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鳴門に会った後、俺は捕まった。
暗部の大人が、鳴門1人に対して5人。
此奴ら、何をそんなに必死になってんだ。
鳴門は鳴門で暗部を睨み付けていた。
あんな鳴門、見た事ねぇ。
すると、何時の間にか俺は白髪の兄ちゃんに抱かれていた。
九離魔と鳴門が呼んでいて、其奴は暗部を全て引き受け、消えた。
其れなのに、目の前にまた現れた暗部。
後ろから見ていても、鳴門が何か怒っているのには感じとれる。
そして、俺は見えない壁に囲まれていた。
ごめんね、鹿丸…其れはどうゆう意味で言ったんだ。
鳴門がこんな結界を出来る事じゃない。
俺が知りたいのは、鳴門は俺の知ってる鳴門は最初からいなかったのか?
あの明るくイタズラ好きな鳴門は、作られた鳴門?
でも、今の鳴門は?
強くて、見ていて格好よかった。
凄い、凄い、凄い、凄い、凄い!
俺と同じ年なのに、凄い!
俺は鳴門から目を離せなかった。
『おい小僧。鳴門を、否定するか?』
何時の間にか横にいた白髪の兄ちゃんがそう言ってきた。
ひてい?其れはどうゆう意味?
『鳴門を受け入れられるか?』
「うけいれ、る…?」
どの言葉も5歳の俺には難しい言葉。
意味を知らない其れに俺は首を傾げていた。
其れを分かったのか、白髪の兄ちゃんは違う言葉を出してきた。
『今の鳴門を見てどう思う?』
「どう…………す、凄い、と思った」
『…そうか』
白髪の兄ちゃんはクスリ、と笑った。
ひてい、あー思い出した。
其の事実を受け入れられないって意味だ。
ううん、俺は鳴門をひていしない。
「俺も…」
『…』
「あんな風に、強くなりたい…」
『よく言ったな小僧。三代目火影の猿飛に儂から話は付けておいてやる。修行つけてもらうんだな。
多少なりとも力を付けてくれば、鳴門も少し認めてはくれようぞ』
鳴門が認めてくれる…。
「いいな、此れ。使える」
『其れか新しい術は、中々じゃの』
「だろ?九離魔の思い出してさぁ………」
鳴門が俺を見た。
「…鹿丸」
「鳴門、俺やるから」
「は?」
「待っててくれ。すぐ行くから!」
もう決めたんだ。
俺は強くなる。
そして、鳴門の隣にいたいって。
すると、ゆっくりと鳴門の手が伸びてきた。
ーパシっ
白髪の兄ちゃんが其れを止めた。
『鳴門、記憶は消すな』
「…どうゆう事だ?九離魔…」
『お主の隣に、其奴が必ず立つ日が来る』
「珍しい事もあるんだな。九離魔が認めるなんて」
『儂の基準なんてお主に比べたら月と鼈だ。
(鳴門を否定しない奴なら、儂は大抵認めてやる。隣に立ちたいなら鳴門に相応しい人間になるのも、小僧次第だからの)』
「…はぁ。1年だ」
「え…」
「1年待っててやる」
「…ありがとうっ」
嬉しさのあまり、俺は鳴門を抱き締めていた。
「ちょ、何するんだっ!」
「俺、絶対行くから」
其の後、俺は火影さまを目の前にしていた。
九離魔さんから言われた通り、
「三代目、俺を鍛えて下さい!」
「(九尾の奴、此の前の監視役引き受けたからとこんな小さい子をワシに預けおって…)」
「…ダメ、ですか…?」
「鳴門には何と言われたのじゃ」
「1年、待つって言われました」
「1年か…」
其れから始まった、三代目との修行。
早く、隣に立ちたい、ただ其れだけだ。
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