先生の話は聞きましょう

「……獄寺君?」
「……あ、はい、何でしょうか?」


休み時間になり、獄寺たちは自然と綱吉のテーブルに集まる。
だがどうも獄寺は、ずっと浮かない顔をし続けていた。


「いや、なんか暗い顔をしてるから……」
「す、すみません10代目! 10代目にそんな心配をかけさせるだなんて……」


慌てて畏まり、綺麗に90度に体を折る獄寺。
それにいつも通り引いている綱吉は、その謝罪を止めようとする。
が、止まる様子もない獄寺は挙句の果てにはガンガンと額を机に打ち付けて謝罪をする。
こうなっては、もう止まりようがない。


「……その人、大丈夫? ……いろんな意味で」
「あ、えっと……た、高城さん!」
「未来でいいよ。君は、ボンゴレ10代目候補のサワダ ツナヨシで間違いないよね?」


その未来の言葉に、ようやく獄寺は顔をあげた。
そして勢いよく未来を見る。
その獄寺の顔には、色濃く警戒の意志が映っていた。


「危うく忘れかけたぜ……テメェ、いったい何もんだ」
「ご、獄寺君?」
「10代目! 下がっていてください」


綱吉を背中に回し、獄寺は険悪な雰囲気を纏い未来を睨む。
もっとも睨まれた未来は、それを何とも思わず顔色を一つ変えず、指一本動かさない。
先程と同じ無表情のまま、未来はそこに立ち尽くした。


「自らを盾にしボスを守ろうとするその意気やよし、と言ったところか……?」
「あぁ?」
「とりあえずここでは話しにくい話題だし、僕らだけになれる場所で話そうよ」


そう提案する未来に、獄寺はしばし口を噤む。
やがて、ふと足元に気配を感じて見下ろす。
そこにいたのはいつも通りの顔のリボーンだ。


「いいぞ。んじゃあ屋上に行くか」
「……じゃあボンゴレ10代目、君のファミリーを全員連れてきてよ」


そう未来に言われても、綱吉は戸惑いを顔に浮かべるだけだった。

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