擦鳴+上忍s
中忍試験は無事終了。
俺たち暗憔メンバーは中忍へと昇格した。
正体暴露した事により、俺は色んな意味で注目を浴びていた。
街中では罵声はないがヒソヒソ話をしてたり、目が合った瞬間勢いよく反らされたり。
意味もなく石投げられたりもしなくなり、苛々する事もなくなった。
そして、中忍試験が終わって数日後の事。
自来也の説得があってか三忍である綱手が木の葉の五代目火影として就任した。
俺たちは今、暗憔メンバーで小隊を組み任務を行っている。
其れ以外は認めてはいない。
爺も綱手も其れを理解しているからこそ、仕向けてくれているんだが、まぁ中には其れを気に入らない奴もいる訳だ。
例えば…
某上忍担任たちだったり。
其奴らに限らず、苦情らしいものが出ているとか。
苦情出す前に働けよ。
文句言う前に己を磨けよ。
なんてついつい苛ついてしまう俺。
「どうしてですか!?」
「納得いきません!」
「忍なら連携協力プレイは大事でしょうに!」
呼び出された俺たちの前で繰り広げられる幼稚な言いがかりを付ける上忍たち。
此処に案山子がいなかっただけでもよしとしよう。
彼奴は見た目と違って少しは利口だと思える。
某上忍たちと混じり合って俺たちに文句を言う程、腐ってないと言う事だ。
暗部任務で何度か一緒になり、俺の性格も実力も重々承知の上だからな。
こんな所で牙を向くなんて真似は出来ないだろう。
「だから何度も言わせるな。鳴門たちに与える任務はお前たちとはレベルが違うと言っただろ?」
「しかし!」
「どう考えても可笑しいと思います!」
「ずっと同じメンバーでの小隊を組んで任務するなんて異例ですよ!」
「お前らも諦めが悪いな」
そんな幼稚な言いがかりを付けられたって、やりたくないもんはやりたくねぇし。
此奴ら連れてった所で役に立つとは到底思えない。
「鳴門、さっきから此の状態なんだ。どうにかしてくれ…!」
綱手の婆が頭を抱えながら助けを求めてくる。
相当参ってるみたいだな。
そうは言っても、俺にどうしろと?
文句言ってきてる奴らは、そら確かに上忍の中でも腕は立つだろうが俺らからしたら弱い分類に入る。
自分たちの力量も過信しすぎているのか、此れは流石に面倒くさい。
「…………」
さて、どうしたもんかな。
一刻も早く此のウザったい場所から立ち去りたい。
此の上忍たちの顔を視野から外したい。
「ただの上忍がいっちょ前に俺らに文句言うなんざ100年早いっつーの」
「そうよ。自分たちの立場を考えなさいよ」
「何!?」
桜と鹿丸が吠えた。
まぁ吠えるわな。
普通の上忍が、ちょいと暗部にいたからと鼻伸びてんのか知らないけども、綱手の婆が言ったように俺らとはレベルが違い過ぎんだよ。
其れくらい理解も出来ないんだろうか…。
「これ事を荒立てるな!」
就任して間もない時間でこんな騒動じゃ、頭も抱えたくなるのは分かる。
だけど、此奴らの頭が可笑しいんだ。
はぁ、と溜息を付き、俺は口を開く。
「どーして此奴らとしか小隊を組まないかって聞く意味あるのか?」
「「っ………」」
少し睨んでやれば、某上忍たちは押し黙る。
ほら、睨んだだけで此れだぞ?
「俺は役に立たないヤツは傍に置かない主義なんだ。ましてや一緒に行動なんてしたくもねぇし。
だってそうだろ?わざわざフォローする事を承知で同行させる程、俺は優しくもお人好しでも何でもないんだ。
付いて来れる奴は受け入れてやる、だが自分たちのレベルを理解した上で発言しろ。
其れとも何か?此れだけ煩く言うって事はお前ら役に立てる自信は持ってんの?
俺らの枠を埋めれるだけの腕持ってるなら聞いてやらない事もないが?」
「「…………っ」」
「そんなにやりたいなら一度やってみろよ、お前たちでSSSランク任務をよ」
あまりに此の時間が無駄過ぎる。
論より証拠。
口で言っても理解しないんなら、自分たちの目で体で思い知ればいい。
そんな幼稚な言いがかりが如何に無意味なのかって事を理解してもらいたいもんだ。
「…鳴門、そんなに煽るな。下手したら死ぬぞ?此奴ら」
「そんなの俺の知ったこっちゃねぇな。
此奴らが言い出した事だろ?言って聞かないならやらせた方が手っ取り早い」
「「っ………」」
「どうした?今まで其の事で吠えてたんだろ?
だからお前らだけでSSSランク任務を成功させてこいって言ってんだ。
其れが出来れば一緒に小隊組んでやるから。
ま、其れかSランク任務を1人で3件続けて成功させるか。
其れしか俺は認めない」
「「………」」
「A〜AAAランク止まりなら暗部なら誰だってやれる。
俺たちと同じ空気を吸いたいなら其れなりに示してみろ。すんなり同じ土俵に立てると思うな。
其の考え自体が烏滸がましいんだよ、身の程を知れ」
そう言って、俺は其の場を後にする。
後から鹿丸たちも俺に続き、執務室を出てくる。
「諦めてくれるでしょうか…?」
「綱手がそうさせてるだろ。爺だって俺たちの任務を他の忍にさせようとは一欠片も思ってねぇしな」
死ににいくようなもんだからな。
「此の侭奴らが黙ればいいが」
「黙らなかった場合、黙らせれば早いわ」
「そうだな、どんな手を使ってでも俺たちで黙らせてやればいい」
「総隊長に迷惑をかける奴は絶対に許さないから」
其の言葉を聞いて、俺はクスリと笑う。
クルリと後ろを振り向き、
「お前たちには期待してるぞ」
「「Σ…御意!」」
そう言えば、少し驚いた顔をしたメンバーたちがいた。
「さて、今日は久々みんなで飯でも食うか」
「なら材料買いに今から行きましょうか」
「いいな、何作るんだ?」
「あ、アタシ鍋食べたい!」
「鍋いいね!」
「師匠は呼ぶんですか?」
「九離魔?呼ばないと拗ねそうだから呼ぶか。
甘いもん与えてれば大丈夫だろ」←
すっと1人だった俺に、九離魔がいて、鹿丸たちが加わって。
俺は其れだけで満足している。
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