大富豪or大貧民 | ナノ




「フフフフっもう負けでも認めちゃってもらおうかな?」

「な、なによアンタ!!なんなのよ!!意味わかんないわよ。なんで、なんでこんなことをしたのよ!!」

もう違うとは言わない。
彼女も誤魔化しが効くレベルの事態ではないことを理解していた。

「なんで…ねぇ、楽しいから?ゲームに一方的に勝っても面白くないし…ねぇ?」

「アンタの言うゲームに私を巻き込まないでよ!!」

「巻き込まないで?よくまぁそんなことを言えるわね。……あんたこそふざけんじゃねーわよ。」

「あ…杏奈先輩がキレた……。」

「あぁ、確かに私はアンタを巻き込んだ。それは訂正しないさ。認めるさ。アンタを巻きもんで私はとっっても楽しゲームができたんだもの。
けどね。アンタが先に景吾達を巻き込んだのよ?事の始まりはあなたが景吾達のドリンクに麻薬を入れたから始まったのよ?本当に巻き込まれたのは誰?あなた?私?いいえ、景吾達よ。
あなたの仕掛けたドリンクを飲んでみなさい?景吾達は大会にも出れない、それ以前に薬中で人生がおじゃんよ。
私は私で景吾達を手札にしちゃったから巻き込みに関しては反省しなきゃいけないけどね。余計な心配もかけちゃったし。
ねぇ…それでもあなたは巻き込まれたっていうのかしら?」

「ッつ…。」

「言えないわよね。アンタはみんなを巻き込んだ。そして私を巻き込んだ。アンタがこの私の立ち位置に嫉妬して。
そしてアンタは革命を成功させたわ。
私はファンクラブ会長という座をアンタに奪われた。悔しくなかったって言ったら嘘になるけど、それ以前に景吾達をサポートできる時間が増えたから無問題よ。
それに損をするのは会員達だったし?」

杏奈が会員達が損をしたといった瞬間に体育館内がざわついた。

「……そうよ。損をしたのはあなた達。
景吾がいきなり見学を禁止したのは私が会長じゃなくなったからよ。景吾が見学の許可を出していたのは私が信頼できると信じていたからよ。
私が会長を辞めたのだから見学は禁止されて当たり前じゃない。
新会長がこんなのになって、可哀想に…ね?クスッ。」

「!?こんなのって!!よくも私を侮辱したわね!!」

「こんなのって言ったらダメだった?じゃぁ、あんなの?」

「もう許さないんだから!!パパに言ってアンタの財閥を潰してやるわ!!」

「パパ?フフフフッアハ…アハハハハハハ!!!
ここで親が出てくるの?
もうアンタの手札はそれしか残ってなかったの?
これであがり?
フフフフっ予想はしてたけど、本当にジョーカーで上がるなんてっ。」

「な…にがそんなに面白いのよ!!」

「フフッ、ジョーカー上がりなんて、このゲームあなたの負ーけ。」

「ふん、アンタの言ってるゲームに負けたって悔しくないわ。
アンタは潰される自分の家について悔しく思っとけば!!」

「え?潰される?そんなことできないよ?今のあなたの会社ではね。」

「何言ってんのよ!!」

「だって景吾がきっと手をまわしてるもの。きっともうすぐあなたの会社は倒産するか…一介の小企業にでもなるんじゃないのかしら?」

「ハァ!?そんなことできるわけないじゃない!!私のパパの会社は大企業なのよ!!」

「アーン?そんなもん大企業だろうがなんだろうが取引先が無くなったんじゃぁ、潰れるしかないだろ。
お前のとこの取引先、俺のとこやこいつらのところで盗らせてもらった。」

「景吾、ありがとう。」

「お気に召しましたか?マイロード。」

「えぇ、とっても。流石ね私の愛しいジョーカー。」


「なんなのよ、もぅ!!」

女子は悔しがる。
こんなことになるなんて…!、と。




――――――――――
【ジョーカー、2上がり禁止】
最後までこの二枚のカードを持っていたら一番に上がっても最下位となる。


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