「アンラッキー…」

「1人で勝てるとでも…?」

「ふふ、舐められてるのかな?」

聯の実力を知らない雨隠れの忍衆。
ゆっくりと近付いてくる聯をクナイを構えニヤニヤと見つめていた。




「「うぁあああああ!!」」

死の森に悲鳴が響き渡り、鳥がバサバサと飛び立つ。

地面に流れ出る血が、辺りを赤く染めた。

「なぁんだ、呆気ないなぁ」

息のない3人の所持品を漁る聯。
1人の所持品から巻物を見つけた。

「やった!天の書だよ!」

「よし、もう長居は無用だな」

鳴門たちは中央にある塔を目指した。
途中で2チーム程出会った他国の忍と少し遊んだり。



「此処か」

塔へ到着した3人。
すぐ様中へ入ると、ただっ広い場所。

「誰もいないね?」

「鳴、アレ…」

「ん?」

鹿丸が指を指した方向に目を向けると、其処には三代目直筆であろう掛け字があった。

「ねぇねぇ、アレどうゆう意味?」

「強い奴は強い、弱い奴は弱いって意味」

「や、違うだろ…(汗)
天は頭、地は体を指してる。
弱点が頭脳なら、様々な理を学び任務に備えろ。
弱点が体力なら、日々鍛練を怠らなきゃなんねぇぞって意味だ。
天地両方兼ね備えればどんな危険に満ちた任務も正道…つまり、覇道とも言える安全な任務になりえる、って事か?
此の2つの書を開いたら、導く者が口寄せされる、みてぇだな」

鹿丸の其の言葉を聞いた鳴門は巻物を開いた。
口寄せの術式が書いてあり、2つの巻物を床に置いた。

すると、術式から煙りが立ち上り始め、ボフン、と術が発動され煙りの中から1人の人物が現れた。

「第2の試験、突破おめでとう!」

「あーパパだv」

そう、中から現れたのは湊だった。

「また言うけど、鳴くんたち、突破おめでとう!
第2の試験の最後はチームの担任が迎える事になってるんだ。
だから僕が鳴くんたちの伝令役」

そして湊はポケットの中から懐中時計を取り出す。

「やっぱり鳴くんたちは凄いや!開始時間から35分しか経ってないし(笑)」

「で、俺ら此れからどうする訳?」

「其の事なら、今から3人ともじっちゃんの所に」

「お爺ちゃんの所に?」

開始から35分後、鳴門たちは第2の試験をクリアした。




此の塔の最上階。
ドアを開けて中へ入れば三代目と護衛の忍数名が集まっていた。

「流石に鳴門たちには簡単過ぎたかの?」

「当たり前だ。たかが巻物争奪戦じゃねぇか」

「少し寄り道したし、遅くなったけどな」

「で、お爺ちゃん僕たちに何か用?」

「まぁ、取り敢えず座りなさい」

座っていた椅子から立ち上がり、ソファに座った。
対面のソファに湊と鳴門も座り、鹿丸と聯は後ろに立つ。

「流石、と言う所かの。
第2の試験突破おめでとう、鳴門、鹿丸、聯」

「当たり前だ」
「当然だな」
「有り難うお爺ちゃん!」

周りの護衛に付いていた忍たちは、其の会話を聞いていても口出しは出来ない。
火影に対して、こんな言葉使いをしている鳴門たちであっても、あの木の葉最強軍団だと知っているからだ。

火影を前に腕や足を組んでいようが、どんなに口が悪かろうが、そんな鳴門に注意するような命知らずな程、馬鹿ではない。
彼らはちゃんと立場を弁えているのだ。

一緒の空間にいるだけで分かる此の圧倒感。
木の葉最強と、いや、世界最強と最も名を上げるのに相応しい人物。

「で?他に何か言う事があったんだろ?」

「三代目が呼び出すんだから、其れぐらいねぇとな?」

「で、何すればいいの?」

3人がそう言うと、三代目はクスリと笑った。

「やはり、鳴門たちには敵わんのぉ…。
実はの、お主らが倒した大蛇丸の部下が此の中忍選抜試験に参加しておってな」

「音の里の、3人組なんだけど…鳴くん分かる?」

「嗚呼…彼奴らか…」

「鳴に喧嘩売ってきた奴らだろ?」

「大した事なかったけど?」

淡々と話す3人に対して、三代目は苦い顔をする。

「どうやら、鳴門、お主に復讐しようと目論んでいるらしくてな…。
マークしていた暗部からの情報じゃ、まず間違いはない」

「ふ〜ん…復讐、ねぇ…v」

「(あ〜あ、顔が笑ってらぁ…)」

「第3の試験、音と俺らぶつけてよ」

鳴門の言葉により、此の場にいた鹿丸と聯以外が目を見開いた。

「そうきたか」

「鳴くんの事だから何かするとは思ったけど、其れ面白いかも!」

「ま、俺らの敵じゃねぇが、遊んではやれるだろ?」

ニヤリ、と笑った鳴門を見て、鹿丸と聯以外にも、三代目と護衛役の暗部たちは、悪魔だ…と心の中で囁いた。

其れから、開始から1時間45分頃、我愛羅たちチームが突破し、1日目で突破したチームは鳴門チームと我愛羅チームの2チームだけだった。



塔の中にやってきた餡子に駆け寄る男。

「大変です!餡子さん!」

「何だ騒々しいね」

「こちらへ!」

慌てた様子の男に何やら胸騒ぎを覚えた餡子は2つ返事で男の後に続き、ある部屋へ入った。
其処には塔の内部を映した防犯カメラの映像が映っていた。

「此れを見て下さいっ!」

「一体何な………ッ!?」

「第2の試験、開始35分後…塔内の録画です!
木の葉の忍3名が第2の試験…………突破しました」

「こんな事って…」

「僅か35分で…未だかつてこんな事はなかった…此れは異常です…!」

餡子は此の事実に驚愕した。

「最高記録を5時間も塗り替えやがったか…」

「此の3人、四代目火影さま率いるチームよ…。
木の葉が誇る五大国の中で最強と言われる忍、渦巻 鳴門、奈良 鹿丸、其れと聯って言ってたかしら…とんでもない子たちね…」

「オマケに、傷1つや疎か埃すら付いてねぇ…」

餡子たちは、画面に映る鳴門たちを見て冷や汗をかいていた。

「中忍ですら、此の塔まで辿り着くのに無傷じゃ済まないぜ…」

「天才チームと呼ばれるだけあるわね…」







5日間でのサバイバルを終え、鳴門たちは第3の試験を受ける為、其の会場となる場所に整列していた。

三代目火影、特別上忍、担任上忍が受験生の前に立つ。

鳴門の隣には、桜たちのチーム、猪のチーム。
下忍成り立てルーキーは全組突破している様子。

中には、ガイ率いるチームに音隠れチームも。

残っているチームを見た鳴門は、口端を持ち上げた。

楽しみだな…v

其れから三代目火影からの説明、次に月光 疾風からの説明。

ランダムに選ばれた2名が、戦いぶつかり合う。
1人が戦闘不能と審判が下れば其の場で第3の本選試験に出場が決まる。

「第1戦目…………
渦巻 鳴門 vs ドス。両者は前に出てきて下さい」


【鳴門Side】

試験官に呼ばれ、下に降りた。
ドスって奴も降りてくる。

両者、向かい合う。
相手の顔に手が届く距離。

「其れでは、始め!」

月光 疾風がそう言った瞬間、俺の相手はいきなり殴り掛かってきた。

何なく避けるが、変な音が聞こえてきた。

「っ………?」

「ふふ、どうしたんだい?」

何だ此れ、目が可笑しくなってやがる…。

「試験官」

「何ですか?」

呼び掛ける中、俺は印を結び医療忍術で目のモヤモヤを取り除く。

「殺しちゃっても、大丈夫なんですよね?」

「取り敢えずは構いません」

「そう。じゃ、遠慮なく」

そして俺は通常より短い、30p程の長さのチャクラ刀を。

前々から試したいと思ってた事があったんだ。
指1つ1つから伸びるチャクラ刀。

「何だい其れは…」

「俺が編み出した術の1つだよ。此の形態は初めてやったけど」

指から伸びるチャクラ。
5本の指から、肉眼でも見えるチャクラは先に行くと鋭く尖ってる。

「さて、遊ぼうか…v」

「遊ぶ?やだなぁ、僕は君を………殺しに来たんだよ!」

其奴は駆け寄り、また腕を振り回す。
其れを避ける俺。

2回、3回、4回、5回。殴りかかってくるのを避け続ける。

が、段々と面白くなくなってきた…。

「ねぇ、もう終わり?」

「狽ネっ!?何故、僕の攻撃を食らっても平気なんだ…!」

「俺に2度も同じ術は効かねぇよ。さて、反撃開始…v」



【鹿丸Side】

避け続けてた鳴門がニヤリとわらった。

嗚呼、今から此奴は死ぬな、そう思った。

「四代目」

「何?鹿丸くん?」

「猪と桜に目隠ししんねぇと、此れからグロいもん見せられっから」

俺がそう言うと四代目は言葉の意味を理解したのか、一緒にいた猪と桜に近付いてから素早く印を組み、2人の額を人差し指で押した。

すると、気を失うかのように2人は倒れる。

「鹿くん、あの人絶対死ぬよね」

「嗚呼」

喧嘩売ったんだ。あの鳴門に。
俺で冴え敵わない、最強と言ってもいい程の実力を持つ、あの鳴門にだ。

鳴門に喧嘩売って、今までで生きてる奴は1人としていねぇからな。

鳴門がいる下に目を向ける。

「うわぁぁぁあッッ!!」

ドスって奴の右腕が6等分になって、床へ落ちる。

「あ〜あ…」

「鳴くん怒らすからいけないんだ。自業自得だよ」

腕から流れる血が、床を汚しては段々と広まっていく。

「もう片方の腕も、切り落とそうか?
片手だけじゃ変だぜ?」

ニヤリと笑いながら鳴門はゆっくりと相手に近付いて行った。

「や、止めろ…!」

「なぁに言ってんだよ、俺に復讐したいんだろ?
俺が大蛇丸を殺ったから」

「狽チ…!」

「でもな、俺の頭ん中で復讐って言葉は意味ねぇんだよ。
恨み買って復讐されようが、俺にとっちゃどーでもいいんだ、そんな事なんて。
見ず知らずの奴に復讐だの何だの言われて、俺は穏便じゃねぇからさ……頭に来るんだよ」

鳴門の声にドスが聞いてきた。

「あ〜、相当キてんぞ鳴門の奴…」

「喧嘩売ったのが下忍だからねぇ…」

上から鳴門たちの戦いを見てる奴ら(我愛羅たち以外)は目を見開いていた。

鳴門が殺気を出し始めたからだ。

「鳴くん最終的にはどう殺すと思う?」

「あ〜、めった刺しの最終的にゃ首チョッキンに1票」

「じゃあ僕は体もバラバラに1票!」

「じゃあ、パパは心臓一突きに1票!」

何故アンタが入ってくるんだよ…(汗)

突然賭けに入ってきた恍曜さんに呆れながらも、鳴門を見る。

「うぁぁあああ!」

「「ドス!!」」

爪のようなあのチャクラ刀を、振り下ろす。
また、腕がバラバラになって血を流しながら床に落ちてった。

「此の俺に、下忍如きお前が喧嘩売ってくるなんざ…1億年早ぇんだよ」

チャクラ刀じゃない方の手で印を結び術を発動させると、奴の体が宙に浮いた。

「…ゃ、めてくれ…!」

「死ねば?」





「はい、僕の勝ちv」

鳴門は聯の予想通りに胴体をチャクラ刀で切断した。
もう、バラバラに。

「俺とした事が…!」

「残念、当たると思ったのにぃ」

鳴門は予選突破。

次の試合、俺とザクとか言う奴。

さっきの当たらなかった腹いせに、自分の答えた通りにして予選突破。←

聯はキンとか言う女。
女には優しくが最うな此奴は手刀をしただけで、予選突破。

つか、ドスってのもザクってのも殺したのに其奴だけ生かしといても酷なだけじゃねぇか。
目の前でチームの2人を殺されたってのにさ。
聯もまだまだ甘いな…。

其奴の事を考えれば、其の女も殺してた方がよかったんじゃねぇか…?





【カメラSide】

「此れにて、第3試験の予選は終了します」

勝ち残ったのは鳴門チーム、我愛羅チーム、団扇 佐助と、佐為、日向 螺子、油女 滋乃の10人。

「此れから本選に向けてのくじ引きをしますので、通過された方はこちらへ」

隼人の言葉に予選を通過した10人が前に出る。

「今からするのは本選で戦う相手と順番です」

何やら取り出した箱。
其処に順番が書いてあると言い、鳴門たちは順に紙を1枚取っていった。

「其れを開いて下さい。数字が書いてありますので何番かおっしゃって下さい」

「渦巻 鳴門、1番」

「奈良 鹿丸、4番」

「えっと、聯、8番」

次々に番号を言っていく通過者たち。

そして、本選の対戦順番が決まった。

第1戦目、渦巻 鳴門vs日向 螺子。
第2戦目、手鞠vs奈良 鹿丸。
第3戦目、団扇 佐助vs我愛羅。
第4戦目、佐為vs聯。
第5戦目、油女 滋乃vs勘九郎。

と決まった。

「本選は一ヶ月後、体を休めるもよし、修業に励むのもよし。
本選まで、散!」

こうして、第3試験の予選は終わった。
 

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