三代目+鹿丸
鳴門が待ってくれている。
「少し休憩するか?鹿丸」
「…いえ、まだ!」
「年寄りを少しは労らんか…」
三代目と修行を始めてから半年。
俺は少しずつ、でも確実に力を付けていった。
今では暗部の任務もこなすまでに成長し、1人でランクAの任務も確実に成功させていた。
「あの、三代目ちょっと聞いてもいいですか」
「何じゃ」
「鳴門は、何時からあんなに強かったんですか?」
「ワシも詳しくは分からぬ。
鳴門が3歳の時、突然暗部に入りたいと申してきてな」
3歳…。
其の時にはもう既に強かったのか、鳴門は。
「もちろん、反対したぞ。でも彼奴は頑固でな聞いてもくれなかったわ」
「…」
「鳴門は今や木の葉では一番上に立っておる」
暗部の一番、上…。
「…幻の総隊長…」
話には聞いた事がある。
名前は蒼翠と言って、実際にいるのかいないのか分からない。
架空人物とまで言われている。
「鹿丸も聞いた事はあるようじゃの。
そう、鳴門は其の蒼翠じゃ。横にいた九離魔は一応其の部下にはなっておるが」
「三代目」
「どうした?」
「今の俺は、鳴門に認めてもらえるでしょうか…」
「…まだ無理じゃの」
「…」
「そう落ち込むでない。お主はかなりの早さで成長しとる。半年でもう上忍以上の実力を手にしたのなら、もうすぐ見えてくるじゃろ」
鳴門の隣がもうすぐで、見える…。
俄然やる気が出てきたかも。
「三代目、此れからは今まての3倍のメニューでお願いします!」
「だからワシを労れと言うておろうが!」
もう少し…。
もう少しで、あの人の隣が見えてくる。
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