「出来たぞ」

きた…。
大きな皿が二つ。

丁寧に蓋まで付いて…。
待機してた俺らの前に、ドン、と置かれた皿。

「木の葉にも砂の食材が多少あってよかった。
砂の郷土料理と言うモノだ遠慮なく食べてくれ」

自信あり気にそう言って我愛羅が其の皿の蓋を開けた…。

「「わー美味しそーv」」

「「……」」

やっぱり、意見は二つに割れた…。

つーか、此れって…

「サソリ、だよな?」

「どう見てもサソリだな…」

テカテカしたボディの、サソリ…。
しかも、まんまサソリだ。

此れを食えと?
サソリを、食えって?

やっぱり、俺の感は正しかったな…。

「サソリの唐揚げに、サソリの野菜炒めだ。
毒のある針は抜いてあるから心配する事はない」

毒なんて関係ねぇよ…!
問題は見た目だよ見た目!

どうしよう…。
此れ、やっぱり食べなきゃダメなのか…?

こんなグロテスクなモノを…!

そんな意味を込めた視線を鹿丸に向けたら、

我慢だ…鳴…

いーやーぁー…!

「じゃあ食べようか!」

何で親父と聨は此れを前にして平気なんだ!!

「いただきまーすv」

「「いただきます…」」

つーか、ご飯のオカズか?此れ?

―ボリボリボリボリ

ギャアアァアっ!!!!
何なんだ其の音はーっ!!

「野菜炒め美味しいねv」

「唐揚げも美味しいよv」

異常だ…。
此奴ら異常だ…!

でも、折角我愛羅が作ってくれたんだ…。
1匹くらい、食べなきゃ悪いし…。

「…鹿」

「…鳴」

視線を合わせて、決意を決めた。

サソリを1匹箸で挟み、持ち上げる。

うわぁー衣付いてないー!
テカテカしてるよー!

泣きそうになるのを我慢して、俺も鹿丸も、其れを口の中に放り込んだ。

―ボリ、ボリ…ボリ

嫌過ぎて味が分かんねぇ…!(泣)

―ゴクンッ

無理矢理飲み込んで、米を茶碗一杯かきこんで茶を一気飲み。

「「ご馳走さま…」」

「もういらないの?」

「あ、折角作ってくれたのは有り難いけど…」

「皆で食べろよ。俺たちちょっと風に当たってくるからさ…」

2人で家を出た。
本当、ゴメンな我愛羅…。
俺たち、やっぱりサソリは食べらんねぇや…。



で、俺たちが向かった先と言えば…

「おぅ鳴門!鹿丸も!今日は2人か?」

「今日はな」

「何時もの2つ、頼むよ」

俺の行きつけの一楽ラーメン。
サソリ1匹、茶碗一杯、お茶一杯で俺らの腹が満たされる訳もなくて。

「あれは強烈だな…」

「全くだ…もう二度と食いたくねぇ…」

ごもっとも。
サボテンならまだ、食べれたかもしれないのに…何でサソリなんだろ…。

「へい!お待ち!」

「ん〜!やっぱり此れだよ此れ!」

食欲そそる匂いがしねぇとな!其れが飯って言うモンだろv

「「いただきます」」

一楽の味噌ラーメンを満足に食べ終わって、家に帰った。



そして夜の9時過ぎ。
暗部の服を身に包み、家を出た。

親父が爺と、『夜中ぐらいは火影らしい事をしろ』と言う、約束は未だ果たされていない。

昼間は俺たちの担任火影として朝も早く、夜との掛け持ちはキツいだろうからって、爺が夜もする事になったんだ。

執務室に窓から入って行った。

「待っておったぞ」

「今日の任務は何だ?」

「別々だが、よいかの?」

「鳴門は単独で5件じゃ。後の3人は一緒に5件して欲しい」

単独任務か…。
久しぶりだな、こうゆうの。

爺…昼間の白欄との事、見てたんだな…。
だから、単独任務か。

「ちょっとずつ増えてきたからの、減しておかぬとな。
蒼翠のは厄介そうなモノを選んでおいた」

気ぃ使ってくれたのかな…。

「分かったよ。じゃあ翔赫、我愛羅の事頼んだぜ?」

「お任せ下さい」

其の5件の内容を見てから、炎で燃やした。

「じゃあな」

1人、執務室を後にした。

単独任務だし、今日は白欄でも呼んで一緒に楽しむか。
きっと喜ぶぜ彼奴。



【カメラside】

今日の鳴門の請負った任務は数が半端ない。
全て200人以上の任務だった。

「楽しめるな…」

口寄せの術で白欄を呼び出した。
ポフン、と音がして煙の中から白欄が姿を現した。

「…今宵、妾を呼んでくれて礼を言うぞ蒼翠…」

「久しぶりに一緒に暴れようぜ?白欄」

「楽しみじゃよ」

鳴門の言葉に白欄は、色のある笑みを雫した。
そして、目の前にある城を見上げる。

「今日は手始めに、此の城を落とす」

「城の人間は全て…」

「殺していいぜ」

「ならば話は早いな」

何時ものように、ゆっくりと歩き出した。

「止まれ!」

「…貴様、此の城に何の用だ!」

「煩いハエじゃ…」

白欄は手を振り上げた。

―グサッ

鋭く尖った長い其の爪5本が、左胸に突き刺さり、体を貫通した。

ポタポタ、と貫通した白欄の爪から血が滴り、地面へ落ちる。

「ぁ…っ…!」

そして、其れを引き抜くと男はバタンと倒れ、一緒にいた男が俺と白欄を恐怖した目で見つめ、槍を構える。

「く、来るなっ!!」

「…v」

滑るように、滑らかな足取りで白欄は槍の横を通り、其の男の後ろへ立ち、男の首筋に爪を添えた。

―ガシャ…カラカラン

槍はバラバラとなって、地面に落ち、同時に男の首筋から血が吹き出した。

「中に入ろう」

―バタン

後ろで男が倒れる音を聞きながら、鳴門たちは門を潜った。

「誰だお前!」

「…」

今度は鳴門が。
手にチャクラを集めて、チャクラ刀を。

「死ねよ」

首を跳ねて、先へ進んだ。
向かってくる奴らを沈めていき、城の内部へ。

ドタドタドタ、と数人が前を阻もうとしても、

「グァっ!」

「くっ…」

「ガ、ハ…」

「う…!」

「ゴフッ…!」

返り血なんて浴びてなんかやらない。

上へ上へ行くに連れて、警備は固く、人数も段々と多かった。

「後4件残ってるんだったな…早く終わらせよう」

向かってくる煩いカスを沈めて、城の主がいる最上階。

「貴様!此の城の主と知っての狼藉(ろうぜき)かっ?!」

「じゃなかったら誰が来るかよこんなトコ」

白欄と共同して目の前にいる奴らを全て殺した。

「あとは此の城を焼くだけ」

入ってきた門の前まで戻り、鳴門は印を結んだ。

―火遁、豪火乱球の術

術を出すと巨大な火の塊が城を飲み込んだ。

「いっちょ終わり」

何もなかったかのように、目の前には広く焼け落ちた土地だけが残った。

「さぁ次行こう」



其れから30分かけて、次の任務地にやってきた。
次の任務は戦争してる馬鹿を止める為にきた。と言うのが表向きの任務だが、殺してもいいらしく鳴門は張り切っていた。

「木の葉の忍だ。敵は?」

傷付いた忍たちが鳴門を見て目を見開いた。

「君、1人で?」

「此奴もいるだろ」

「無茶だ!相手は300近い人数だぞ?!」

「愚かな人間よ、ソナタらは黙って従っておればよいのじゃ」

「「狽チ…」」

冷たい殺気を送られて奴らは押し黙る。

「ゆっくり休んでろ。其れから味方全員下がらせな、邪魔だから。
敵は俺たち2人で片付ける」

「…そんな…」

いきなり現れた暗部が、子供と妖狐だったら誰だって反論するだろ。
でも、反論しても鳴門は普通の子供ではない。

「早くしろよ。まだ後が遣えてんだよ」

下がらせる合図を出して、戦場の忍を全て戻らせる。

「何だぁ?」

「俺たちの勝ちは目に見えたな」

300に近い人数を目の前にして、鳴門は目を細めた。

「行こうか白欄」

「何時でもよいぞ、蒼翠」

そして、同時に敵に向かって行った。

長く鋭い爪で攻撃された忍は
体を斬り裂かれたり
臓器が外へ引き摺り出されたり
白欄と一緒に殺る時は、気持ちがいい。

鳴門も負けじとチャクラ刀を血で染める。

(白欄みたいに気持ちいい殺し方は此れでは出来ないけどね。
たかがチャクラで作った刀だし。
力入れなくてもスパッて切れるからね。
新しい術か何か開発しようかな…)



30分とかからず、戦場は血の海となった。

「2件目終わりだな」

白欄を見ると、返り血1つ浴びてないが爪にはベッタリ血が付いていた。

「さ、次に行こう」

休んでる暇はない。
早く終わらせないと鹿丸たちが先に終わってしまう。



3件目、4件目、5件目と3件とも300人近い人数で、久しぶりに楽しめた。

「有り難な白欄」

「妾も礼を言うぞ。また、呼んで頼う」

ポフン、と煙とともに白欄は消えて鳴門は木の葉へと急いだ。



木の葉の執務室に戻って、三代目に報告書を渡した。

「翔赫たちは?」

「まだ帰ってきてはおらぬぞ」

今は12時を過ぎた夜中の1時。

「結構時間かかったなぁ…まぁ、翔赫たちが後30分で帰ってきたとして2時…
明日は休みだから、昼くらいに起きたら我愛羅の修行、こんなもんか…」

「鳴門よ…」

報告書の確認をしながら三代目は顔を向ける事もなく、話しかけてきた。

「何だよ」

「よかったの。後数日で中忍試験じゃのぉ」

「あ、其の話。
まぁな此れでごっこからレベルが上がるってもんだぜ」

下忍って言っても忍の卵だ。
中忍になってこそ、所謂、普通の忍レベルに達する。

鳴門たちからしてみれば中忍もまだまだお子ちゃま忍者みたいなものだけども…。

「そう言えば、暗部のディスクワークは親父がするんじゃなかったのか?」

「湊の奴には任せておけぬからの。何度も通りにワシがやる事にしたのじゃ」

「そぅ」

「湊はの、自分の子供が忍者になる事を望んでおった」

目を細めて、昔を思い出しながら三代目は言葉を放つ。

「其れでの、下忍になった子供の先生になるのが、あやつの夢だったんじゃ」

「変な夢…」

「そう言うてやるな。湊はずっと楽しみにしておったのだからな」

そう言って三代目は確認し終えた報告書に印鑑を押し、机の中へしまった。

「お主も、ワシが生きておるうちに早くひ孫の顔を見せ……」

「何言ってんだよ」

三代目が言った言葉を聞いて、其れを邪魔した。

「俺は世間で言うホモだぞ?しかも、相手はあの翔赫だ。
俺たちの間に子供な…ん………………」

「…蒼翠?」

(待てよ…子供が作れない体なら、作れる体になったらいいだけの話じゃないのか?
俺に不可能な事はないし…ちょっと、やってみっかな…。
先ずは女体の研究から始めなきゃな…)

「お主が考えておるのが、手に取るように分かるわ…(汗)
ま、蒼翠に出来ないものはないが、あまり無理をするでないぞ」

「分かってるよ。まぁそうだな、爺もあと30年くらい生きてろよ?
ひ孫の世話うんとさせてやっからよ」

「ワシが今ナンボと思うておるのじゃ!」

「大丈夫大丈夫。爺なら30年くらい長生き出来るって」

フフフ、と笑っていたら鹿丸たちが帰ってきた。

「お帰り翔赫、婪孑、我愛羅」

「何度もながらお早いですね蒼翠さま」

「ただ今隊長v」

「ただ今…」

鹿丸たちも報告書を渡し、鳴門たちは直ぐ様自宅へ帰って行った。

家に着いてから、シャワーを浴びて寝室に戻ると、鹿丸がベッドに座っていた。
 

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