君おもい | ナノ



17 : え、


『いらっしゃいませ、ご主人様』
文化祭当日、私は例のコスプレをして京平くんの前に立つ。京平くんは目を白黒させながら私を見詰める。
「お前、な、なんで、そんな、」
「落ち着いてよ、ドタチン。可愛いのは解るけどさ、響は俺のだから」
私の肩を馴れ馴れしく抱いた臨也くんの手を叩くと、痛いと云いながら手を引っ込めた。
「別にそれはいいんだよ。だけど響がそんな格好、」
「「“響?”」」
ん?なんでそこで臨也くんと静雄くんが反応するんだ?
「なんで名前呼び?」
「響から聞いてないのか?俺等は幼馴染だ」
「幼馴染?何、そのポジション。羨ましい。俺そんなこと初めて聞いたよ。説明してよ、響」

え、
(どうして臨也くんに云わなくちゃいけないの?それでどうして静雄くんは臨也くんの言葉に頷くの?)

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