※※第360話:Make Love(&Intercrural sex).219
最近、羚亜の働いているコンビニことナナも働いていたコンビニは、人手不足なわけでもないが羚亜のシフトを少し増やしてくれた。
これにより、羚亜はゆくゆくは彼女と豪華なデートができそうだと思い貯金に励んでおり、醐留権が定期的に振り込んでくれるお小遣いを除いて計算しても現段階でクルージングディナーデートくらい余裕で行ける、奮発したコースのに。
醐留権が定期的に振り込んでくれるお小遣いを合算すると、世界一周旅行にも行けてしまうので、まだアルバイトをしている身としてそこの大金には目を瞑っている。
「最近、羚亜くん忙しくなったね〜。しかもこないだ酔っ払いのおじちゃんに色目つかわれてたし。」
彼が頑張っているのを重々承知の愛羅は、ちょっとだけ彼をからかってみた。
「ごめん……酔っ払いのおじさんに色目つかわれても、俺、気づけない……」
気づかないうちにそんな体験をしていたのかと考えると悪寒がした羚亜は、やや顔をしかめた。
いくら相手がお客さんでも、彼女以外に色目をつかわれるのは御免である。
「そうだよね、悠香ちゃんに話したら“それはさすがにないぃ”って言われちゃったもん。」
「何で俺に無断でこけしさんに話すの!?あと愛羅さんのこけしさんの真似、ちょっと似てるね!」
愛羅は彼が気づいていないうちから後輩の腐女子に話したようで、こけしちゃんは却下したようだ。
無断で話された羚亜は憤慨しながらも、物真似には感心している。
「でね、悠香ちゃんからちらっと聞いちゃったんだけど、」
「うん?」
愛羅は彼氏がおじさんに色目をつかわれていた旨を報告した際に、じつは相談のようなものを受けていた。
こけしちゃんはついエロ親父に相談したくなるほど、切羽詰まってはいるようだ。
「今、悠香ちゃんと醐留権先生って喧嘩してるの?」
一緒に住んでいるのだから何かしら聞いてはいるかもしれないと思い、愛羅は確認する。
「いやいやいやいやいや……お父さんのことでごたごたしてたときですら要さん朝帰りしてたんだから、それはないよ……」
羚亜は苦笑した、ファッションショー事件のときですら確かに、醐留権はあからさまな朝帰りをしていたのだ。
「甘い!朝帰りした次の日にだって、喧嘩はできるんだよ!」
「何で俺が怒られるの!?」
愛羅はわざと、彼を脅かすために怒ってみせた。
案の定羚亜は仰天している。
「お仕置きとして、羚亜くんにはレオタード着て辱しめられてもらうからね?」
「だから、何で俺が巻き込まれるの!?あとレオタードなんてどこで購入するの!?」
「ネットだよ!」
「やっぱりネットか……!」
かくして、愛羅がただしたかっただけのお仕置きが決定した。
愛羅ですらレオタードなど着たことがなく、ネットの恩恵に与るしかなかった。
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