えることにした。
 薔とナナには先走りすぎて結婚報告までしたくせに、未だプロポーズはできていないらしかった。














 ――――――――…

 「あの……薔……」
 お昼休みにナナは思いきって、尋ねてみることにした。
 「ん?」
 彼女が書き写した非常に難解な英語のノートを解読していた薔は、視線を彼女に向ける。
 ドキッとしたナナは一瞬夢の国へといざなわれそうになったものの、慌てて我に返り聞きたかったことを率直に聞いた。

 「修学旅行には、可愛くて新しい下着を持っていかないといけないんですか?」

 と。
 ただ新しいだけでなく、可愛くて新しい下着を持って行った場合、彼のいるところでしか着替えができなくなる。




 「……おまえまた桜葉に変な事吹き込まれただろ?」
 「確かにこけしちゃんが言ったんですが、わたしは変なことを吹き込まれたんですか?」
 薔はすぐに誰の影響か察したようで、まさか親友が変なことを吹き込んだとは驚きのナナは(過去に何度も吹き込まれていても全く自覚なし)、ちょっと驚く。
 驚愕レベルにまでいかないのは、彼の美しさにうっとりしているからである。

 「まあ、そこもおまえの可愛いとこだよな。」
 「えっ、そんなっ……そんなかっこよさで言われましても……」
 こけしちゃんが変なことを吹き込んだおかげで、メインカップルにはラブラブイチャイチャタイムが巡ってきた。
 褒められて全力で照れているナナのノートは、薔にしかおそらく解読できない。



 良かったねぇぇ……の気持ちでちょっとだけメインカップルを眺めたこけしちゃんは、着々と例のノートを書き進めていた。
 なぜもっと早くにこの設定でいかなかったのか悔やまれるほど、教師鎧×生徒薔には萌えていた。
 そして否応なしに濡れ場は登場するため、ナナには何の参考にもならない作品に仕上がること間違いなしだった。

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