意中の人1 鳴門side(キリリク)

 
擦鹿擦鳴、鳴門片思いネタ…。

意中之人』とは…
(いちゅうのひと)


心の中で密かに思いを寄せて居る人。
また、特に恋人や結婚相手。


と言う意味です。















 
本当は、こんな気持ちになったら駄目だったんだ…。

任務中…全然集中出来やしない。

だからって、手を抜く訳にもいかねーし…。

あ、任務中だけ忘れたらいいじゃん?

でも…、やっぱ無理なんだよなぁ…。

此の気持ちだけは、何が何でも忘れらんねーよ…。

はぁ…俺ってこうゆうキャラだったっけ…?







可笑しくなったのは、大分前から。
昔からずっと、2人で一緒に組んで毎日任務してたから…、って訳じゃない。
此奴と一緒にいると安心するって言うか…何て言うか。

他の奴とは違う、何かを感じてしまったからか…?

『蒼翠様…』

俺に忠誠を誓った。
俺に付いて行くと言ってくれた。

本当に嬉しかった。

俺と言う人間に、此奴は好意を持ってくれてるんだ…って。
勝手な思い込みかもしれない。
いいんだ、思い込みでも…其れだけで俺は凄く嬉しいんだ…。



下忍任務時は、彼奴とは離れ離れだからこそ…よかった。
いや、一緒がいいけど。

多分、一緒の班だったら俺、絶対顔見れねーよ…。
顔真っ赤になってしまうんじゃねーの…?
本当、そうかも知んねー。

「行こうか…」

「御意」

夜の任務中は面を付けるって決まりがあってよかったと、本当に感謝してる…。

鹿丸と2人きりで任務!
心臓がバクバク煩い…!
恥ずかしくて顔真っ赤!
面があってよかった!いや、本当に!!

「…ま?…蒼翠様?」

「狽ヲ!?ぁ、なな何…?」

ヤベェ、全然気付かなかった…。
何してんだよ俺は…。

「任務が終わった後、大事なお話があるんですが…聞いて貰えますか?」

「大事な話…?あぁ、分かった」

何だ?と考えるが、気持ちを落ち着かせ今は任務に集中しよう。
出来たらいいけどな…。














「ラストが此処っつか警備薄っ、屋敷外…中合わせて30人程度か」

はぁ…と溜息を付く。

何だってこんなに少ないんだよ…。
遊びたいのに、此の人数じゃ全然物足んねーっての…。

「お前は外の雑魚共を殺れ」

「御意」

一々気配消してコソコソするのってめんどくせぇじゃん?
だから、俺は堂々と真っ正面から向かってくんだよ。
だって、今から此奴ら死ぬのにコソコソする意味がねーしな?

「誰だ!?」

見つかっても別に気にしない。
道を開く為に殺ればいい。

そう、殺れば…な?

「翔赫、頼んだぞ」

「御意」

俺は屋敷の中へ…。

「箔ヲがすっ…」

「お前達の相手は俺だ」











屋敷の中に入ると、早速俺の登場に熱い歓迎。
1、2、3、4…12人か…。

「…」

ずらりと並ぶ忍さん達。
何ぁんか見た目すっげぇ弱そ…。

「貴様、何しに此の屋敷に入って来た…?」

「任務なんだけど、つか普通分かるよね?暗部装束着てんのに、『遊びに来たよv』って言う奴いると思うか?」

此奴らすっげぇ馬鹿だろ…。
つか、其れ以前に緊張感全然ねーし此奴ら。

「…癪に触る言い方だな」

「だって本当の事だろ?馬鹿じゃねーんだから此れぐらい勉強したら?」

「餓鬼に言われたくねーな…」

「一人の餓鬼が来たって何も心配いらねー…直ぐ片ぁ付きますぜ兄貴」

そうだった…今日は変化してなかったんだった。

「此の俺を餓鬼と言ったか…?」

「あ゛?どう見たって餓鬼じゃねーか、なぁ?」

「どう見ても餓鬼ですよ兄貴!」

「ほぅ…いい度胸してんな?…死刑決定だテメーら!」

刀を抜き、此奴らを血祭りにしてやる。
俺に餓鬼と言う罪がどんなに重いか思い知れ!!








「…馬鹿、な…」

「一瞬で…全滅…っ!?」

「残るはお前ら2人か…」

ゆっくりと其奴らを振り向く。
すると、此奴らはいきなり土下座して来た。

「悪かったよ!アンタ強いね?俺達の里に来ねーか?」

「兄貴の言う通りだ!此の通り、許してくれ!」

どうよ此れ…。
本当に馬鹿だよ此奴ら…。

「…行く訳ねーだろ馬〜鹿」

そう言って、其奴等の首に刀で斬り付けてやった。

吹き出る血は勢いがいいが、倒れる奴らはゆっくりと地面に沈んだ…。

「楽しくねー…」

やっぱ弱ぇ…つまんねーよ…。
強い奴いねーのかよ…此の屋敷には…。

「後ちょっとで終わりだし、早く済ませるか…」

溜息を付き、俺は奥へと進んで行った。













「終わったみてーだな?」

「はい」

俺が鹿丸の所に戻るともう片付いていた。

「あ、そうだ。お前、話あるって言ってたよな?」

「ぁ…」

面を付けんのはいいけど、相手の顔色とか見れねーから面白くねーなぁ…。

「どうした?」

「ぁ…後で、お話します…」

………………ん?
何か可笑しい…。

「そう、か?分かった」

まぁ、いいか。
後で話すって言ってんだし…爺に報告書渡してからでも遅くねーよな。















其の後、任務が終わって里に帰って来た。
其れは夜中の3時過ぎの事だった。

「ご苦労じゃったの?」

「いや、大した事ねーって」

「…」

やっぱり可笑しい…。
何時もなら、俺に続けて何か言ってくるのに…。

「…どうした翔赫?どっか悪いのか?」

「いえ!な、…何でもありません!!」

爺と目を合わせる。
微かに肩を竦め、頭に疑問符を浮かべた。

どうしたんだよ翔赫…?

「で、では…今日はもう帰っていいぞ?また、明日も頼む」

「あぁ」

「…」

鹿丸は会釈し、俺と一緒に部屋を出た。



















俺ん家の近くの家の屋根の上。
其処で止まって、話を聞こうとする…

「よし。話とやらを聞こうか?」

「あ…あのですね…」

「タンマ!寒みぃから俺ん家行こうぜ?少しは暖かいと思うし」

冷たい風が強烈に我慢出来なかった。
寒いのいやだし…。

無理矢理?鹿丸を俺ん家に連れて帰ったんだ…。
いいよな、少しの間だし…?
誰も泊まってけなんて言ってないからな!









「おー寒…。よしよし」

家のドアを開けると、其の中は暖かくて…。
今日は分身を留守番させててよかった…なんて思いながら、鹿丸を中に入れた。

「お帰りなさいってばよ!」

家で留守番してた分身は笑顔で迎えてくれた。

「ただ今」

此奴の明るさにくすっと笑いを漏らす。

「鹿丸じゃん?いらっしゃいv」

「あ、あぁ…」

「有り難う。もういいよ」

そう俺が言うと、分身の俺は煙と共に消えてなくなった。




そう言ってから気付いた…。

ヤバい…今鹿丸と二人きりじゃん!?
何か恥ずかしくなって来た…!

「こ…此れでも飲んで暖っため…」

そう言って鹿丸に俺は今入れた珈琲を差し出した。
其れを持って椅子に腰を落とす俺と鹿丸。

「有り難う御座います」

向かい合わせで座ったのはいいが、目が合わせずりぃ…。

「……」

「……」

ーシーン…

うわぁ…静かだよ…。
何か話さなきゃっ!!

あっ、そうだ!

「さっき言ってた話、って…?」

「あのですね…」

「な、に…?」

「俺…」

秤スだよ真剣な顔しやがって!!

もしかして…
俺の部下を辞めたいとか!?
えぇー!?そう言われたらどうする?

俺は…嫌だけど…でも…。

「何だよ…勿体ぶらねーで早く言えって!」

其の方が俺…スッキリするし…。
鹿丸が違う所行きたいって言いなら、仕方ねーもんな。

「貴方の事が好き、なんです…」

「………………」

……え?何?あんま聞き取れなかった…。
でも今、凄く嬉しい事言われたような…。

「御免、もう一回言ってくれっか…?」

「だから、貴方の事が好きなんです!!」

う、そだろ…?

……ガシャン!

「…あちっ!?」

吃驚し過ぎて持っていたカップを落としてしまった…。

「…ヤベ」

直ぐに椅子から立上がり、割ってしまったカップの片付けをしようとすると鹿丸も立上がった。
丁度いいと思って、俺は鹿丸に

「御免、手伝だ…って…!?」

そう、手伝だって貰おうと思ったんだ…なのに、

急に抱き締められて、俺は何が何だか分からなくなって来た…。

抱き締められた事で、俺は顔赤いし、心臓ドクドク言ってっし…。

「鹿…丸…?」

「本気です俺…」

ギュウって…キツく抱き締められて…。
鹿丸の声が俺の心臓の鼓動を速めて…破裂しそうなぐらい、其の音が煩く耳に響く。

おまけに、本気ですって…。

「………」

俺はどうしたらいい…?
俺も此の気持ちを伝えた方がいいのか…?
伝えて、いいのか…?

「ずっと、ずっと前から好きでした…貴方の事」

「……//」

何で何も出て来ねーんだよ!?
何か喋ろよ俺…!!

「…し…鹿丸…」

「すいません。此れだけは言いたくて…」

すぅ…と抱き締めていた俺を離して鹿丸は苦笑いを浮かべていた。

何で離すんだよ…。

「……!!」

離された事に何故かムカついて俺は思いきって鹿丸に抱き着いた。

「…蒼翠さま?」

「…俺も、ずっとお前の事…好きだった…」

「Σっ!?」

里一の嫌われ者の俺が、こんな思いしちゃいけねーって、思って…分かってても、やっぱり忘れる事は出来なかった…。

鹿丸の事、本当に好きだから…。

「もしかして…両想い…?」

「もしかしなくても、両想いだって…」

片想いでもいいって、思ってた。
鹿丸が俺の事を好きじゃなくったっていいって思ってた。
けど、やっぱり両想いって思ったら嬉しくて俺、泣きそうなくらいだから。

「…っしゃ!!」

俺が抱き着いた侭の状態で鹿丸はガッツポーズを取る。

「狽!?ちょっ!?」

「勇気出してよかった…」

そして、安心?からか、ほぅ…と胸を撫で下ろしゆっくりと抱き返してくれた。

「……っ」

こうゆうの、本当恥ずかしい…。
いや…、嬉しいけどさ…。
多分当分の間慣れないかも…。

「蒼翠様、俺と付き合っても…」

鹿丸の言葉にくすり、と笑ってしまった。

「今は鳴門だろ?」

今任務中じゃねーしな。

「…御免。鳴門、俺と付き合ってくれる?」

「………」

相当恥ずかしい…。
俺は頷くだけの返事をした。







鳴門視点、End...
 

[ 2/33 ]
[*prev] [next#]
[しおりを挟む]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -