すきなんだもん。2(キリリク)

 
結局、また寝れなかった…。

目が覚めて早数時間。
今日もつまらない任務の為、集合場所で待つ俺を襲うのは睡魔と目眩。

「…」

あ〜ヤバい。
つーか早く来いよな…。

任務してる時は集中出来るからまだ良いが…。

「鳴門、顔色悪いわよ?」

大丈夫?と言って桜は俺のデコに手を添えた。

「ん〜…熱はないみたいだけど…」

「大丈夫だってばよ…」

「大丈夫そうに見えないから言ってるの!今日は帰った方が良いんじゃない?」

「案山子には言っておくぜ」

つーか帰ったって寝れねぇんだよ…。
でも、倒れるよか…そう思った俺は2人の言葉に甘える事にした。

「じゃあ…」

「送って行きましょうか?どうせ案山子先生まだだろうし」

「ううん、良いってばよ…有り難う桜ちゃん」












走れる筈もなく。
フラフラとした足取りで家に向かっていると…

「あ、鳴門だ」

「久しぶりねー」

「大丈夫かお前…?」

声のした方を見てみると、10班のメンバーが揃っていた。
全然気付かなかったし…。

一番会いたくなかった奴に…否、本当は会いたいけど!
こんな状況で会いたくなかったな…。

「大丈夫、ちょっと疲れてるだけ…」

「そうは見えないけど…」

「凄いクマね…」

「鳴門?」

早く此の場所から去りたい。

「大丈夫だってば…ゆっくり休め、ば……」

「鹿丸。鳴門を家に運んであげなさいよー」

秤スでそうなるんだよー!!!!(汗)

「俺、1人で大丈夫だから…」

鹿丸の前で倒れたくないんだよっ!

「大丈夫な訳ないでしょー!鹿丸!早く行きなさいよ、亜須磨先生には言っておくからー」

「分かった」

鹿丸も承諾すんじゃねぇよ…っ!!(汗)

「行くぞ鳴門」

「ぇ…わっ!?//」

何でお姫さま抱っこな訳ー!?
恥ずかしいってばっ!

「大人しくしてろよ」

結局、お姫さま抱っこの侭移動する事になった。
















あ、何かもう限界かも…。


抱き抱かえられてんのが、こう、フワフワして…浮かんでるみたいで気持ち良い…。







何時の間にか、瞳を閉じていたんだ…。












「…ん、?」

目が覚めたら、自分の家だった。
アレ…俺、何して…

「お、やっと起きたか」

「…………」

秤スで鹿丸が家にいんのーーー!?!?

「良く寝てたな。もう7時だぜ」

え…?
えっと…………

「覚えてねぇのか?」

「…全く…」

「今朝、俺が家まで運んでやったんだぜ?」

……そうだ。
桜と佐助が帰って良いって言って、家に帰る途中に鹿丸たちに会ったんだった…。

「そしたら、お前気絶してるし…」

「ゴメン…」

「謝るなって。お前が悪いんじゃねぇんだし」

「えっと…鹿丸はずっと俺の事見てたのか?」

「お前1人残して帰れる訳がねぇだろ…」

や、優しいーv

「お礼に飯食ってけよ!」

「…カップラーメンは勘弁してくれ」

明らさまに嫌な顔しなくても…(涙)
まぁ仕方ないか…そんなキャラだし…。

「失礼だなっ!ちゃんと作るってのっ!!」

「じゃあ、作ってもらおうかな…」

「こう見えても結構料理するんだってばよ♪」

ベッドから抜け出して、キッチンへ。

確か、前に鹿丸に弁当作って行ったっけ…
気付かれないように、作った事ないのを出さねぇとな。












テーブルの上に並べられた美味しそうに盛られた料理。

「どう…?」

「…美味い(…つーか、此の味付けって…)」

じっと見つめられてるんですけど…。
否、嬉しいけど!!

何、口に合わなかったのかな…?

「ぉ、お世辞は良いってばよ…?」

「否、お世辞じゃねぇよ。本当美味いし」

「そっかぁv」

「…今朝からずっと思ってたんだけどよ、お前さ…」

「ん??」

さっきから真面目な顔して…。

「何か隠してる事あんだろ?」

「え…」

「此の部屋…幻術かかってる」

「狽チ…」

そうだった…。
鹿丸ってば普通の下忍じゃなかったんだったのすっかり忘れてた…。

誤魔化したってどうせ無理だろうし、此処は大人しくバラしますか…。

「あ〜ぁ…バレちゃった」

此の部屋にかけてる幻術を解く。

此の部屋には不自然な物、有り得ない物が姿を現した。

「な…んだ、此れは…」

鹿丸も其れ見てかなり驚いてる様子。
其れもそう。鹿丸が見た事のない高等忍術書や禁術書、其れに自分で開発中の術のメモがあるんだからな。

「何って巻物」

「おま…」

「他の奴には言うなよ?此れじゃ隠してる意味ねぇし」

鹿丸にだけ。
でも、俺が暗憔部隊の蒼翠だって知った時、鹿丸はどう反応する…?

あ、其れは鹿丸も…一緒じゃねぇな…。
俺は知ってた訳だし。

「前に俺が鹿丸に言った事、覚えてる?」

「あ、嗚呼。俺を好きって…」

「覚えててくれてたんだ?
良かった、てっきり忘れられてんのかと思ってたからさ…」

覚えててくれて嬉しかった。
でも、何だか辛くて苦笑した俺。

「鳴門…」

「あの気持ちは嘘じゃねぇから。
他の奴らなんかより遥かに俺の中では凄く格好良くてさ、本当に鹿丸が好きなんだ」

そう言った時、鹿丸は持っていた箸を置いた。

「お前が具合悪いのって…もしかして俺の、所為…?」

「ん〜?違うよ」

本当はそうなんだけど…此れ言ったら、鹿丸が悪いみたいになるし。

「ゴメン…」

ありゃ…バレちゃってるし…。

「あのさ、前にある人が弁当作って来てくれた事があってよ…」

絶対俺の事だよ〜…。

「うん」

「其の人も最近、顔色悪いんだ」

やっぱり…。

「…そう」

「今日鳴門が作ってくれた此の飯と、其の人が作って来てくれた弁当の味付けが一緒なんだよな…」

違う料理出しても、駄目だったし…。
あ〜ぁ、へたくそな料理出すんだった…。

「そうなんだ?」

あ〜、やっぱり鹿丸はキレ者だね。
頭良い。しかも答えが直ぐ出て来るんだからさ、凄いよな。

「鳴門は、もしかして暗部の…」

「ストップストップ!」

もう完全にバレてる。

だから、自分の口から言わなきゃ。
はいそうでした、は嫌だし?

「暗憔部隊、全取締役、兼、総隊長の蒼翠は俺だよ」

「………」

「小さい頃の俺が唯一楽しめた事は、忍術を覚える事だったんだ。
嫌われ者だし、友達もいなかった俺には巻物が友達みたいなもんだよ」

懐かしいな…。
毎日毎日巻物開いて術を覚えて、ボロボロになるまでやってたけど、楽しかったんだ。

「暗部に入ってもっと力を付けて、本当は仮面なんて付ける気は更々なかった。
わざわざ弱いフリしたって面白くもねぇだろ?
でも、三代目の爺との約束だから仕方ねぇし…あの人は俺の大切な人だから」

「…鳴門…」

「悪かったな…
俺だけ鹿丸の秘密知っておきながら、俺だけ黙ってるとか…
でもな。鹿丸と任務出来て楽しかったぜv」

初恋は実らないって言うアレは当たってたんだな…。

「俺はまだ返信してねぇだろ…」

「…」

何、此のパターン。
え…実らないんじゃねぇの?

「お前に初めて好きって言われた時は、ちょっとだけだが、断る気で居たんだよ…」

うん。なんとなくだけど、知ってたよ。
だって、顔にそう書いてあったし…。

「傷付くかと思って、言わなかったけど…
其れから何となくだけど、鳴門の事考えるようになって…」

えっと、マジで何コレ。

「さっき鳴門が総隊長だって分かったけど、何となく笑った顔なんか鳴門に似てんなぁって思ってりしてて…そしたら、何か…」

神様、コレってマジですか?
マジに言ってんですか?

「鳴門って可愛いな、とか思い始めて…」

本当に本当にマジなんですか?!

「す…好きになっちまった…………」












マ ジ で す か ?

「…………」

「ゴメン、何か言うタイミングがなくて…
鳴門が体調崩してるなんて知らなくて」

「…鹿丸…其れ、本気で言ってんの?」

「嘘言ってどうすんだよ…」

マジみたいです。
何時の間にか俺の事好きになってくれてるんですが…。

「…」

どうしよう…。
超嬉しいんだけど…!

「マジで…」

「だからそうだってさっきから言ってるっつーの…
何回も言わせんな、恥ずかしい…//」












マ ジ み た い 。











「えっと、素直に喜んで良いんだよな……」

「良いと、思うぜ…」

だよな。

「じゃあ、付き合ってくれんの?」

「そうゆう事になるだろ?俺も好きになったんだからよ…

何だよ!初恋は実らないって、アレ嘘じゃん!

ちゃっかり実ってるじゃん!!

「じゃあ…取り敢えずキスしとく?」

「何でそうなるんだよ…(汗)」

「え、何でって…まぁ折角実った恋だし、早く進歩したいなぁ、なんてv」

座ってた椅子から立って、鹿丸に近付いて…

「ね?」

にっこり笑って、鹿丸の唇を奪ってやったv

「っ…言っておくけど、俺攻めな」

「えー?俺攻めが良い!」

「鳴門は顔可愛いから受けだよ」

「えー!?顔で決めんの?!」

「当たり前じゃねぇか」

「仕方ないか…良いよ、俺が受けしてやるよ」

何だかかなりラブラブになれそうだv












あれからの俺は超が付く程元気になった。

ちゃんと飯も食うし、寝れるしv

恋って良いもんだな〜♪

「大好きだよ鹿丸v」




End...

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