君おもい | ナノ



03 : 彼の冗談


折原くんに姫抱きされて結構遠くへ連れて来られた。というか揺さぶられてたから吐き気、が―――。
「ここら辺でいいかな」
折原くんが床の上に私を下ろす。
『気持ち、悪…、』
「ちょっと、吐かないでよ!?」
折原くんの所為です。―――…とは絶対に云えない。
『折原くんの喧嘩に私を巻き込まないでよね』
「うん、それは悪いと思ってるよ。だけどさ、シズちゃんが俺に向かって来るからさ」
まあ、平和島くんの喧嘩を売りたくなる気も解るけどさ、兎に角他人の私を巻き込まないで欲しいな。そうすればどれだけ二人で殺り合おうが関係ないからさ。
「でも響ちゃんに怪我がなくてよかった」
『一応折原くんが助けてくれたみたいだからね?』
「俺の所為で怪我するとか気分悪いし。まあ、もし響ちゃんが傷物になったら俺が責任取って響ちゃんを貰うよ」
『遠慮したいなー』
「俺みたいなのにそんなこと云うの響ちゃんくらいだよ」
思ったことを云ってるだけなのになー?他の子はそんな勇気ないのか。嗚呼、違うか。コイツの上辺に騙されてるんだ。
「さあ、帰ろう。俺が家まで送るよ」
『いや、遠慮「遠慮しなくていいから」
仕方なく私は折原くんの好意を受け取った。

彼の冗談
(折原くんって心臓に悪い冗談ばっかり云うよね。まあ、他の子だったらころっと惚れてたかもね。)

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