俺はお前で、 | ナノ

半分ずつにしましょ?
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「なぁ、謙也?」

「なん?」

「財前?」

「なんですか?」

「あのよ…少し離れてくれないか?」

「「いやや。」」

「良かったやん。守本、モテ期到来や。お赤飯炊こか?」

「白石、ボケる暇があるのなら助けてくれ。」

友哉は只今モテ期到来。
左手には財前が、右手には謙也が、くっついている。

時間はお昼休み。
本来ならご飯をモリモリと食べている時間なのだが、両手が拘束紛いなことをされているため食べることが出来ないし、何もできない。
口で注意してみても効力は無かった。

「なぁ、友哉さん?俺が横に居るのに、部長と喋るんですか?友哉さんのその口は俺とお話しするためにあるんでしょう?なのになんで部長と話をしとるんですか?ホンマ勘弁して下さいよ。そんなところを見て俺が平常心を保てるわけないですやろ?
あぁ、分かりましたわ。友哉さんわざとそんなことして俺の気を引いとるんですやろ?でも、それ止めてください。俺、友哉さんと他の人が関わっているところを見ると…閉じ込めたくなるんですわ。
俺の部屋でええですか?でも狭いんですわ。そうだ、友哉さんの為にマンションの一室借りましょうか。そこから出ないで下さいね。でも心配ですわ、友哉さんをさらいに来る人が居るかもしれへん。せや、友哉さんの足に鎖を付けとけばええんやな。そうや、そうしようや。俺はそこに住むことは出来んけど、毎日毎日通いますわ。ご飯も毎日作ります。何がええですか?ちゃんと食べてくださいね。心を込めて…作ったりますわ。
ああ!!なんて幸せな毎日なんですやろ!!」

「へッ…へー、お、面白い…生活…だな?」

「なぁ、友哉?なんで光とばっか話しとん。俺とも話してや?」

「な、何を話そうか?」

「どうやったら友哉を俺だけのものに出来るかどうか。」

「え。」

「ホンマどうやったら出来るんやろなぁ。俺的には光みたいに友哉を閉じ込めたりすることはしたくないんや。やって力では絶対友哉に勝てへんのやもん。閉じ込めたところで出て行くやろ?ホンマ…ええ方法無いんやろうか。
俺以外の姿をその目に写してほしくないんよなぁ…どうやったらなぁ…ああ!!その眼を俺が盗ってしまえばええんや!!やったら俺は友哉の目を独り占めできるし、友哉は俺以外を見ることはないんや!!ええアイディアや。
あー…けどそしたら友哉は俺の姿を見ることは無くなってまうんか…寂しい気持ちにはさせたくないわぁ。
やっぱ閉じ込めることがええんやろうか?せや!筋肉弛緩剤を慢性的に打ち続ければええんや!!」

「ひっ!?」

「謙也さん。なん勝手なこと言っとります?友哉さんは俺のですわ。」

「はぁ?何言っとんの?俺のおかげで友哉との関わりが出来たん。何?もう少し俺を敬っとった方がええんとちゃう?」

「謙也さんを敬う?寝言は寝て言ってください。俺が寝かしつけてやりましょうか?永遠に、」

「遠慮しとくわ。それより光は何時まで友哉の腕にしがみ付いとくつもりなん?」

「それこそ、謙也さんが離れてくださいよ。俺は昼休みぐらいしか友哉さんに触れれんのんですから、可愛い可愛い後輩に譲ってください。」

「可愛い後輩?そんなんどこに居るん?あー、見えへんわ。俺が見えとんのは可愛い可愛い友哉だけや。」

「おい待て、俺を可愛いとか言うな。」

「何言っとるんですか、友哉さんは十分可愛いですわ。自覚させてあげましょうか?」

「え、遠慮する…。」

「ほら友哉、光から離れ?」

謙也が友哉の腕を引いて自分に近づける。

「友哉さん、俺が作ってきた弁当食べさせてあげますわ。こっち来てください。」

財前が友哉の腕を引いて自分に近づける。

バラバラの方向へ引っ張られる友哉。


「イデデデデデデデデデデデデデデデェエエエエエエエエエエエ!!!!!!」

引っ張られる。右と左に力いっぱい引かれる。

「ほら謙也さん離してあげてくださいよ。」

「光が放せばええやろ。」

言い争ってどちらも離さない。
その間にも引っ張られ続ける友哉。


「………なぁ、俺こんな昔話見たことあるわ。」

白石がその光景を見て呟いた。

「なんや?」

「何だったかは忘れたんやけど、一人の赤ちゃんを二人の女が引っ張り合ってるやつ。」

「あー…あったなぁそんなの。結末は一人の女が離してその女の赤ちゃんになったってやつか。」

「おお、せやせや。」

その話を聞いた友哉は叫ぶ。

「お前ら聞いたか!?とりあえず離せ!!な!?」

「「……いやや。」」

「なんで!?」

「友哉…現実はそんなきれいにまとまるわけないやろ?盗ったもん勝ちや。」

「そんな…イデデッデデ!!余計に引っ張んな!!痛いッ痛いから!!!お前らッ離せ!!千切れる!!千切れるから!!裂ける!俺が二分される!!」

友哉の言葉を聞いて一瞬二人の動きが止まった。

「?」

「謙也さん。」

「分かっとる。」

二人は息を合わせ次の瞬間思いっきり引っ張った。

「イッッッてぇエエエエエエエエエエエ!!!脱臼する!脱臼するぅう!!お前らッ何考えてんだ!?」

「え?簡単なことですやん。友哉さんを二つに分ければ平和的解決やないですか。」

「なぁ?光、我ながらええ考えやろ。」

「マジッテメェらいい加減にしろよゴルァアアアアアアア!!!!!!!!」

命の危機に晒された友哉はとりあえず二人を振り払って脱兎。
しかし、すぐに捕まることになる。



「浪速のスピードスター舐めるんやないで?」

「さ、友哉さん。続きしましょうか?」



――――――――――――――
200000hit企画第17弾
hiairo様リクエスト「財前がヤンデレすぎてさすがの主人公もビビってなぜか謙也もヤンデレて,ヤンデレ謙也VSヤンデレ財前で主人公を取り合う」でした。

ヤンでいると信じたい。
ヤンでるの書くの楽しい…。

でもこれグロイ?……練詠はグロはバチコイな人なんでどこでアウトなのか分からない……。


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