05 : 綺麗な笑顔 私は何故か平和島くんに屋上に連れて行かれた。学校に着いていきなり!しかもなんか目力…凄。 『えっと、何…かな?』 「この前は、悪かった」 『それ云う為に…態々?』 「俺の所為で怪我しちまいそうになったんだから当たり前だろ」 当前だ、みたいな顔をする平和島くんは多分優しいんだと思う。優しいから、態々謝ろうと思って来てくれたんだ。 『―――気にしなくていいよ。実際に怪我なかったんだから』 だから私はそんな優しい彼を赦してあげなくちゃいけない。きっと彼はずっと後悔、していた筈なんだから。 『でも気を付けてね。今度は本当に怪我しちゃう子がいるかもしれないから。あんまりやりすぎないように』 「それは、気を付ける」 『うん。だったらもう謝らなくていいから』 「変な奴なんだな、桜庭って。普通だったらもっと怒って罵った方がいいんじゃねえ?」 『別に私は反省してくれたんだったらそれ以上のことを云うことないと思うけど?』 「普通危ない目に合わされたらそういうもんだと思うけどな」 『いいじゃん。無事だったんだからさ』 変な奴、と云って平和島くんは本当に嬉しそうに、ほっとしたように、綺麗に笑った。 綺麗な笑顔 (あまりにも綺麗に笑うからどきっとしちゃったじゃないか!) [しおり/戻る] ×
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