7.ちんぽ講座

「シンナキサラ。」「シンナキサラ。」「シンナキサラ。」
アシリパのおなかがぐうぐう鳴っているため、一行は夕食をとりに出かけようとしていたが、偶然会った柔道耳の男・牛山がおごってくれるというので一同は洋食屋へ向かう。

アシリパが「ヒンナすぎるオソマ……!」と感動している横で、nameはしっかりとエゾシカ肉のライスカレーをぱくついている。
「nameさんは味噌を知ってるくらいだから、ライスカレーも食べたことあるの?」と杉元が訊くと、nameは頷きながら、「小樽にいた頃にね、ライスカレー、家で作ったりもしていたのよ。大好物なの。久々に食べたなあ〜!」と言い、おいしそうにニコニコしている。
「杉元!nameは料理がうまいんだ。オソマは初めて見たが、フチやわたしにもこっそり和人風の料理をふるまっていてくれた。」とアシリパ。

「うつくしいお嬢さん、nameさんと言ったかね、いい人はいるのかい?」
「未亡人でーす!あと美人なのは合ってるけど、お嬢さんじゃなくて三十路でーす!」ビールですっかりいい気分になったnameが答える。
「なんと、そりゃ旦那も勿体ないことしたな。しかしちと痩せすぎじゃないかね、ほれもっと食え食え!」
「そうだぞname、女は抱き心地だ!もっとこう、」とキロランケまで理想のボディラインを示し始める。
「ハーイいただいてまーす!こっちライスカレーおかわりお願いしまーす!」
「nameさん、いい食べっぷりだねえ……。」杉元があきれたように感心する。
「食べるんだけどね、肉がつかなくて。」nameはにこやかに世の女性を敵に回すようなことをのたまう。

「小さい方のお嬢ちゃんもnameさんみたいにいい女になりな。」
「それは心配していない、わたしはnameの妹だから〜。」ニヤリ、とアシリパが言う。「アシリパさんそろそろお酒はやめましょうね!」
杉元がさりげなくアシリパからビール瓶を遠ざける。

「つまり、お嬢ちゃんが大きくなったらnameさんみたいな美女になるって事かい?」アシリパが頷く。
「そうかいそうかい、そいつはけっこうだ。じゃあ、極意を教えてやろう。男を選ぶときは……ちん●ぽだ。大きさの話じゃないぜ?その男のち●んぽが『紳士』かどうか……抱かせて見極めろって話よ。」

そこでnameが待ったをかける。
「ハーイ先生!『抱かせて見極める』って、その殿方のち●んぽが紳士かどうかを確かめるために一度は抱かせなきゃいけないんですか??そんなに易々抱かせていたら、女が廃りません???」
「ちょっと、nameさんまではしたないですよ!」杉元が止めるが、nameは酔いに任せてアシリパに加勢し、「ハンペンが!取れない!!」と言って、場はにぎやかだ。
「いや、ちん●ぽが紳士かどうかは持ち主の顔や性格にも表れる!もっと言えば、顔や性格を集約したものがち●んぽというわけだ!!以上、ちん●ぽ講座、終わり!!!」
「先生ごちそうさまでしたー!!!」


翌朝。
杉元一行は廃墟となった札幌世界ホテルで家永と牛山の行方を捜索していた。
「杉元、野次馬たちから聞いたんだが、消防も警察も死傷者は見つけられなかったらしい。」と、キロランケ。
「地下室の死体も吹っ飛んだか、瓦礫で深く埋もれてしまったようだ。ふたりの死体があるとすればそこかもな。」

しかし杉元は二階にいた二人が地下に埋もれたとは思えないと言う。「二人とも無事避難できたかもしれないな。」アシリパがハンペンを見ながら思いを馳せるのを見て、「そのハンペン捨てなさいよ?」と杉元がたしなめる。

「シライシの野郎、買ったばかりの爆薬を吹き飛ばしやがって、今頃あの銃砲店は目をつけられてるかもしれない。」

「そういえばシライシはどこ行った?」アシリパが言う。
「ススキノだろ、あのエロ坊主……。」なんとも信頼のない白石である。杉元が呆れ果てていたが、そのとき囚人の情報を掴んだという白石が戻ってきて、日高行きを提案する。
ところが、一行にはもう一つ、とある問題があったのだった。




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