当たり前だろ?(キリリク)

 











「…此の…っ!」






「…っ…!?」











グサァッ!!!!











ちょっとした油断…。











「ぅ…」






俺はまだ息が在る奴に、腹をグサリと斬られた…。






「…まだ生きてやがったのかよ」






そんな事も全然気にし無い俺はダラダラと血を流し乍其奴の息の根を止めた…。






「久しぶりに斬られたかも…」

























「そ…蒼翠様ぁ!?どうしたんです!?其のお怪我は!!」

戻った俺を見て鹿丸は大きく目を見開いて叫んで即座に近寄って来た。

「斬られちゃった」

「そうじゃ無くて!否 其れも在りますが!!って血ぃ止まって無いじゃ…あ゛ーーーー!!??」

鹿丸に言われて気付いた。
本当だ…血ぃ止まって無いし…。

そして、目を点にして漆黒の空を見上げてる鹿丸に釣られて空を見ると、今日は何故かと運が悪いらしい…。

「………満月、か…」

血ぃ止まって無いのも当たり前。
満月の夜は九尾の力はかなり弱まり、其の日から三日間普通の状態…前から此の日の間だけ人間に成れた気がしていた。





だから、斬られた場所の傷は一向に塞がらないし、血も全然止まらない…。

「直ぐ帰りますよ蒼翠様!取り敢えず止血と応急処置を…」

そう言って自分の暗部装束の腹の所の部分をビリビリと破り、腹に巻いて行く。

「ちょっとキツめに縛りますから我慢して下さいね!」

ギュウ、と締め付けられ

「…ぅ…っ!」

腹に小さな痛みが走った…。


本当 今日と言う日は何てツイて無いんだろうか………。















鹿丸に抱えられて里へ帰って直ぐ様病院へと、連れ来られた。

「此は…酷い…」

俺の腹の傷を見る医者の顔も深刻な表情をする程、ザックリといってる…。

「直ぐ輸血の用意!其れから、今から手術の準備に取り掛かりますっ」

「そんなの良…」

医者が言った手術…。
そんなモノをしてみろ、何日と入院生活を送らされるに違い無い。

そう思って俺は拒否しようとしたが…

「駄目です!!」

途中で鹿丸に其れを拒否された…。しかも、真顔で………。

「今日が何の日かご存じな筈でしょう!?」

「そ…其れは…」

「ですから、手術を受けて…ちゃんと治して下さい…」











強く手を握られ…











「お願いです…っ…」











そんな…











悲しそうな顔されたら…











頷くしかねーだろ…











馬鹿………。











「分かったよ…」











見た目も酷かったが、中の損傷も酷かったらしく…











― カチッ ―











手術が終わったのは、二時間も後の事だった…。











俺が目を覚ました時は、もう直ぐ昼を迎えようとして居た。

ゆっくりと瞼を開けると、窓からは燦々(さんさん)と降り注ぐ陽光…。

「…寝てたのか…俺」

何だか久しぶりにこんなにも 長い時間の睡眠を取った気がする。

シーツを捲れば腹は包帯グルグル巻きに成ってて…まだうっすらと血が滲んで居た。

「満月の夜ってのはキツいな…」

何時もなら此の位の傷なんか直ぐ治るってのに…。
此から3日間、九尾のチャクラなんか当てに成る訳が無い…。

「治るの待てって事か…」

しかも入院と成ると、

不味い飯食って
毎日する事無くて
ダラダラ一日過ごすなんて…

拷問だ…

はぁ…と溜息を付いた時、コンコンとノック音が耳に届いた。

「…鳴?」

「鹿」

病室に入って来たのは鹿丸だった。


手には見舞品のフルーツ、本 紙袋。

「大丈夫か…?」

「ん〜…大丈夫、かな」

近くに来て 見舞品をテーブルの上に置くと、そっと俺を抱き締めた。
傷に負担が掛からない様に ベッドに乗り上がって。

「…心配した…」

「…御免…鹿…」

悪いな、と自分でも思ってる。
鹿丸に心配させたのは事実だし、こんな事に成ったのも俺の不注意な訳だし…。

「…御免…」

抱き締めてる鹿丸の頬を両手で包み、俺はキスをした。

「…本当 御免…」

頬の次に額… 瞼…
鼻先… そして唇に…。

「もう、傷を付けない様にしてくれよ…寿命が縮む…」

「遊ぶなって、意味…?」

「もち当たり前」

更に拷問だ…!!
弱いからさっさと殺れって事か!?

「つまんないじゃん…」

そうだよ…。
弱い奴だから遊んでやんねーと、だろ?
なのに…遊ぶの禁止って…。
あまりにも酷過ぎるっ!!

「命とどっちが大切なんだよ」

「其りゃ…いの、ちだょ…」

「だったらもう遊ぶのは禁止!分かったか?」

「……………」

あ〜ぁ…こうゆう時って、

「返事は?」

「……はぃ…」

本当弱いよな俺…。

「よし。先ずは傷を完治する事!」

「…」

無言の侭頷くと、鹿丸は俺の肩を抱いた。

「早く…治せよ。隣りに鳴が居無いと…寂しいし…//」

此の位置からはあんまり見難いが 鹿丸の頬がほんのりと赤い…。

「クス…」

可愛い鹿丸が見れて、何だか得した気分。
中々 こんな鹿丸は拝めないからなぁ…。

「早く治す…そして、退院したら………」








うんと甘えてやるんだから…











End...

[ 7/33 ]
[*prev] [next#]
[しおりを挟む]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -