自来也+綱手

 
擦鳴+自来也の続き。
別々でも読めると思われる。←コラ

三竦みの前の夜の話。















五代目火影として綱手を抜擢し、つい先日ワシと鳴門が探しに行った。
鳴門に螺旋丸を教えようと思っていた。

見つけた時には既に綱手は大蛇丸と遭遇済みで、火影就任を断られた。

変化した鳴門がつらつらと語った三代目との約束に、自来也も綱手も驚くしかなかったのだ。

『三代目が残した木の葉を繋ぐ為になら』

勝負を持ちかけたのは綱手。
だが、鳴門との賭に綱手は負けた。

「此の世界で一番強い忍は一体誰だろうね」

久々に綱手と酒を飲んでいた。
酔いが回った綱手が突然そんな事を呟いた。

さっきの戦いで、そんな事をふと思ったんだろう。

「一番強い忍、のぉ…」

自来也の頭に浮かび上がった金色の子。

「やはり彼奴じゃないのか?」

「彼奴…?」

綱手さえ、あの子の本来の姿は知らない。
五大国で最も強いと噂されている。

「綱手も聞いた事くらいあるだろ?木の葉の狂神の噂」

狂うくらい神のように強い事から名が広がったとか。

「五大国最強、か」

殆どの人間が奴の姿を見た事がない。

木の葉はおろか、他国でも其の名を轟かせている。
其の人物があの渦巻 鳴門だと自来也が知ったのは、つい昨日。

螺旋丸を一度見ただけでマスターしてしまったのには自来也自身、言葉を失う程。

『隠すの面倒になったから、バラす』

今までそんな素振りさえ見せなかったあの金色の子が。
実は物凄く強い忍だと知った時のショックはかなり大きかった。

『うん、此れは中々使えるな。色んなのに応用ききそう』

そう言ってあの子は自分なりにアレンジを加えた螺旋丸は、通常の螺旋丸よりも回転とチャクラ量は数倍にも膨れ上がっていて、ましてや其れを凝縮した螺旋丸で、山1つ消し去った事を思い出したら寒気がするくらい衝撃的だった。

最早、あの金色の子に敵う奴はいない。

10年に1人の天才が3年もかかって完成させた術を、たった1回見ただけでマスターし、其れ以上の威力を見せつけられたんだ。

「…実際見てないから何とも言えないね。
自来也、アンタは見た事あるのかい?」

「…いや、ワシも噂だけだの。
でも、奴の術後の光景は見た事がある」

「…」

「術1つ、しかも掌サイズの術だったらしいがの。
其れで山1つ消し去った」

「何、だと…」

「ワシも驚いた」

あれは誰にも真似は出来ないだろう。

螺旋丸であれ程の威力を見せつけられた。

「木の葉にあんな凄い忍者がおるとはの…」

「…」

「時代は進んでおるの、綱手。
ワシらがまだ前線にいた頃は、戦争なんかが多かったのォ」

「そうだね…」

「其れに比べて、今となっては平和なもんだのォ…」

きっと、あの金色の子が裏で頑張っているから。
誰も見てない所で、動く金色の子を。

三代目に託された夢の為。

綱手の前にも姿を晒すのも、時間の問題だと自来也はひっそりと思っていた。


end…

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