俺はお前で、 | ナノ

半分ずつにしましょ? 2
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「ハァ…ッハ、ァー……ンェ………あー。」

息が切れる。体力は有る方だと自負していたがそれは嘘だったようだ。あいつら、いつまでこんな事を…俺を追いかけてくるんだ。




そう、俺は逃げている。

何から?

それは、俺を慕ってくれている奴らから。


慕ってくれているなら逃げる必要が無いんじゃねーの?

逃げないと俺の命が危ない。


危ない?俺は、アイツらが本気で俺を真っ二つにすると思ってんのか?

いや、今のあいつ等ならしかねない。目が本気だ。
あれは今まで何回も見てきた、本気で俺を仕留めようとする目だ。


逃げたってまた捕まるのに、逃げてるのか?

俺は逃げる。何回捕まったって、命だけは、俺の存在だけは消させねぇよ。
あいつにもう一回でもいい…会うためにな。


「グェッ!?」

走っていたのに、視界はいきなり低くなって前に進む事が出来なくなった。
上から抑えられて、身動きもとれない。

「友哉さーん…。」
「友哉ー…。」

「「つぅかまぁえた。」」

ニコリとほほ笑む謙也と財前。
その笑顔は少々、穏やかではない。

「なんで逃げるんですか?友哉さん。やっと俺と謙也さんが喧嘩をせずに友哉さんを平和的に分ける方法が分ったって言うんですよ?
逃げたら…台無しじゃないですか。」

「せやでぇ、折角ええ案が思いついたんや。逃げたら…ダメやろ?」

「っお前ら、な?こういうボケはやめよう?俺、大阪人じゃないからそういうのって突っ込み出来ねぇよ?うん、するなら同じ大阪人の白石にしなさい。
それよりも退けよ。マジで。」

「友哉さん、何言っとるんすか?ボケ?俺がボケることなんて今まで一回も無いですわ。俺はいつでも本気っすわ。いつも友哉さんを見ていたいって思うとる。いつも友哉さんの事を考えとる。いつも友哉さんを独り占めしたいと思うとりますよ。」

「俺かていつもいつも考えとるで?俺がこんなことを話したらどういう反応をくれるんやろうかって。いつも思い出しとるで?友哉が俺に、俺だけに向けてくれた表情、声、何もかも全部鮮明に覚えて。
やけど、全然足りへん。もっと、もっと友哉の記録が欲しい!やったら俺だけものにする必要性が…あるやろ?」

「お前らッ俺は嫌だって言ってんだよ!!俺を真っ二つ!?笑わせんな!!バカか!!アホか!!俺が口で言ってる間に落ち着けよ!?」

「や、ですわ。ここでひいたってなんのメリットもありませんもん。」

「光に同意や。友哉、大人しく俺らの餌食になってぇな!」

「ッ………日本語が通じねぇのかよ!!」


「守本ー、ええ姿やなぁそれ。めっちゃ心の中が、洗われていくわ。」

友哉が一応手を出さずに懸命に説得していると白石が遅れて友哉の姿を見学にやってきた。

「…白石、助けろ。」

「なんや?自分、俺に助けを乞うんか?ハッええご身分やな!」

「……。」

「なんや反論無しか。なんやホンマ弱っちぃな、関東の不良言うんは。
暴力を一般人に振るわんことが美学なんか?まぁ、それについては同意してやるわ。やけど…自分が死にそうなんに自分の身を守ろうとせんのはもっとバカのやることや。自分が居らんようになったら元も子もないやろ。
守本、そんな常識的なんも知らんのんか?可哀想に…。」

「…ぁあ?白石、お前はこの状況に居る俺をそんな風に貶して楽しいか?」

「おん、めっちゃ楽しいわ。せや、財前。自分も他人事ちゃうで?自分の親分、俺にものすごぅ貶されとるで?
謙也、お前の友達が俺にボロ糞に言われとるで?
俺を制裁せんでもええんかなぁ?」

光、謙也、と呼ばれたときに二人の目が見開かれる。
兄貴が貶された。友達が貶された。
そんな仁非道なことを言う白石には制裁が必要。

なれば、

「光、友哉のことは後でじっくりやろうか。」

「そうですね。今は部長を懲らしめんと気が収まりません。」

「お?やる気か?二人とも、ええで?まぁまず…俺を捕まえれたらの話やけど、な!!」

白石はその場を駆け出して、それを追いかけて二人が走って行った。

「…………助かったのか?」



友哉は何とか二人の追尾から逃れ空き教室に隠れてやっと一息。
一人で平和な時間を少し噛みしめていた。

「ふぅ…あの二人、この先どうすっかな…。」


「あー…疲れた、しんど。」

白石が多少息を切らせて友哉が隠れていた教室に入ってきた。

「…白石。」

「あ?…なんや、自分ここに居ったんか。」

白石はそう呟きながら友哉の隣に座ってきた。

「あぁ………その、なんだ…助けてくれて……ありがとう…。」

一応お礼は言っておこう。
この先も白石の援助は欲しいから。

「別にええって、俺かて俺にメリットがあるからやっただけやしな。」

「メリット?」

「おん、……なぁ守本?」

肩をポンとたたかれた。
少しずつ少しずつ、友哉の首へと手が這ってくる。

「…んだよ。」

「俺のモノになってみる気は無いか?むしろ…なってぇな、な?
俺、守本を助けてやったやろ?命の危機から、俺助けてやったやん?やったらその命って所有権は俺やんな?」

張っていた手がいつの間にか二つになっていて、二つは友哉の首を静かにとらえていた。

「グ、ゥ……ッじ らいッじぃ…?」




「な?ええやろ?」









―――――――――――――
400000hit企画第9弾
明智様リクエスト『「半分ずつにしましょ?」の続編』でした。
はい!まさかの白石までヤンデレ化ww
「半分ずつにしましょ?」の続きを全く考えずにいて…かなり困った←
あのまま謙也と財前のターンだったら確実に死ぬ。真っ二つにされてしまうww

と言う訳で、白石も病ませちゃいましたww

主…いい言葉を教えてやろう、一難去ってまた一難だ…頑張れ←


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