鼬擦鳴 里抜け

 
鼬鳴話。

鳴門は擦れてます。

三代目は亡くなっています。
佐助は木の葉を裏切ってません。

木の葉を裏切る鳴門を見たくないと言う人はUターンお薦めします。

































彼奴らの事、友達だとも仲間だとも思った事一度もなかった。

仮面付けて笑ってても何も疑いもしない。

どんな事思ってるのか知らない侭、
どんな事しているのか知らない侭、

そう、知らない侭。
知ろうともしない。

暗部の暗礁部隊、総隊長の蒼翠だって事も
生まれた頃から殺されかけ続けてる事も
3つで暗部に入った事も
其の頃から血で染まってる事も
旧家の人間を裏で守ってきてやった事も

全部、知らない侭。

爺が死んで、俺の存在理由がなくなった。
爺が死んで、俺を狙う敵が数を増した。
爺が死んで、俺の生きる糧がなくなった。

来る日も来る日も、総隊長だと知らない馬鹿な部下たちが、此の俺に刃向かってくる。

そんな馬鹿な部下を、俺は恥じなければならないだろう?

「渦巻 鳴門、悪いが死んでもらう」

真っ暗な闇の中に佇む俺。
其れを取り囲む暗部。

「…今日は15人か…」

「何…?」

「昨日は20人以上だったのに、数が足りなくなってきた?」

クスクス笑えば、ピリピリとした空気が流れる中暗部たちは刀を構えた。

「昨日の私の部下をどうした…」

「あぁ、昨日はお宅の部下だったんだ?
どうりで弱かった筈だね」

「弱い、だと…?」

「暗明(あんめい)部隊隊長、明蝋(めいろう)」

「狽ネ、何故其の名前を!?」

「部下の名前くらい覚えておかなきゃならないからね」

「部下、だと…?」

そうだよね、知らないもんね。

「暗礁部隊隊長、蒼翠。
今此処で貴様らを始末する。
昨日の奴ら同様、俺に刃向かった罰を与えてやるよ」

「「「狽チ!?」」」

チャクラを右手に集める。

あぁ、何時からだったかな。
返り血浴びるからパジャマの色を黒に変えたんだよ。
血って、白だと中々落ちないんだよな。

「俺の悪いクセで、全身真っ赤になんないと気が済まないんだ」

「「「狽チ…!!」」」

―ゾクゥっ

口の端を持ち上げて殺気を向けた。

「テメェらみたいな馬鹿は死ねばいいんだよ」

上司からの餞別。
有り難く受け取ればいい。

15人の数に1分なんてかかる訳もなく、真っ暗な闇の中、辺りは血で染まっていた。

「…」

死体と血を消した俺は、部屋に戻ると風呂へ直行した。

全身真っ赤に染まってる此の体を、洗い流さなければ。

コルクを捻り、頭から水を被る。

透明な水が血と混ざり、赤く染まっている。

「…」

正直言うと、辛い。

爺が死んでもう4年が経とうしていた。

3年里を自来也と離れていて、帰ってきてからの1年間ずっと、

夜中に暗部は遊びに来るし、
蒼翠としての任務もあるし、
下忍としての任務もあるし、

だから全く睡眠と言うものを取ってない。

「眠た…」

全ての血を洗い流し乾かした後、ベッドへと横になった。

現在、朝の4時過ぎだった。
































下忍としての任務が始まった。

今日は暁の情報が入ってきたらしく、其の情報が本当か探りに行く任務になった。

「…暁…!」

「佐助、感情に任せてちゃダメだよ」

「案山子先生…情報によると、此処らへんになりますけど…」

とある場所にやってきた俺たち。
此処で暁らしきメンバーが頻繁に目撃されていた。

「暫く待機しようか…」

「分かった」

其の待機が俺に取って物凄く苦痛だった。
何とか体を動かしていれば此の眠気を誤魔化せる事が出来るのに…。





頭が朦朧としてきて、目を瞑ったら熟睡してしまいそうだった。

「来た…!」

「相手は2人だけど、油断は禁物だよ…」

「分かってる…」

鼬だ。鼬がいる…。

鼬、俺だよ。
渦巻 鳴門だよ…。

「GO!」

サッと2人を囲むように円になった。

団扇 鼬と干柿 鬼鮫の2人。

「此れは此れは、木の葉の…」

「団扇 鼬!!」

「落ち着け、佐助」

「……」

「団扇 鼬…」

「鳴門、くん?」

心配そうに鼬は俺に目を向けた。

昔からそうだった。
俺の異変にすぐ気付いてくれるのは鼬と爺の2人だけ。

「顔色が悪いな…」

気付いてくれた…。

「爺が死んで…もう1年、ずっと寝てないんだ…」

「煤c鳴門?」

「どうして…」

「寝て、ない?」

ほら、此奴ら全然気付いてない。

「爺が死んでから前にも増して、数も増えた…」

「数…?」

案山子がそう言ってくる中、桜と佐助は目を見開いてて。

俺が1年もの間ずっと寝てないって事に驚いているんだろう。

「俺を殺しに来る暗部たちの数…昨日は15人きた」

「そんなっ…相手は暗部なのに…」

「死んでないと可笑しいって?
今の下忍の俺なら、そうだな…死んでないと可笑しいもんね…」

はぁ、と溜息を付いた。

普通の下忍じゃないから此処に立ってるんだよ。

「疲れたんだ…もう」

眠くて、面白くなくて…。
爺がいなくなって余計に。

「鳴門…何言って…」

「……」

「鳴門!」

ゆっくりと鼬に近付いた。

もう、俺には鼬しかいない。



【鼬Side】

「……イ、タ…」

「おっと…」

気を失うかのように倒れ込む鳴門を俺は優しく受け止めた。
あぁ、こんなに窶(やつ)れて。

鳴門を抱え上げた。

「「鳴門!!」」

此の子が今までどんな仕打ちをされてきたか知らないんだろう?

のびのび生きてきた貴方たちには理解が出来ないんだろう?

「案山子さん、次いでだからいい事を教えますよ。
鳴門くんは3歳の頃から暗部にいた」

「3歳、だと?」

「…嘘だ…」

「そんな…鳴門が暗部に…」

「暗礁部隊、暗部総取締役の蒼翠と言ったら案山子さんは名前くらい分かる筈でしょう?」

「狽チ…」

案山子さんから血の気がなくなった。
知らない筈がない。
だって、蒼翠としての鳴門に憧れを持っていた案山子さんだから。

其れが今、蒼翠が鳴門だって分かって。
案山子さん今、どんな気持ちですか?

「そ、うすい、て?」

「案山子先生…?」

「暗部の一番上にいる人だよ…」

「一番、上…」

「鳴門が…?」

「三代目が生きてた頃は鳴門くんに手出ししないようにと厳重だったが、綱手さんに変わった今、鳴門くんは毎晩のように暗部に命を狙われている。
其の理由は知っていますか?
彼が九尾だからですよ。
四代目の息子だとしても、木の葉の連中は四代目を殺した家族を殺した化け狐としか認識されなかった」

案山子さん、貴方もそうですよね?

「鼬さん、彼らどうします?
殺しちゃいますか?」

「いや、今日はもう此れで十分だろう」

「鳴門をどうするつもりだ!」

「彼は暁のメンバーになる」

「「狽チ!?」」

「彼と九尾を引き剥がす事は出来ないでしょうから」

「では、案山子さんまたお会いしましょう」





























其れから鳴門は丸2日眠り続けた。

目を覚ました時、傍にいた俺に抱き着いて、

「…鼬…」

と、愛おしいように呟いた。

2日前、鳴門を奪い暁のアジトに連れて帰ってきた。
1日と経たないうちに鳴門の捜索が始められた。

きっと綱手さんがそう指示したのだろうと察しが着く。
此れから見つからない日が続いたら…きっと、鳴門を犯罪者として扱う。

「鳴門、君は俺が守るよ…」

「じゃあ、鼬は俺が守る…」

三代目が亡くなった今、君はもう木の葉には未練など毛頭にない。
大切だったから、木の葉にいたのに…。

「鼬の傍にいる…いたい…
いや、いさせて…?」

「もちろんだよ、鳴門」

三代目との約束でもあるんだ。

三代目が亡くなったら、鳴門を宜しく頼むって。
S級犯罪者の俺にそう三代目が頼んできた。

だから、やっと三代目との約束が果たせてよかった。

4年は結構長かった…。

「鼬、俺ね?
木の葉が大嫌いだったんだ。
俺を俺として見てくれなくて、爺と鼬だけ、俺として見てくれた…。
爺がいない今、俺には鼬だけ…」

俺も今、鳴門、君だけ。
だから、ずっと2人でいよう。



























【鳴門Side】

暁として行動していると、本当によく情報が入ってくる。

「やはり、木の葉は…」

暁に入って早くも1ヶ月が過ぎようとしていた時、耳に入ってきた1つの情報。

“渦巻 鳴門は里を裏切る行為をした為、S級犯罪者とし、見つけ次第…”

「あの侭木の葉にいたら、本当何時かは死んでたかも…」

眠れない状態が続き、暗部たちに。

「今、彼奴らに会ったらどうなるのかな…」

クスクス笑えば、釣られて鼬も笑う。

「君が敵意を向ければ、きっと…」

本性を現す?
でも、其れは俺も一緒。

「俺は、鼬に連れ去られたんじゃない。
自らの意志で暁に入ったんだよ」

「鳴門くん、待っていましたよ」

「鬼鮫、遅くなってゴメンね」

「何を今更。
で、今回のターゲットは?」

口寄せの印を結び、呼び寄せた。

「此奴らでよかったんだよね?」

鬼鮫は息のない3つの死体の顔を見る。

「間違いないですね、では鼬さん」

其奴らを持ち上げる。
分身で2人増やし、死体を抱える。

「鼬は待ってて?」

「嗚呼」

建物の中へ鬼鮫と入って行った。

「木の葉の忍がすぐ近くにいる」

「…貴方もお人が悪い」

「そう?」

金を受け取り、外へバレないように出て建物の屋上へ上った。

鼬と対面していたのは
畑 案山子、
春野 桜、
団扇 佐助、
見た事のない男。

彼奴が俺の代わり?

「久しぶりだね、鼬」

「そうですね、案山子さん」

「鳴門は、鳴門は何処よ!」

「団扇 鼬!!」

ねぇ、お前たちは何しにきた?

「鳴門を連れ戻しにきたんですか?案山子さん」

「そうだ!!」

そんな話を聞いて、鬼鮫には其処を動くなと言い俺は屋上から飛び降りた。

―フワッ

降りてきたのを鼬は察し、俺を抱き止めてくれて、ゆっくりと地面に下ろしてくれた。

皆の方に顔を向ければ、再会に喜んでるような顔をしてる。

「先生たち、何しに来たの?」

「鳴門っ、何言って…」

「そうよ!私たちは鳴門を迎えにっ」

「嘘はいけないなぁ…」

ほんの少し殺気を出せば、顔が強張る案山子たち。

「俺が知らないとでも?
先生たちじゃないんだからさ」

「何が言いたい…」

あぁ、睨んできた。

「木の葉は俺を殺すんだろ?」

「「狽チ…」」

「別に隠さなくたっていいよ。
知ってるし。
うん、殺したかったら、殺していいよ?」

「何、言って…」

「鳴門っ」

「やめてよ、鳴門…
そんな事言わないでよっ!」

本当にそう思ってんの?

本気でそう思ってんの?

「俺をS級犯罪者にしたのはそっちだろ?」

「「狽チ…」」

「つーか、俺あの日誰も殺してないんだけど?」

「そ、其れはっ」

あの日、暁に入ったあの日俺は木の葉の忍を30名も殺し、木の葉を裏切る行為をした、ってなってるみたい。

「まぁ、木の葉の上の奴らは俺の事嫌ってたから仕方ないか…
忌々しい九尾がいなくなって、しかもS級にして誰かが殺してくれたら寧ろ感謝だとか思ってるだろうね…

でもね、案山子先生。
俺の正体はもう知ってんだよね?」

さっきよりも殺気を2割り程強める。

「俺は、鼬と一緒にいるって決めたんだ。
鼬と一緒にいられるなら犯罪者だって何だっていい。
鼬を狙う敵がいるなら、其奴ら全員俺がぶっ殺してやる」

ゾクゥ、と身震いをする案山子たち。
佐助や桜に至ってはクナイを持つ手が震え、カチャカチャと金属音を鳴らしていた。
迎えにきたって言ってる奴らが、俺と話してんのに武器構えるとか、ないでしょ?

どうせなら、もっと上手く演技しなきゃ。

「俺は、もうお前らの敵だよ」






END...

うん、微妙だな…(-_-;)

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