18 : ほんの少しの香水の匂い 「あー、面倒臭ェ」 『しっかり働いて、静雄くん』 臨也くんはかなり働いてる。…というか笑顔を無駄に振り撒いている。そんな臨也くんとは反対に静雄くんは何もしていない。かなり暇そう。 「怠い。面倒臭ェ」 『仕方ないよ』 実際私も面倒臭いと思ってるけど。 「どっか周りに行くか。折角の文化祭なんだ」 『それさぼり!』 「ノミ蟲に俺達の分まで働かせとけばなんも心配ねえって。アイツが客増やしてんだから、テメエで働けってんだ」 『ほら、臨也くんも頑張ってるんだからさ、』 と云っても静雄くんが聞いてくれないのはもう解りきっていることだ。ここ最近で静雄くんのことが解ってきた。 『仕方ないなあ…。少しだけだよ?』 「おう!」 静雄くんは嬉しそうににっこりと笑った。どうして私の周りにはこんなにきらきらオーラの人が多いんだか。 『ちょっと待って。着替えて来るよ』 私はコスプレしたまんまだ。いくらなんでも、この格好で出歩くのは恥ずかしい。 「あー、だったらこれ着てればいいだろ」 静雄くんが自分の着ていたスーツの上着を脱いで私に手渡した。因みに、静雄くんも執事のコスプレ中だ。黒いスーツがよく似合っている。 『でも、』 「態々着替えんのも面倒臭ェだろ?それに早く響と周りたいしな!」 そんなに嬉しそうに云われると困る。私は仕方なく静雄くんのスーツに腕を通す。やっぱり大きくて、腰よりもかなり下の方まで覆われてしまう。私、女子の平均くらい身長あるんだけどな。やっぱり静雄くんが大きいからかな。 ほんの少しの香水の匂い (静雄くんの上着からはいつも静雄くんが付けている香水の匂いがした。) _____ 一応文化祭編はこれで終了! かなり中途半端ですけど(´・ω・`) [しおり/戻る] ×
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