04 : 大人の男 家の前でバイクを止められる。私は先生のお腹から腕を放してバイクから降りた。 「ほれ」 『ありがとうございました』 「ああ」 『先生もお気を付けて帰って下さい』 「ん。さくらも早く寝るように」 『了解です』 頭に付けていたヘルメットを先生に手渡す。 「じゃあまた明日、な」 『はい』 頭をぽんぽんと撫でられる。先生の手が触れたところが熱い。顔にも熱を持つ。 『さよ、なら』 先生は狡い。私はこんなにも先生の行動一つ一つに惑わされてるのに、先生は平然としてるんだ。 「(やっべー、平然と頭なんて撫でちまったよ。顔赤くなってねェかな、俺)」 大人の男 (大人の余裕、ってやつなのかな) [しおり/戻る] ×
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