スザルル?←黒シュザナナ

 
兄弟と言うものは、なくてはならないモノだと思う。

俺とナナリーは特に必要なんだ。

親に見捨てられ、2人で生きてきた。
ずっとずっと2人で。

たった1人の家族。
其れが離れ離れになってしまった。

ずっと友達だと強調してきた友に裏切られ、ナナリーの変わりに訳の分からない偽の弟まででっち上げて。

もう、心も体もボロボロだ…。
感情なんて必要ない。
冷徹非道で生きる、そう決めた。

其れで俺がナナリーの傍にいれるなら…。























スザクと日本で会う事になった。
1人で枢木神社まで来いと言われて俺はエリア11、枢木神社前に向かった。

1段1段を踏み締め階段を登ると、既にスザクが其処で待っていた。

「1人で来たのか」

「約束だからな」

「よく来られたね…」

「どうゆう意味だ?スザク…」

「よく僕の前に顔が出せれたもんだねって意味さルルーシュ」

俺とスザクの周りに数人の気配がした。
どうせブリタニア兵士どもだ。

「其れはお互いさまだろ?」

「何…?」

スザクが俺を睨み、近寄ってきた時、

―ヒュン

銃弾が其れを阻止し、次の瞬間、隠れていたブリタニア兵士たちが姿を現した。

「狽チ…」

『其処までだゼロ!お前の正体はもう分かっている!』

「枢木卿!お下がり下さい!」

「な、どうして…」

「スザク、お前はこうゆう男だ。だからお互いさまと言ったんだよ」

咄嗟にギアスを使い身を守り、スザクを睨んだ。

「違うんだルルーシュ!此れは何かの間違いだっ」

「間違いも何も、こうゆう結果に導いたのはスザク、お前が原因だ」

シュナイゼル兄上が予測していたとは言え、スザクがもっと警戒して動かなければならなかった。

「ルルーシュ…」

「もう決めたんだ。感情に振り回されず、心を鬼にしてでもナナリーは俺の手で取り返す。
人なんて信じない、だからスザクお前も信じない」

「だったら何故此処にっ…」

「俺が此処に来たのは、ナナリーを取り返す為のシナリオの1部にしか過ぎないさ」

兵士を引き連れ、コーネリア姉上の騎士であるギルフォードが待構えている場所に案内させた。

用意されていた車に乗り込んだ。
モニターを通じて、映し出されたのは紛れもない…

『皇族殺しのゼロが我が弟だったなんてね…悲しいよルルーシュ』

「兄上。下手な芝居は止めて下さい…しかも俺がゼロだって知っていたんでしょう?
内密に話がしたいなんて言い出して…其れが今日だとは知らなかったですが」

俺の兄、シュナイゼル・エル・ブリタニアだった。

『…ルルーシュには敵わないな。昔から嘘は見破られていたね』

「で、兄上…内密な話とは何ですか?」

スザクに電話する前、シュナイゼル兄上から電話がかかってきた。
俺に話があると。

まさか、こうゆう形での話だとは思っていなかったがな。

『ブリタニアへ戻って来ないか?』

「…」

『皇帝陛下も、ルルーシュが戻って来る事を納得なされた』

「彼奴が…」

ブリタニアに戻ればナナリーがいる。
そして、黒の騎士団はリーダーを失ったただの集団となる。

『ただルルーシュがこちらに戻って来るだけではないよ、今までルルーシュが求めていたエリア11を解放する』

「…いいでしょう。ブリタニアに戻ります。
黒の騎士団やエリア11の為ではなくナナリーの為に…
ただし、彼奴の態度によっては俺はナナリーを連れて出て行きますから」

『分かったよ。
今から迎えを寄越そう。
ナナリーも同席させるから』

ブリタニアに戻る事、ナナリーの為。

俺が苦しんだ分、ナナリーも苦しんだ。

『ルルーシュ、ギルフォード卿を呼んでくれるかい?』

「分かりました」

車から出て、ギルフォードを見上げた。

「ギルフォード卿」

「…な、んだ」

「シュナイゼル兄上が呼んでる」

「兄上…?」

「早くしろ、待ってるぞ」

「はっ」

ギルフォードが慌てて車に乗り込んだ。
俺がシュナイゼル兄上やコーネリア姉上の弟だとは知らなかったようだ。

無理もないな…。
俺は死んだ事になってる、ただの民間人にしか過ぎない。

今は民間人…。
ゼロとしてやるべき事を、今。

携帯を取り出して、藤堂へ繋いだ。

「…藤堂、私だ」

『ゼロ、今何処にいるのですかっ!』

「皆を戦場から離脱させろ」

『何を…言って…』

「直に日本解放が始まる。ブリタニア兵も引く。
日本は独立し黒の騎士団のモノだ」

『ゼロ、貴方…どんな手を使って!?』

「何、ただ…俺の家に帰るだけだ。
日本解放を条件に、家に帰るだけ…」

『…そんな』

「今まですまなかったな藤堂…」

『とんでもない。我々と一緒に日本解放をして下さった方が弱気になって…貴方らしくない』

「ふふ、そう思うか。
あ、そうだ。名前、俺の本当の名前を教えてなかったな…
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ」

「お兄様っ!!」

愛しい声が聞こえてきた。

「悪い藤堂、迎えが来たようだ…」

『ルルーシュ殿下、お気を付けて』

「あぁ、行ってくる」

電話を切り、振り返る。

車から出て来たナナリー。
ナナリーの乗る車椅子を押すのはシュナイゼル兄上。

ナナリー…。
あぁ…やっと…。

「ナナリー!」

直ぐに駆け寄り、ナナリーの手を握った。
嬉しくて、涙が目に堪っていた。

「お兄様、泣いていらっしゃるのですか?」

ナナリーの手が俺の頬に触れ、流れる涙を拭った。

「…嬉しいんだよ。ナナリーにまた会えたから」

「私もお兄様に会えて嬉しいです。でもお兄様に涙は似合いません、ナナリーの為に笑っていて下さい」

「あぁ…でも、もう少しだけっ」

ナナリーを抱き締め、肩を震わせた。
すると、今まで見ていたブリタニア兵が駆け寄り、俺とナナリーを引き離す。
俺は兵士2人に取り押さえられ、顔を歪めた。

「シュナイゼル殿下、其の男はゼロですっ!」

「ナナリー総督!お下がり下さいっ」

こうなる運命だったのか…。
俺がブリタニアに戻る決意をしても…む…

「私のお兄様に無礼を働く事は許しませんっ!!」

「ナナリー…」

「彼はゼロではない。我が弟、ルルーシュだよ」

「兄上…」

「で、ですがシュナイゼル殿下!枢木卿をつければ其の先にゼロがいると…」

「私の勘違いだったようだ。
スザクくんとルルーシュは友達だから、会っていても可笑しくはないだろ?」

「シュナイゼル殿下、勝手な行動をし皆を混乱させてしまい、申し訳ありませんでした」

どうしてスザクまで…。
スザクが俺の目の前に立ち、取り押さえていた兵士2人を睨んだ。

「其の手を離してもらおうか…?」

「煤cスザク…」

「殿下が殿下なら、従うまでの事」

ゆっくりと兵士が掴んでいた腕が離された。

「そうか、従うか…
じゃあスザク、今此処で腹を切れ」

「狽ヲっ!?何でそうなるのさっ!
今の状況で其れ!?
普通っ感極まって僕に抱き着く所だよ!?」

「誰が貴様になど抱き着くかっ!
つか今従うと言っただろう!腹を切れ!!自害しろ自害!」

「あぁ従うって言ったよ。言ったさ。でも自害しないよ。こんな所でルルーシュとお別れなんて嫌だから。
其れと絶対其処は泣きながら僕に抱き着くのが当たり前だろ!?」

「だから何でお前前提なんだっ!」

「今日は久し振りにルルーシュと2人きりで会えると思ったのに!
ずっと離れ離れだったから存分にルルーシュとイチャコラ出来ると思ったのに!」

「貴様、まだそんな馬鹿げた考えを持っていたのかっ!」

「当たり前じゃないか!僕はルルーシュが大好きだもん」

「やっぱりお前今から死ねっ!!」

「嫌だっ!!」

そんな口喧嘩をしている中、ナナリーとシュナイゼル兄上が俺とスザクの間に割って入った。

「其処までですスザクさん」
「2人とも止めなさい」

2人を見てみると、にっこり笑っていた。

「スザクさんの考えには呆れてモノも言えませんね…」

「…ナナリー…総督っ(汗)」

(※ナナリーはルルーシュがいて初めて本来の黒さを発揮するのだ)

「お兄様にまだそんな好意を持っていらっしゃったなんて…」

「っ…諦められる訳がっ…」

「そうですか…。其れにしては先程は、何とおっしゃってましたか?

『よく僕の前に顔を出せるな』でしたか?」

「う゛…其れは…」

どうして其れをナナリーが知ってるんだ…。

「お兄様、其れは此れです」

エスパーだ。

「お兄様、其処にいる体力にしか自信がないヘタレな人とは違います。
伊達に目と足が使えないダメ人間ではありません」

ナナリーが手にしている物をカチ、と押すと

『1人で来たのか』

『約束だからな』

もう1度カチと押す。

「お兄様とスザクさんの会話を録音させて頂きました」

「そんなっ!(汗)」

「スザクさん、お兄様に卑猥な事をしようとしないで下さい。
此のナナリーが許しません!ねぇシュナイゼルお兄様?お兄様もそう思いでしょ?」

「スザクくん私もナナリーと同じ意見だよ。
ルルーシュを誑かすような真似は、しないでくれないかい?」

「シュナイゼル殿下…」

何なんだ此の雰囲気…。
ナナリーの為にブリタニアに帰ると決意したのに…。

や…日本解放は達せられたからいいが、スザクとの口喧嘩といいナナリーとシュナイゼル兄上の会話といい、どうしてこんなコメディーみたいになっているんだっ…。

「…っ此れは僕とルルーシュの問題です!」

「言いきるのかい…」

「其れならこちらにも考えがありますわスザクさん」

「う゛…」

2対1じゃあまりにも可哀相になってきて…

「止めて下さい。あまりにもスザクが可哀相です」

「ルルーシュ…!」

「やるなら1対1で」

「え…(汗)」
























日本は解放。
独立し黒の騎士団のモノとなった。

俺はブリタニアに帰り、皇族、後継者争いに巻き込まれる羽目になる。

元々は11位だったが、ゼロとしてテロリストをやっていたから13位に落ちてしまった。
だが俺はそんな事関係ない。

後継者がどうとか言う前に、今はナナリーと一緒にいる。

其れが俺にとって一番必要な事なんだ。



End...


意味不明。

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