擦鳴桜佐+大蛇丸

 
中忍試験が始まった。

案山子は笑顔で推薦しといたからな、と言ってて正直助かった。
下忍ルーキー勢揃いする此の試験は何が何でも参加する意味があった。

俺もいち早く下忍から抜け出したいと思ってもいたし。
会場に入ってみると、ぞろぞろと雑魚たちの集まりが其処にあった。

木の葉、砂、草、雨、音と自信に満ち溢れた下忍の姿。

「(どんな試験だろうな)」

「(楽しみね)」

「(嗚呼)」

俺たちの存在に気付き、木の葉の下忍ルーキーたちが寄ってくる。

「(取り敢えず、死なせないよう頼んだぞ)」

「(分かってるっつーの)」

「(見つかる前に殺るから心配しないで)」

「(問題ない)」

鹿丸、雛多、螺子との会話の中、森乃 イビキが試験官を勤める、中忍試験第一試験の筆記試験が行われた。

カンニングありありの筆記試験。
忍者なら、普通のカンニングではなく、忍者らしくって事。

情けないカンニングは減点で、周りの試験官たちが厳しくチェック。

俺たち7班は大丈夫。
俺はドベであり、バカだから白紙決定。
桜は頭いいからカンニングする必要もない。
佐助は写輪眼があるからカンニングにも問題はない。

雛多も、螺子も問題は全くない。

名前に渦巻 鳴門と書いて、鉛筆を置いた。
そして、俺はとある人物を見つめる。

「(今回の中忍試験、不審者が目撃されたらしい)」

「(其の話は我々も聞いた)」

「(きっと大きな衝突になって、死人も出てくるだろ。折って指示するから其れまでは下忍たちの近くにいてくれ)」

「(承知した。で、問題は解かないのか?)」

「(馬鹿を言うな。俺が此処で全問正解出してみろ。世界がひっくり返るぞ)」

「(其れもそうだな)」

試験官であるイビキと顔見知りだったりする。
中忍試験での協力者とでも言っておこうかな。















第二試験、何でもありありのサバイバル。

「(鳴門、不審者が発見されたって本当なの?)」

「(嗚呼、間違いない。前々から噂もあった)」

「(噂?)」

「(大蛇丸が木の葉を潰しに来るって)」

「(…大蛇丸…!)」

「(コラコラ、そう殺気立つなって。好きに泳がせておけ)」

天と地の両方の書を持って、死の森の中心にある塔に辿り着けばいいだけの事。

最初に受け取るのは天か地のどちらかで、もう1つは他プレイヤーから奪い合う争奪戦。
死人は付きもの、だと言う事だ。

「俺たちは今、悪までも下忍だ。
制限時間ギリギリまで他の下忍たちの見回りしながらの、敵を排除」

「了解」

「鹿丸と螺子さんと雛多には?」

「俺が伝える」

鹿丸は一応猪と蝶辞を守らないとならなくなる。
其れは雛多も螺子も同様。

だから手が空く俺たちがやるべき事。

「取り敢えず、三手に別れて行動。
あ、佐助、地の書は頼んだぞ」

「任せとけ」

「桜は俺同様、見回りな」

「はい」

「3日後、塔でな」

さて、此れから死人も出るサバイバル。
と言う事は、殺してもいいって事となる。
其の為の同意書なんだから。

「…」

第二試験が始まったと同時に、俺たちは別々に散った。
もちろん暗部用に変化して。

取り敢えず鹿丸と雛多と螺子に伝えておかなきゃな。
気配を読み取り、其々に伝えながら下忍相手に少し遊ぶのも忘れずに。

「…」

と思ったら、いい標的を発見した。

大蛇丸…。

下忍に化けたつもりでも、其の中のチャクラは誤魔化せやしないよな。

此奴は何を企んでる?

ちょいと聞き出してみるかな。

「…動くな」

「Σ!!(此の私が、気配に気付かないなんて…一体、何者かしら…)」

「さて、何しに来たんだ、蛇野郎」

「…あら、お見通しなのね。折角其処らへんにいた子たちの顔をもらったのに、残念だわ」

「奪った、の間違いだろ」

「そうとも言うわね」

クナイを背中に突き付け、奴の放つ殺気が俺に向く。
どうも此奴は自分の立場を分かっていないらしい。

「そんな殺気じゃ俺はビビらねぇよ?」

「…」

「で、木の葉に何しに来た?」

「…欲しい子がいてね…」

「ほぉ…三忍と言われたお前も随分と平和呆けしてきたなぁ」

「何ですって…?」

「中忍試験にわざわざ自分からノコノコ出てきて、欲しい子がいる?下忍で?
笑わせるなぁ…お前が、奪えるとでも?」

「さっきからアナタ、随分私の事を軽く見てるのね?」

「軽く?そら見てるさ」

トン、と背中を蹴ってやる。
すると、大蛇丸は俺を振り向いた。

「Σ…!」

「ようこそ木の葉へ、元木の葉の忍者さん?」

今、俺は変化してない。
鳴門の状態で、両手を広げてニヤリと笑ってみせた。

「君が、何故此処にいるのかしら…」

「さぁ、何故でしょうか」

死の森の塔の近く。
其れも、第二試験初日で無傷な俺。

「お前が欲しいとしてる奴は、木の葉でメボシいと言えば写輪眼の団扇か白眼の日向。
まぁでも写輪眼の方が妥当かなぁ。
佐助を狙う辺り、鼬はお前じゃ倒せないって事だよな?
だからわざわざ中忍試験に潜り込んで唾付けとく事にしたんだろ」

「ええ、そうよ。団扇 鼬は私より強いからね、狙いを佐助くんに変更したまでよ」

「上手くいくかな?」

「…どうゆう意味かしら?」

「見てれば其のうち分かるさ。其れまで、精々楽しませてくれよ?」

そう言って俺はやての前から姿を消した。

今の佐助は鼬と同じくらいまで成長してる。
そんな彼奴を、奪えるモノなら奪ってみろ。






「随分と敵が減ったな…」

見回りして早くも2日目が終わりそうな頃…

立ち止まっていた俺の後ろに、

ーサッ

現れた、部下がいた。

「どうした」

「餡子から伝言です」

「…言ってみろ」

「砂の下忍3名が、初日1時間半で塔へ辿り着いた模様。
下忍らしからぬ、速さでましてや体には傷1つとして見当たらなかったとの事です」

「ふーん、中々筋のいい奴がいるんだな」

砂か、あの無表情の男かな…。
九尾みたく馬鹿デカいチャクラ持ってたよな…彼奴も人柱力か。

「分かった。其れから、俺から爺に伝言だ。
大蛇丸の狙いは佐助だって知らせとけ」

「お、大蛇丸ってあの三忍の…!?」

「あの男は鼬より弱いからな」

ま、佐助よりも弱いがな。
さて、どう動くかな?







3日目、俺たちは合流した。

「敵の数も減ってるし、此のくらいでいいだろ。のんびり塔目指すぞ」

「地の書は抜かりない」

「何処の奴らから奪ってきたの?」

「偶々出くわした音の里の奴らからだ。
何か凄かったぞ、彼奴ら。
音と空気使ってたな」

「へぇ、そんな武器使う奴いるんだ」

佐助には取り敢えず大蛇丸の事を伝えておこう。
こんなんで取り乱す奴じゃない事くらい分かってる。

そろそろ、御披露目かなぁ。
暗憔部隊の表舞台での御披露目が。

俺たちの前に奴が現れた。

大蛇丸が。

もう来ちゃったんだ。はや。

「誰だ此奴?」

「さぁ」

「大蛇丸だよ」

「へえ、此奴がねぇ」

「ふーん」
 

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