擦鳴←アンチ佐助

 
此の話では鳴門は俺様(?)です。
案山子は既に鳴門が暗部の総隊長の蒼翠と知っております。

佐助さんが酷い言われ方されてますので、佐助好きさんは注意して下さいっ!!


全然大丈夫な人は
スクロール願いますっ。





































普通の俺。
普通の班。
普通の任務。
普通の会話。

ごくごく普通な日だった。

「案山子せんせー?こっち、終わりましたー」

「こっちも終わったぜ」

「ご苦労ーさん、あれ鳴門はまだ終わってないの?」

「此れで終わりっと!」

今日の任務はDランク。
危険性ゼロ、スリルも何も楽しめない任務だった。

「全員終わったね、じゃあ里に帰ろっか」

「おう!」
「はぁい」
「嗚呼」

ごくごく普通だった。

だった、筈なのに…

「…案山子

「…分かってるよ

視線を案山子に向けると、小さく頷いた。

敵さんを発見した。
数は20人ぐらい。
ぞろぞろと俺たちの後を追ってきてる。

佐助と桜はのんびりして、敵の気配も気付いてねぇし…。

あ〜、こんなにのんびりしてると、囲まれちゃうなぁ。

狙いは、やっぱ佐助か…?
俺ってのもあるな。
結構、他国に恨み持たれてっし…?

…どうする?

どうしよっかなぁー…

もちろん小さい声で。

里に帰るまで我慢してくれなそうだし、絶対出てくるよね…。出てきたって案山子がいるから問題ねぇけど、ちょっと頼りねぇしなぁ。←

じゃあ、取り敢えず案山子に任せる

了解

危なくなったら手伝う方向で。
里に向かう1本道。
此の先には大きく広がった岬がある。
出てくるなら、其処で、かな。

つーか、案山子で本当に大丈夫か心配だ…。
敵さんが弱い事を願うしかねぇな。




予想通り、岬に出た瞬間、俺たちは敵さんに囲まれた。

瞬時に案山子は俺たちを庇うように、前に出てクナイを構える。

「誰だ、お前たち…俺たちに何か用?」

「団扇の餓鬼を渡してもらおうか」

来た。
今日はそっちか。

結界張りたいけど、桜も佐助もいるしな…。
ま、案山子に頑張ってもらうか。

「イヤだね。佐助は俺の生徒なんでね、はいそうですかって簡単には渡さないよ…?」

にっこり笑う案山子に対して、敵は無言で武器を構えた。

強行突破、ね。

さて、案山子はどんだけやれるか見物だな。

俺と桜と佐助は3人で固まって、クナイを構えた。

俺たちを守りながら戦う案山子がやっぱり不利だな…。

ハンデが大き過ぎる。

桜はガタガタ震えてっし、佐助は上手く足が動いてねぇし。

「っ…と、危ない」

下忍3人を守りながら戦う案山子と、自由に戦う敵。

さて、どうするか…。

何とか案山子は踏ん張ってるけど、いっぱいいっぱいって感じだし…。

「桜っ!」

「…?!」

案山子がそう叫び、桜を見ると敵の1人が桜を人質に取った。
首にはクナイを押し付けて、桜は恐怖に怯えた顔で。

…チッ…ヘマしやがって…。

「さぁ、団扇の餓鬼をこちらに渡してもらおうか?」

「案山子せんせぇ?」

にっこり笑ってそう言うと、案山子は眉を下げて苦笑い。

「ゴメンね…頼める?」

「ま、最初から其のつもりだったけどね(笑)」

「…鳴門…?お前、何す…」

何するんだ?って佐助は1歩前に出た俺に驚いてる様子だった。

「何って、桜助けるんだよ」

「む、無理だ!お前1人でこんな数っ!!」

あー煩せぇ。
眉を寄せて佐助を振り返る。

「テメェは黙って守られてりゃいいんだよ。一々口を出すなウゼぇ」

「狽チ!?」

苛立ちに少し殺気を含んで睨んでやると、佐助は押し黙る。

「さて、誰から遊ぼうか…v」

目を細めて口許を緩めた。

案山子が始末した数は5人。
残り15人ぐらい。
どうやって殺そうか、考えていると敵3人が俺に飛び掛かる。

「ま、最初は"切り落とす"か…v」

小さく呟いて、右手にチャクラを集めた。



【佐助Side】

な…何だ、彼奴…。

鳴門の右手には目に見えるチャクラがどんどん地面に向かって伸びていた。
其れが、先端に行く程尖った形でまるで刀のようだった…。

「………」

あんなモノ、見た事がない。

驚いて見ていると、鳴門が急に消えた。

―ゴトン…

「狽ネっ…!?」

其の瞬間、鳴門に飛び掛かった内の1人の首が何かで切り落とされて、地面に転がった。

そして、鳴門が姿を現したと思い目を向けると、鳴門の右手のあのチャクラには血が付いていた…。

あの刀の形をしたチャクラで、首を斬ったって言うのか?!

「次は、焼き殺すかな…v」

鳴門が笑った。
其の鳴門の笑った顔が、俺には楽しんでるように見えたんだ…。

次に鳴門は目にも止まらぬ速さで印を結び、

「火遁、火焔龍(かえんりゅう)」

掌から出た炎がどんどん大きくなって、龍の形になったと思えば、物凄い勢いで敵に向かっていき、逃げ遅れた其奴地面の上で捕らえ、黄色い炎の中で真っ黒い物体は早いスピードで消えて無くなった。

「次は、串刺しかな…v」

敵だが、人を殺すのに何の躊躇もなく、楽しんでやがる…。

1人、また1人血を流しながら倒れていく。
少しでも、早く終わると興味がなくなったように

「つまんねぇ…」

そう呟いて、違う奴に向かって行った。

俺はこんな鳴門は知らねぇ。
見た事が、ねぇ…。
誰なんだ此奴は…アレは本当に渦巻 鳴門なのか…?

いや、違う…。

俺の知ってる渦巻 鳴門はドベでドジで間抜けで…ビビり……そう…。
じゃあ、此の鳴門は一体誰なんだ?

「鳴門、遊んでないで早く桜を助けてあげなって」

案山子が苦笑しながらそう言った…。

「わぁったよ…ったく、面倒臭せぇ…」

どうして案山子はあの鳴門を見て驚かない…?
もしかして、知ってたのか…?
鳴門の本性を。
俺たちを騙してる事も全部…!!

「桜、悪い。少し遊び過ぎた」

桜を人質に取ってる奴は鳴門を見て驚いていた。
仲間が殺された、そうは言っても鳴門のあの強さに言葉も出なければ、驚き過ぎて体も動かない…。

「や、やめろっ!」

鳴門が桜を人質にした奴にゆっくりと近付いてく。
其の顔も、また笑っていた…。
あっという間に其奴を殺して桜を助けた。

「大丈夫か?」

「え…あ、うん…助けてくれて、有り難う…な、鳴門…」

物凄く混乱してるのが、自分でも分かる。

本当はアレが本来の鳴門で、俺たちの前じゃドベを演じてたって事…だったのか…?

何の為に…?
俺たちを騙してまで?

「ラスト」

最後の1人が倒れる。

鳴門と案山子は2人して印を組み、青い炎で息のない死体をマジックのように、消え去った。

「手応え全然ねぇし…」

「俺は結構危なかったんですけど…」

「其りゃテメェが弱ぇからだろ」

何なんだ此奴は…。
俺には散々、友達だ仲間だって言ってたクセに…!

「…鳴門

「…何だ、佐助」

俺は鳴門に近付き、両手で胸倉を掴んだ。

「いきなり何しやがるんだテメェ」

鳴門は顔色1つ変えず、俺を見ていた。

「いきなり何しやがる、だ?鳴門、お前今のは何なんだ!
今まで見てきた鳴門は何処だっ!!」

「は?何言ってんのお前。
目の前にいるだろ?ほら、俺が渦巻 鳴門だ。
つか、俺の他に誰がいるっつーんだよ」

「騙してたのか…?俺たちを!!」

「騙す…?勘違いするのもいい加減にしろ」

鳴門の低い其の声を聞いただけで、背中に嫌な汗をかく。

胸倉を掴んでいた手は鳴門により離されて、俺は鳴門を睨んだ。

「テメェを騙して俺に何の得があるって言うんだよ…そんなクソ面倒な事誰がするかよ。
俺は俺の為に猫被ってただけだ。
騙してたんじゃなく、隠してただけだ。誰かしら秘密ぐらいあるだろ?
其れと、騙されてたって勘違いすんじゃねぇよ、俺の本性見切れなかった奴が悪いんじゃね?」

「狽ネ…!?」

「お前が知らない事なんて山程あるんだ。
其れを一々テメェに教える義理もねぇんだよ。
俺は俺の為に仮面被ってたに過ぎねぇし、だからってお前らを騙すのには程遠い。
何、佐助は俺がこんな力隠してたのがそんなにムカツいたのか?
そうだよなぁ、俺はドジで間抜けでビビリな渦巻 鳴門だもんなぁ?」

「っ…鳴門ぉおっ!」

叫びながら、鳴門に殴り掛かる。

「弱いクセにそうやってすぐ頭に血が上る…
佐助、お前早死にするタイプだな」

フン、と鼻で笑われて拳を鳴門目掛けて叩き込もうとした其の拳を、鳴門は軽々と受け止めた。

「俺がどうであろうが俺なんだよ。強かろうが弱かろうが、俺は俺だ。
今までドベを演じてた俺を、お前は鼻で笑いながら自分は優秀だと思ってただろうが、残念だったな、優秀なのは俺の方だ」

分かるか?そう言って口の端を持ち上げた。

「狽チ……」

「団扇だか何だかどんだけ其の血が凄かろうと、俺には通用しねぇし、子供騙しにしかなんねぇよ」

上から押さえ付けられるような感覚に、汗が流れた。

「此の際だから、優しい鳴門さまが1ついい事を教えてやろう」

「…っ…?」

にっこり笑って鳴門は、口を開いた。

【鳴門Side】

「俺がアカデミーを3年もいた理由は…」

「鳴門!」

横で口を挟んできた案山子をチラ、と見た。

「いいんだよ。どうせ爺の奴、水晶で見てるだろうからな」

「…鳴門がそう言うなら止めないけど…」

また佐助に目を向けた。

「続きはな、お前たち旧家と一緒に卒業する為だ。
旧家ってのは分かるだろ?団扇や日向の家の事を指す。
其の旧家は他の忍と違って特殊な術を使うからな、其の術欲しさに賊や他国に狙われ易いんだ。
死体を解剖するだけで其の術は完全じゃないが、コピーされる。
だから、俺は旧家と一緒に卒業し下忍になる。一緒に任務しながら、旧家を狙う賊や他国の忍者から守る、其れが俺の役目。
俺の実力ならもう上忍になってもいいが、其の役目があったから卒業出来ないフリをしただけだ。
今まで平和に任務やってこれたのは、目の見えない所でわざわざ此の俺が其奴らを始末してきたからなんだよ。
逆に物凄く感謝してほしいぐらいだっての」

何時も分身と入れ代わって、戦っても面白くも何ともないクソ弱い奴を殺してやってるんだ。

「…案山子、先生は鳴門の事、知ってたんですか…?」

今まで黙っていた桜が口を開く。

「知ってたよ」

「じゃあ、何で黙ってた!?」

「悪いけど、そうゆう問題じゃないんだ。黙ってたとか言う前に、鳴門の事は誰にも喋っちゃならない命令だし、言ったら記憶を消されるのがオチなんだ」

そう、俺の事は極秘だから、な。

「そうゆう訳だから、少し眠ってもらうぜ?」


























桜と佐助の記憶を消して入れ換えた。

任務の後、賊に襲われたが案山子が全て殺した。
そんな記憶に。

今は木の葉へ戻ってきてて、案山子は報告書を提出しに、桜と佐助は家へ帰って行った。

俺はと言うと、執務室にやってきていた。

「よかったのか?」

「何がだよ。つか、やっぱり水晶で見てたんだな」

「お主が何をしでかすか分からぬからの」

「失礼だな…ヲイ」

「何が失礼じゃ!
ワシには日頃何時も……ゴニョゴニョ…

「何か言ったか?クソ爺…」

「ゴホンッ(汗)
でな、さっきの話なんじゃが、記憶操作して、本当によかったのか?と聞いたんじゃ」

「いいんじゃねぇの?
此れは極秘なんだぜ?自分からはバラしたが、其の侭にするつもり更々なかったし」

「ま、程々にの?」

「分かってるって。そう心配すんなよ」

そうだな。
俺が何もしないでバレちゃったりしたら、考えるかもな。



End...

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