■十月二十日


沢田と顔を合わせないように授業時間以外は応接室から出ないようにしていた。
にもかかわらず、三時限目の最中、彼はプリントの束を抱えて廊下の向こう側に姿を見せた。
彼もこちらに気付いたらしくじっと見ていたが、僕はそのままそ知らぬ顔で通り過ぎた。
彼が見ている気配を背中に感じる。
しかし、僕は振り返る勇気を持っていなかった。




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