あいしてる。2(キリリク)

 
可笑しいよ俺。
好きになった瞬間が分かんねぇとはな…。

「めんどくせぇ…」

まぁ良いや。
好きになっちまったもんはしょうがねぇし。
今更、此処に惹かれたからって言う理由はいらねぇ。

ハッキリと好きだって分かった今、口説かなくてどうするよ俺。
絶対、俺のモノにしてやる。

「戦いだな」







其の日から、俺は鳴門にアピールし始めた。

然り気無く、本当に然り気無ぁく

「鳴って、綺麗な顔してるよな」

なんて言ってみたり。
本人がどう思うか、ちょっとだけ試してみたり。

「そうか?あんま思った事がねぇけど…」

俗に言う【鈍感】と言うのだ。鳴門は自分の容姿の事を良く理解してない。

「綺麗だし、可愛い」

「…は?どうしたんだよ…熱でもあるのか?」

否、貴方を口説こうとしてんだよ!

「ねぇよ」

「ちょっと可笑しい…」

「可愛いから可愛いって言ったまでだ」

「だから可笑しいって言ってんの!」

可笑しい、のか?否、可笑しくはない!

「急にそんな事言い出して…」

「別に…」

「変な鹿…」







「で、殆ど気付いてない訳ね」

「鈍感にも程があるぜ…」

「仕方ないでしょ?鳴門なんだから」

まぁ何だ。恋と言ったら女な訳で、俺は桜に鳴門の事を相談するようになった。

どうしたら喜びそうとか、此れは嫌がりそうだから止めた方が良いとか、色んなアドバイスを聞いたりしてる。

「こうなったら、私が鳴門に鹿丸の事どう思ってるのか聞いてあげるわ!」

乗り気はしねぇが…

「頼むわ…」

取り敢えずな。













【桜Side】

とは言ったものの、鳴門だし…。

「鳴門ー、ちょっと良い?」

「別に良いけど…どうしたんだよ?」

「良いからちょっと来なさい」

場所を移動して、鳴門を人気のない場所に連れて行った。

近くで見る鳴門の顔は憎たらしいくらい綺麗で羨ましかったけどね…。

「で、何?」

「ちょっと聞きたい事があるのよ〜」

「聞きたい事…?」

「そうよ。鳴門って最近、鹿丸と仲良いじゃない?」
そう鹿丸の話を切り出すと、鳴門は少しだけ口元が上がったの。

「鹿?うん、仲良いぜv」

あらっ、鹿丸の名前出しただけで此の違い?
何だかやる気出てきちゃったかもーv
しゃーんなろーっ!!待ってなさい鹿丸!私がアンタと鳴門をくっつかせてあげるわっ!!!!(メラメラ)

「何笑ってんのよ〜、怪しいわねコノコノ!」

最初はからかう事ね。
相手の反応を見て、分析よ。

「別に怪しくねぇって…鹿とはパートナーだし、俺の、弟みたいな存在だよ」

「アンタも本当、鈍いのね…」

「何がだよ…」

鈍過ぎて困っちゃうわ…。
何がパートナーよ!
何が弟みたいよ!!

「何がじゃないわよっ
アンタ良く考えてみなさい?」

何よ、キューピットになってあげようと思ってたのに!!

「牙と一緒にいてどう思うの?」

「牙?別に、どうって…彼奴といたら疲れる」

「じゃあ佐助くんは?」

「佐助?佐助も疲れる」

「螺子さんは?」

「螺子?別に何も思わねぇ」

「私は?」

「桜?別に」

ごめんね色気がなくてっ!(怒)

「私たちと鹿丸とじゃ、違うでしょ?」

「…………」

端っから気にしてるじゃない。鹿丸の事。
此れで良くもまぁ、弟みたいな存在だって言えるわ…。

「聞いて損した気分」

「なぁ…今の、何?何でお前らと鹿が違うって分かるんだよ…」

またまた、鈍いわねぇ(汗)

「鹿丸の話が出た瞬間、アンタ笑ってるのよ」

「ぇ…」

無意識…(汗)
あれだけ笑ってたのに分からなかったなんて…。












【鹿丸Side】

「ってな訳で、脈ありね!」

「マジでか…」

鳴門が俺を気にしてた…?!

否、可愛いとか言われたけど…

「ま、頑張りなさい?」

頑張りなさいって言われても…。
どーしたら良い訳?俺…

「こうなったら答えは一つよ!」

「は?」






其れから数日後の事。
任務が終わり、報告書を出しに来た俺は

「あ、鹿じゃんv」

鳴門との偶然の出会いに戸惑ってしまう。

「もう終わったのか?」

「嗚呼」

どうしたら良いんだ…。
アレを実行、する…か?

「鳴、ちょっと良い?」

「ん?」

其の場から鳴門を連れ出した。

えっと、何だ。
脈ありだとか言ってたが、本当だろうか…?










桜が言った答えは一つっての。

其れはもしかしなくても、
告白だ。

「どうしたんだよ鹿…」

「あのな、俺…」

ヤバい…すっげぇ緊張してきたっ

でも、ちゃんと言わねぇと!

「ん?」

「俺、鳴の事が好き、みたい…//」

「……へ?」

目を丸くした鳴門が、首を傾げた。
やっぱり、かなり鈍い…。

「だから、好きなんだよ…//」

「…俺も好きだぜ?」

其れはどっちの好きだよ…。

「俺のは、鳴の事愛しちゃってんの…//」

「…俺も、多分其れだと思う」

鳴門の口から出た言葉に、俺は動揺した。


え?
多分其れ?
何だよ其れ…。


「恋愛感情でって事…?」

「うん…何っつーか、鹿といると楽しいし?」

何だか凄い事になってます。
鳴門が、恋愛感情として俺を見てくれた…。

「鹿なら、良いかなって」

逆に考えたら、俺以外は嫌だって事…。
凄く嬉しいんですけどっ。

「えっと…有り難う…」

こうして、曖昧な感情の侭俺たちは付き合い始めた。












最初は、多分好き、とか言ってた鳴門も段々と俺を大好きになってくれた。

休みの日は2人でどっか出たり。
ほんの少し、遊び心でキス、したり…。
そしたら、2人とも顔真っ赤になってたけど…。

「鹿、腕枕して」

「あいよ」

意外と甘えたで、寝る時は必ず腕枕。
最近じゃ鳴の家に泊まる事が多くて、半同棲な感じ。

朝、2人で家から出てくる所をあの猪と牙と桜に見つかって…物凄い満面の笑みだったが…。

鳴と別れた後、

「良かったわね鹿丸!大切にしなさいよーv」

「あ〜、まぁ…」

「此れも私のお陰ね!」

「俺だよ!」

と、何やら口論が始まってしまった。
ウチの里の上忍たちは呑気な事で……(汗)

「其れも平和な証拠としておくか…」

お互いにどんどん自分の中で、相手への想いが深まり今じゃ里一番のラブラブカップルとも言われている。

「だから!私がキューピットしてあげたお陰よっ!!!!」

「いーやっ!俺の正確なアドバイスのお陰だっ!!!!」

未だ、牙と桜は其の事で口論し続けている。








違う違う。



一番頑張ったのは俺だから。





End...

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