(盗み見…?)


昼休みは終わり、1番後ろの窓側の席に座り、授業担当の先生の話を右から左に聞き流していく。
グラウンドでは男子がサッカーをしている。
体操服の色からして同じ学年。
ということは3年生だ。
ボーッと見ていると不意に視界に入った蜂蜜色の髪。

『(あ、宮地くんだ…)』

分かりやすい彼の髪色、
だけど、嫌いじゃない。
むしろ好きだ。
よく見ると彼の周りには見慣れたレギュラーの姿。

『(いいなぁ…。私も体育がよかった…)』

そんなことを思いながら彼らを見ていると、宮地くんが突然顔をあげた。
ばっちりと合う目線。
向こう少し驚いていた。
目が合ったので先生に見つからないように手を振ると、宮地くんもそれに返してくれた。
そして、彼はヨコを指差す。

『?』

初めは意味がわからなかったが、きっと前を向けと行ったところだろう。
ぷくっと頬を膨らませたら、宮地くんは面白いものを見つけたかのように笑っていた。

**********

試合形式のサッカーの授業。
出番は順番で同じ班を組んでいた大坪と木村と休憩していた。
ぱっと顔を上げると偶然なのか、授業中のなまえと目が合った。
あっちはあまり驚いてはなく、微笑んで手を振っていた。
そんななまえに手を振り返して、指で前を向くように指示した。
すると今を理解したなまえはぷくっと頬を膨らませていた。
それがなんだか可笑しくて笑ってしまった。

「宮地?」
「!」
「傍から見れば変な人だぞ」
「うるせーよ…」

隣で座っていた大坪と木村。
俺の気持ちを知っているからこその言葉だった。
くそっ…。
高尾に緑間に大坪に木村。
最近俺の扱いひでーわ。
特に高尾。
さっきの昼休みのこともぜってー笑ってやがる。
あとで轢く。
もう一度顔を上げると、今度はちゃんと授業内容を聞いていた。
そんな横顔にも正直可愛いと思ってしまう俺は重症だと分かっているが、この気持ちはどうしようもない。

「あー、くそ…。なんであんなに可愛いんだよあいつ…」
「お前も十分可愛いと思うぞ、宮地」
「あ?なんでそうなるんだよ」
「俺も大坪も応援してるからな」
「は?」
「「頑張れ、宮地」」
「意味分かんねーし!いきなり気持ち悪いんだよっ!」

マジでこいつら何なんだよ…。
そう思いながらも気になるのは、やはり窓から見えるなまえ。
今度は肘をついて寝ていた。
微かにカクンッと頭が揺れている。

「(あいつ寝てる余裕あんのか…?)」

何だかんだでなまえも勉強ができるのは知ってる。
レギュラーの中では一番成績が悪いであろう高尾に勉強を教えていたことがあった。
その時の高尾の目線がチョロチョロとこっちに向いてたのが正直ムカついた。
高尾が何を考えていたかなんて一目瞭然だった。
そんなことを考えていたらいつの間にかチャイムが鳴り響いた。
チャイムが鳴っても寝ているなまえ。
あとで小突いてやろうと思いながらも、俺は大坪と木村と一緒に更衣室に向かった。


(宮地。悪いがみょうじに個人メニューをもらってきてくれ)
(ん?…あぁ、わかった)
((なんか良からぬ事考えてたな、絶対))


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