君おもい | ナノ



04 : 嫉妬炸裂


現在進行形で私の目の前には不機嫌な私の弟と笑顔の折原くん。
「響ちゃん、この餓鬼…じゃなかった、男の子は誰?」
「姉さん、この優男誰?」
『え、えーと、こっちは私の弟の郁也。で、郁也、こっちは一緒のクラスの折原臨也くん』
これが一番妥当な答えだと思う。
「弟?似てないね」
「へえ、唯のクラスメートなんだ」
郁也がぎゅうぎゅうと私に抱き付いて来る。痛いし苦しい。
『あ、はは、折原くん態々送ってくれてありがと』
「気にしなくていいよ。じゃあ俺はこれで」
『うん。ありがと』
にっこりと笑ってから折原くんは背を向けて帰って行った。
「アイツ何!?滅茶苦茶むかつくんだけど!」
『だからクラスメート』
「なんで家まで連れて来たの!?」
『え、ちょっと色々あったから―――かな?』
「何それ!?色々って?ちゃんと説明して!」

嫉妬炸裂
(いや、だから色々あったんだって。説明するのも疲れるんだよ!)

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