「ねぇ、あなたドリンクにこの粉を入れるなんてどういうことかしら?」
テニス部のマネージャー、杏奈と最近マネージャーになった女子がドリンクを作っていた。
そして女子は杏奈がドリンクから目を離した瞬間ドリンクに白い粉を入れた。
しかし、杏奈はその行動に気づき女子を問いただす。
「これ…麻薬……よね?」
「チっ、そうよ。景吾達に飲ませて私の虜にするの。邪魔しないで。」
「邪魔しないでって…あなたやってること分かってる?犯罪よ、それ。
あなたが勝手に服用して捕まるのはいっこうにかまわないけれど…景吾達を巻き込むのは止めて。」
杏奈は完成したばかりのドリンクの中身を排水溝に捨てた。
中身をすべて捨てたがボトルに粉が付着したかもしれない。
再び使うのは止めた方が良い。
そう思って新しいボトルを奥から準備して再びドリンクを作り始めた。
「あ…あぁっ 杏奈ちゃん酷い!!」
女子が大げさに顔を両手で隠し、泣き始めた。
「……嘘泣きもたいがいにして、そしてあなた邪魔よ?どこかに行って。」
「うっあぁあぁぁ――。」
女子はその場に座り込み本格的に泣き始めた。
「鬱陶しい。」
杏奈はさっさとドリンクを作り終え部屋を出て行った。
「あぁあぁぁぁああ…………
アハっ。」
女子は嘘泣きを止め、部屋の隅に設置してあった隠しカメラを取り出した。
そして再生し、確認。
「よし、ちゃんと取れてるわね。これを編集してみーんなに公開すれば私は、杏奈の立場を奪うことが出来るわ!!フフフッッ。」
女子が部屋独り言を言って居るのを扉を出てすぐ横で聞いていた杏奈。
「やっぱりねぇ…やっと仕掛けてきたのね。でもあなたのしてることは無駄よ…だって隠しカメラってもう一台あるんですもの。」
杏奈と女子がいた部屋にはもともと防犯のためという名目で監視カメラがもう一台設置してあるのだ。
女子の独り言も終わったから杏奈はドリンクをレギュラーメンバーに配りに行った。
「はい、景吾ドリンク。」
「…………。」
跡部は差し出されたドリンクを飲もうとしない。
「あぁ、大丈夫よ。私が一から全部作ったから、あとボトルも新しいのに変えたし。」
「そうか。」
跡部は杏奈が作ったということを聞いて飲み始めた。
それに続いてレギュラーが取りに来た。
「なんでボトルが変わてるんだ?」
岳人が疑問に思い聞いた。
「あの子が作ったドリンクに麻薬を入れたのよ。すぐに捨てたし問題はないと思ったのだけれど…念には念を入れてね。」
「麻薬って……マジかよ。」
「本当よ、亮。あの子の考えとしては自分の虜にしたかったようだけれど。
それで麻薬を使うだなんてバカね。」
「俺、ちょっと飲んでみたかったかもー。」
ジローがふざけた口調で言う。
「冗談でも笑えないわ。私、薬中になったジローなんて見たくないよ?」
「でもそうしたら杏奈が看病してくれるんでしょー?」
「ジロー、それは俺様が許さねー。
誰が俺の杏奈にお前を看病させるか。」
「残念だC。杏奈、跡部に愛されてるねー。」
「本当にね。私も景吾のこと好きよ?」
速攻で二人の世界を形成。
メンバーが甘い空気に当てられる。
「なぁTPO弁えや。」
「あぁ、ごめんなさい。」
杏奈が戻ってきた。
「そういえばね。あの子面白いことしてくれたわ。」
「……なんだ?」
「それはね、あの子私を嵌めようとしてるの。」
「……あのメス猫消す。」
「待ってよ。景吾、私が困っているように見える?」
杏奈の表情は心の底から楽しんでる。
どうぞ嵌めてください、と言っている様なもんだ。
「それに、これ大富豪みたいじゃない。私、このゲーム楽しみたいわ。」
「杏奈が言うなら…好きにしな。」
「フフッありがとう景吾。」
「跡部…姫さんには甘いなぁ。」
「あら侑士、そこが景吾のいいところじゃない。」
「ただし、杏奈が怪我をするようなことがあったら俺様は黙ってられねぇ。」
「もちろんよ。私だって怪我するつもりなんてないわ。
だから、景吾…私の手札になってくれない?」
「あぁ。」
「みんなもカードになってくれるかしら?」
それぞれ了解と答えた。
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【Jバック】(別名:イレブンバック、、Jリターン、Jターン、小革命、イレブンジャック、ジャックダウン)
Jを場に出すと、場札が流されるまでカードの強さが一時的に革命が起きた時と同じ状態になる。
革命状態の時は一時的に革命が起きていない(2が最も強く、3が最も弱い)状態になる。場が流れると元に戻る)
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