女子は編集したデータをファンクラブに見せた。
ファンクラブの会員は始めは信じられないと戸惑ったもののそれが、真実なんだと、自分たちは騙されていたのだと思い始めた。
そしてファンクラブの定例会議。
滞りなく行われて解散。
杏奈も部活に行こうと書類を急いでまとめる。
「硴山さん。」
会員の一人が話しかけてきた。
周りを見れば他の会員もこちらを見ていた。
「……何、かしら?」
「お話があります。」
「…部活に行きたいから手短によろしく。」
「はい、…………単刀直入に言います。
硴山さん、会長を辞めてください。」
「それは何故?」
「見たんです。硴山さんがドリンクを罵りながら捨てるところを、」
「あぁ。」
ついに見せたのか、会員全員が私が辞めることに納得を言っているようならやめてもいい。
後悔するのは、
「辞めてください。」
「いいわよ。後任は誰?」
「あの人です。」
指をさした方に目を向ければこには女子が、
「……あなた…。」
ふーん、本当に私の立場を奪いに来たのね。
そうねこれは革命ってところかしら?
「じゃ、会長職頑張ってね?新・会長さん。」
杏奈は颯爽と部活へと足を進めた。
「景吾。」
杏奈が跡部に駆け寄る。
「遅かったじゃねーか。」
「ファンクラブ定例会議があったのよ。」
「……なにか、あったな?」
「あら…ばれちゃった。」
少し顔を歪ませた。
「俺のインサイトをなめんじゃねーぜ?面白い顔をしてるじゃねーか。楽しいことと悲しいことが起きたんだな?あのメス猫絡みか?」
「あぁ、そこまでわかっちゃうのね。さすが私の景吾。
そうよ。あの子絡みよ。
あと会長も辞めされられちゃったし、
でも、もうあんな会議に出ないで景吾達ともっと長い時間居られると思ったらラッキーよ。」
「達か。」
「何?嫉妬?嬉しいなぁ。でも安心して私が好きなのは景吾。あなた一人よ。」
「嬉しいことを言ってくれるじゃねーか、アーン?」
「姫さーん、跡部。
今部活中やでぇ、イチャラブするならせめてコートから出て行きぃ。」
杏奈と跡部はコートに入ったまま会話をしていたようだ。
跡部とラリーしていた忍足はその光景をじっと見ているしかなかったようだ。
「それと姫さん、会長辞めてよかったんか?虐めに遇ってしまうんとちゃうか?」
「えぇ、もちろん遇うと思うわ。でも私は一向にかまわない。だってみんなが守ってくれるでしょ?でも景吾達には迷惑をかけちゃうかも。」
「なんでや?」
杏奈がファンクラブを抜けたことでファンクラブから制裁と言った虐めが降りかかってくるかもしれない。
それを構わないと杏奈が言った。
しかし迷惑とはなんだ?
何故自分たちに迷惑が掛かってしまうようなことがある?
「だって会長が規律、風紀を乱さないようにする監視役を担っていたのだけれど…次の会長があの子になっちゃったし…。
声援だって、自重もしなくなるでしょうねぇ。
会長を止めさせられた私には会員を制御する権限が無いのよ。」
ごめんなさいね、と頭を下げる。
「それだったら、問題ねぇ。俺様がファンクラブのコートでの見学を禁止にさせる。
俺様達が見学を許してたのは杏奈が会長で、信頼を置いていたからだ。」
「そうだったわね。」
「あのメス猫が会長をするんじゃ見学は許さねぇ。」
次の日から跡部はテニス部の見学を全面的に禁止した。
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【革命】
同じ数字のカードを4枚以上(場合によっては5枚以上)出すことでジョーカーを除くカードの強さが逆になり3が最も強く、2が最も弱くなる。
再び革命(反革命)が起きれば元に戻る。
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