16 : 心臓が破裂しそう 『臨也くん?』 何故か静雄くんと話してる途中だったのに臨也くんに無理矢理手を引かれて屋上に来ていた。しかもフェンスに押し付けられる。 「ん?」 『なんか―――怒ってる?』 「俺怒ってるように見える?」 『うん』 不機嫌なような、怒ってるような…。何が彼をそうさせているのかは解らないけど。 「そっか。―――多分響の所為」 『ええ!?私何かした!?』 「そうなのかもね」 臨也くんは私の手を取って唇を寄せた。 『なッ―――!?』 「響の所為、なんだからさ、これくらいさせてよ」 舐めるように舌を私の手に這わせる。それだけで私は内心びくびくだ。こんなの、友達同士ではやらないよ、そう云おうとして臨也くんの方を見たら、赤い瞳とばっちり眼が合った。臨也くんはいつもの調子を取り戻したのか、にやりと笑った。 「嗚呼、その格好、似合ってるよ」 心臓が破裂しそう (う…、ぎゃああああ!やっぱり臨也くんは苦手だ!) [しおり/戻る] ×
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