ーガチャリ

執務室へ入ると猪、蝶辞、牙、滋乃、天天、李亥、案山子、亜須磨、紅、賀已。
暗部装束着てる暗憔メンバーと数人の部隊長。

「「…?」」

俺は中へ入り、ソファに座って足を組んだ。
今の俺の格好は暗部装束に身を包み、面までして。

そして、ゆっくりと面を取ると、奴らが驚きに顔を固まらせているのが分かる。

「さて、質問があるならどうぞ」

「「…」」

驚きと俺の後ろに立つ暗部たちに圧倒されてるのか、中々言葉が出てこない。

全く…。
はぁ、と溜息を付いた俺。

「俺が暗部を指示出来てたのは、俺が其奴らの上司だからだ。
暗憔部隊、隊長及び暗部総隊長、名は蒼翠。
実力を隠してた事は極秘だった為、其れは仕方ない事だと理解してくれ」

ざっくりとした自己紹介になったが、其れで理解してくれてのは案山子のみ。

「な、鳴門が…蒼翠さま…?」

「何時から、暗部にいたのよ…」

「3歳だったかなー…」

「Σな、3歳!?」

「総隊長になったのは4歳だったな…確か」

「「…」」

俺がどんな過去を持ってたとしても今になっては全く関係ない。
部下が慕ってくれて、今からは俺の好きなように動けるなら。

其の為の表舞台でのデビュー戦だったんだ。

「暗憔部隊のメンバーを紹介するよ。
お前たち、面を取れ」

俺の言葉で面を取ったであろう彼奴ら。
其の顔を見て、案山子たちは目を見開いていた。

「暗憔部隊、副隊長及び暗部副総隊長、名は翔赫。本名奈良 鹿丸」

「名は凉蘿。本名日向 雛多」

「名は呀狼。本名日向 螺子」

「名は神楽。本名春野 桜」

「名は戒俚。本名団扇 佐助」

「暗憔部隊は俺を含め7人で結成されてる」

「…後1人は…?」

丁度いいかと思った。
彼奴を、紹介するなら此の面子で。

そう思った俺は印を組み、口寄せの術を発動。

モクモクと煙が立ち上がり、中から九離魔の登場。真後ろに出てきた九尾は何故か俺の頭に顔を乗せていて。

『…鳴門、どうゆう状況だ』

「蛇野郎が木の葉に喧嘩売ってさ。まぁ暗憔メンバーで暴れた所、此奴らが真相を知りたいっつーもんだから」

『ふむ…儂もよかったのか?』

「いいよいいよ。此の際。
あ、紹介する。俺と運命共同体で生まれた時からずっと一緒だった、九離魔。
本名、九尾の妖狐よろしくな」

『…まぁ、鳴門がよいならよいか』

「「Σ九尾ぃいいいい!?」」

あれ、何で此奴らが声を上げるんだ…。

鹿「九尾ってどうゆう事ですか!?」
桜「え、九尾ってあの九尾!?」
佐「ちょ、マジかよっ」
雛「え、でも封印…」

螺「雛多さまも、お前らも…知らなかったのか…?」

「「Σ何でお前は知ってんだ(の)!?」」

「いや、俺は九離魔が師匠だし…修行する時、自分でそう言ってたから…てっきり皆も知ってるもんだとばかり…」

「お前なぁ…」

『脅し文句ってヤツだ』

「アホか」

『所で老いぼれ、甘味はないのか?』

「今そうゆう場合じゃなかろうが!」

急に話を振られた爺が九離魔に一喝。

『儂は今そうゆう場合だ!
なぁ、鳴門、甘味はないのか?』

「…」

桜「ったく…」
佐「空気読め…」
雛「ふふっ」
螺「(雛多さま、何て可愛らしいっ)」←
鹿「…アホ」

挿し絵的なモノ

腹が減って腹が減って仕方ない!と喚く九尾の顔に

「グフっ」

拳を叩き付け、痛い酷いなど連呼して抱き着いてくる九尾を無視し、目を案山子たちに向けた。

「ほかに聞きたい事は?」

「「…」」

「ないんだな…?」

「どうして、」

言葉を発したのは案山子だった。

「ん?」

「暗部の部隊長たちが、鳴門に従って…」

案山子が思うのも無理はない。
何年か前までは、此奴らも俺を殺そうとしてる敵に違いなかった。

「俺が、俺だったからだ」

「…え?」

「俺が、蒼翠だったからだ。
意味が分かるか?暗部だとしても、実力も頭脳も経験も俺の方が上なんだ。
暗部ってのは縦社会だろ。トップにいる俺に従うのは当然の事だと思うが?
俺がトップに座ってたからこそ、安心して任務が出来るんだ。
ましてや、S〜SSSランクしかやらない俺たちにとっても下の奴らがA〜AAAランクをしてくれるのは助かっている。
下の奴らだってそうだろ。
SSSランク任務を下の奴らが誰1人として任務成功した例がない。
そんな奴らが俺を殺すだの何だの、殺すとか喚くならせめてSランク任務を1人で3つ以上こなせるようになってから。
現実と向き合う事も大切だ」

「「…」」

「刃向かう時は死ぬ覚悟をしてから刃向かえ」
「実力もない下っ端が吠えるなんざ有り得ねぇ」
「刃向かうなら其れなりの実力を持ってからよね」
「俺たちを越えられないなら一生無理だな」
「私たちを越えたとしても、九離魔さんがいるから」

暗憔メンバーの冷ややかな悪魔の囁き。

『…鳴門は強いぞ。儂よりも遥かにな。
間違っても儂を利用しようと考えたりはせん方がいい。
此奴が牙を向くぞ?逆に、鳴門を利用しようとする人間がいるならば、問答無用で儂が食ってやる。楽には死なせてはやらんから覚悟しておくのだな』

ゾクリ、と案山子たちが身震い。
やっと理解したようだ。
自分たちが下にいる事を。

「運命共同体だからな、俺ら」

『うむ、相思相愛だぞ』

「其処まで言ってねぇよバカ」

「鳴門」

クスクス笑いながら九尾とおちゃらけていたら、爺が真剣な顔で口を開く。

「…」

「五代目についてじゃが」

「もう決まったか?」

随分と早く決めたもんだな。
其れによくもまぁ相談役の爺と婆も納得したな。

「相談役も一つ返事で決定した。
反対派も少しはいたが、可決が出された」

へぇ、あの2人が反対しないとは珍しい事もあるもんだ。

「うん、誰に決まったんだ?五代目は」

「お主じゃ、鳴門」

「「は(え)…?」」

此処にいた全員が声を揃えて、驚いた。

「誰が、火影なんぞするって言った?」

「お主が決めろと申したではないか」

「だからって何で俺な訳?」

「ワシの中でお主が一番最適だと思ったからじゃ」

ゆっくりと殺気立つ俺。

「前にも言っただろ。俺は火影なんてしねぇって。柄でもねぇ」

「相談役の2人も頷いたから、拒否権はないぞ」

「…あのぐうたらジジババか…!」

俺は思わず飛び出していた。

向かうは、あの老いぼれ2人の所!
 

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