俺はお前で、 | ナノ

思わぬ伏兵
(4/7) 

「ハァア!立海大付属中学よ!!俺は帰ってきたぁあ!!!」

友哉はちょっと暫くの間四天宝寺中学に交換転校生として行ってきて、本日やっと帰還。
思わず校門の前で仁王立ち。

「しかし…怖かった……最後の方、怖かったぁあぁあああああああ………。」

思い出して見ても怖すぎる。
何故だ、何故なんだ。
何故あの財前と謙也があんな怖いことをしでかしたんだ…なんなんだ俺を真っ二つって、バカか。バカなのか?

「あー!友哉さんだぁあ!!どこ行ってたんすか!」

後ろから自分を呼ぶ声がして振り返る。

「ヒィッ!?き、切原?…か……久しぶりだな。」

名前を呼ばれて条件反射的にビビってしまった。
大阪で友哉と呼ぶのは財前と謙也ぐらいだったからな。余計にだ。

「あれ?俺の腹に一発入れて逃亡しないんすか?」

そうだ、いつもは赤也が接触して来たらそんな感じで逃亡していたのだ。
だって二言目には舎弟、舎弟とうるさいんだもん。

「…それ自分で言って悲しくないか?」

「いえ!愛情表現だと思っているので!!」

「……そうか…。」

一歩だけ、後退。
愛情表現と言ったらあれだ。
やっぱり財前と謙也を思い出してしまします!!

「あれ?…友哉さん、なんか変わりました?なんか覇気が柔らかくなりましたか?」

「ん?そうか?…まぁ、色々あったんだよ。」

「何があったんすか?何があったんすか!!是非とも舎弟の俺になにがあったのか、と言いますか何をしていたのか教えて下さいっすよぅ!!」

「あのな…ってお前舎弟違うぞ。
幸村の代わりに四天宝寺に行って人生経験を積んでェ………ッ!?」

途中で言葉を紡ぐのを止めてしまった。

「どうしたんすか?」

「あ…あ、なんで…ここに居んだよぉお!!財前に謙也ぁ!」

赤也の後ろに見えたのはその二人。
その二人が友哉の視界に入ったことで言葉を止めたのだ。

「友哉さーん…そこは両手をあげて喜ぶとこやないんですかぁ?」

「酷いやん友哉ー…俺らから逃げるやなんて、関心せんでぇ?」

ニンマリコンビ。
いや、ニンマリと友哉に恐怖を抱かせるような顔をしている財前と謙也。
それに対して険悪なオーラを放っている赤也。純粋に嫉妬だったりする。

「…友哉さん、誰っすか?」

「……えっとだな…四天宝寺での、と…友達と……舎弟、的な?」

「友哉さん、なんで俺を舎弟にしてくれないんすか!?なんで大阪で舎弟作ってるんすか!?浮気者!!」

「誰が浮気者だ!!」

「なんや、そこのワカメェ…いや、確か切原やったっけ?友哉さんに舎弟にしてほしがってるけど一向に舎弟になれてへん不憫は。」

「なんだよ!俺は舎弟なんだぞ!!ただ友哉さんが認めてくれてないだけで!」

「はん、それ日本語として間違っとるで。残念な脳味噌やな。」

自分は正式に友哉の舎弟だと言うことを自慢する財前。

「へ、へーんだ。俺はあれだぜ!?友哉さんとはもう半年以上の付き合いなんだぜ!?」

「ぐ…俺は……フン、それがどないしたんや。俺は友哉さんの泣き顔見たことあるで!!」

「ナッ!?お、俺は友哉さんに会う度ボディーブローと言う名の愛情表現を受けてんだぜ!!」

「それ愛情表現じゃないんとちゃうん?」

「俺、ドМだから!!」

「切原マジで!?お前、そんな趣味だったのか!?」

「ただし友哉さん限定っす!!」

「そんなん言うんやったら俺、ピアスを友哉さんに貰ったでぇ?」

「なにそれ、羨ましい!!」

「自分ら、俺と友哉は切っても切れへん関係なんやで?俺は友哉に体の自由を奪われて嫌や言ったのに無理やり……。」(喧嘩を…。)

「ぎゃぁああ!!友哉さぁん!!何をしたんすかぁ!?」

「勘違いすんなよ!?変な勘違いすんなよ!?絶対勘違いすんなよ!?」

「それにな…俺は一生消えへん傷をつけられ……。」

「違ぇだろ!!髪を脱色しただけだろうが!!」

「髪にダメージかけたから将来的に禿げるんやぁ!しくしくしく…。」

「やったら俺は友哉さんの体に一生治らへん傷をつけてやったわ!!」

「わー!!友哉さんの貞操が奪われたぁあ!!」

「財前、テメェ!!卑猥な言い方してんじゃねーよ!!ただ単にピアス穴をブチ開けただけじゃねーか!!」

「友哉さーん!俺も友哉さんの耳に穴開けたいっすぅ!!」

「嫌だ!!俺は病院で開けてもらう派なんだよ!!」

「ふん、切原嫌われとるな。友哉さんに対する愛が足りへんのんとちゃう?」

「なんだよ!お前だって友哉さんから怖がられてるくせに!!友哉さんからドン引きオーラを感じたぞ!!」

「それはあれや、友哉さんが悪いんや。俺と謙也さんとで友哉さんを半分こにしよう言うたのに、友哉さんが逃げるから。」

「何言ってんだよ!半分にするとかひでぇ!!」

「そうだそうだ!切原もっと言ってやれ!!」

「俺も含めて三分割にしてくれよ!!」

「協力してくれるならええで?」

「マジで!?」

「切原、待て、早まるな。俺は半分も三等分も嫌だ!!」

「友哉さーん!そんなこと言わないで、ちゃちゃっと終わらせちゃいましょう!!」

「何をだ!?俺の人生をか!?」


「大丈夫っすわ。俺が一生お世話させていただくんで。」
「安心しぃ、俺が友哉についとるから。」
「大丈夫っすよぉ!俺が友哉さんの世話しますから!!」




―――――――――
500000hit企画第5弾
遊輝様リクエスト「財前と謙也さんのヤンデレコンビとわんこ系な赤也」でした。

ワンコ?……ワンコですよ。あんまり要素が無いとか言ったらダメです←
ただ、一つだけ言わせてください。謙也は本来ヤンデレてませんから!本編ではただのヘタレですから!!←



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