黒ルル+黒ナナ

 

ナナリーが真っ黒(?)です。

ルルーシュも少し黒いかもです。
ナナリーの前では真っ白でナナリー命な子になってます。

スザクちょっとヘタレ入りました(笑)←多分

ギャグにしたい…





























亜麻色の髪の少女はにっこりと笑っていた。

「スザクさん」

「はい…(汗)」

「どうしてかしら?」

「いや、其れは…(汗)」

ナナリー・ヴィ・ブリタニアとしてブリタニアへ戻り、ユーフェミアの意志を継ぎエリア11の総督として、忙しい日々を送っていた。

其れがつい此の間、やらかしてしまったのだ。
誰が?もちろん枢木 スザクが。

枢木 スザクがゼロを皇帝に突き出した際に皇帝もギアスを使える事を知りびっくりしたものの、其の皇帝のギアスと言うのが記憶を自由に操作出来るモノで、ルルーシュのゼロとしての記憶とナナリーの記憶をあの皇帝がルルーシュの頭の中から消したのだ。

監視役として偽の弟を傍にいさせる為に。

ゼロがルルーシュだと言う事を枢木 スザクは知っていた。
だから、またゼロが現れた時、ルルーシュの記憶が戻ったんじゃないかと…。
少し、カマをかけてみたのがあの電話だった。

其の電話の相手が此のナナリー。

「お兄様に妹なんていない、なんて言われて、私本当にショックを受けました」

「…(どうしよう…!)」

「私がお兄様の声を間違える筈がありませんもの。
スザクさんもお兄様だと分かって電話を変わったのですよね?」

「は、い…(本当にどうしよう!)」

汗をダラダラと流す枢木 スザクは目の前の少女に段々と恐怖心が沸き上がり、サァ、と血の気が引いていた。

此の少女、兄ルルーシュの為にならどんな事だってする。
嫌なブリタニアにも戻ったのに、一番大切な兄から妹はいないなんて言葉を聞いた時、ナナリーはショックを通り過ぎて怒りを覚えた。

「一番大切なお兄様に否定された私の気持ち分かりますか?スザクさん」

「狽チ…(汗)」

「お兄様はどうして私の事を覚えていないのですか?
あんな怯えたような声を聞いたのも初めてです。

スザクさん、
正直に言って下さいな(ニコッ)

最早脅しに近かった。
満面の笑みを溢しているのにも関わらず、枢木 スザクは身の危険を感じた。

「其れは…色々と訳がありまして…(ダラダラ)」

「訳が、ね」

枢木 スザクは思い付く。

あ、そうだ。
此れは命令だった、のだと。

「皇帝陛下がルルーシュの記憶を消して…」

「へぇ、あのロールケーキがねぇ…(黒)」

ドス黒いモノがナナリーから滲み出ていた。
其れは軈(やが)て巨大なモノへと変化したのだった。

「(黒くなった!)
ゼロがルルーシュだったって事は…(汗)」

「知ってますよ。
だって、ゼロは私の為にやっていたんですよ?」

「…え?ナナリーの、為に…?」

枢木 スザクは知らなかった。
ルルーシュがゼロになったのはブリタニアを壊す為だと…てっきりそう自分の中で思っていたからだ。

「危ない事だと知りながら、私はお兄様に何も言えなかったんです。
私の為にゼロになり、私の為にブリタニアから日本を開放しようとしているお兄様に、何度ゼロを止めて下さいと心の中で叫んだか…
でも、声に出して言えなかったのです」

「どうして…」

「だってそうでしょう?
優しいお兄様が、そう望んでいるのに…
私がお兄様のやってる事を否定すれば、今まで私の為にやってきてくれたゼロが全て水の泡になってしまうでしょう?」

ナナリーがそんな想いを持っていたなんて思いもよらなかった。

「話が反れました。
で、お兄様がどうして私を知らんぷりしたのかですよ、スザクさん」

一気に現実へと引き戻され、枢木 スザクはまたダラダラと汗を流し出す。

「えっと、またゼロが現れたから、ルルーシュの記憶が戻ったんじゃないかって…
其れで、陛下の命令で君との電話で…」

「あぁ、だからお兄様は私の事を…。
そう、私は久しぶりにお兄様の声が聞けて嬉しかったのに…
そう…踊らされていたんですね、私…
あのロールケーキに…
ふふっ
あのロールケーキが…折角戻ったのに…
誰がお兄様にそんな事しろっつったんだよ…
クソがハゲがメタボが老いぼれが…(ブツブツ)」

「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!!)」

許すまじ…

「(キターーーっ!!!!
黒MAXキターーーっ!!!!)」

「スザクさん、本国へ戻りますよ」

「イ、イエス、ユアハイネス!!」

すいません陛下。
僕の為に死んで下さい。←


















ブリタニアへ戻ったナナリーと枢木 スザク。
車椅子を押す枢木 スザクは巨大な黒いモノに宛てられ、今にも魂が抜けそうになっていた。

「お父様?」

にっこりと笑って。

「な、何だ…ナナリー(汗)」

「私、お兄様の為なら何だって我慢すると決めて、名前も継承位も元に戻してお父様が憎くて憎くてつい殺してしまいそうなのを、此れはお兄様の為だと、グッと我慢して政治の道具でもやってきたつもりでした」

サラッと今、危ない発言があったのはスルーして頂きたい。
何たってナナリーは今、


物凄く怒っているのだから


「ねぇ、お父様?」

「狽ヘいっ!?(ビクンっ)」

「私に何て言いましたっけ?」

「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!)」

本当、ヤバい!

「ナ、ナリー…ワシは…」

「お兄様の為にブリタニアに戻ってきたと言うのに…」

「だから、其のっ…」

「お兄様は私の大事な人なのに…」

「ナナリー、ワシの話をき…」

「お兄様の記憶を消した?」

「狽チ!?(汗)」

「私の記憶も全て、消しただって?」

「いや、仕方な…」

「何て事してくれたんだよクソ親父…」

もう取り返しの付かない所までやってきた。

ナナリーが完全に怒っているのだ。

もう、誰にも止める事は出来ない。
ナナリーの怒りが治まるまで…。

「お兄様と会う事も話す事も触れる事も出来ず、エリア11にいるお兄様の為にと思って今まで随分と頑張ってきたつもりです。
お兄様の為に、そう言ったのは誰でしたっけ?
お兄様と離れ離れでどれだけ私が寂しい思いしてるか、お父様には分からないんですよね?
まぁ自分の妻が死のうが、実の子供が危機に晒されても何の感情も持ってないですからね。

でも、其れと此れは違います。
私にとってお兄様は一番に考えるべき対象なんです。
其れを、こんな屈辱を味あわせられるなんて…」

「く、枢木どうゆう事だ!?」

「自分のミスを部下に擦り付けるおつもりですか?
元はと言えば全部、テメェの所為だろうが…」

枢木 スザクは心の中で皇帝に土下座した。

自分がルルーシュにカマをかけなければ、ナナリーはこんなに怒りはしなかっただろう。
身の危険を感じるまでに恐怖しなかっただろう。

枢木 スザクはカマをかけた事を物凄く後悔したのだった。

「私は怒っているのです」

其れはもう分かっていますとも!

「お父様がお兄様の記憶を消した所為で、妹なんていないと言われた私の此の気持ちは何処にぶつけろと?
久しぶりにお兄様の声を聞けて嬉しかったのに…
全部、全部全部全部全部全部全部全部全部全部…
貴様の所為だ…分かってるんだろうな、あ゛ぁ?」

最早、ナナリーではあるまじき言葉遣い。

「お兄様を人質?
はっ
何ふざけた事抜かしてんだ此のロールケーキ…
私の知らない所でお兄様の記憶を操るなんて、そんなに死にたいのですか?」

にっこりと笑って。
そう、にっこりと笑って首を傾げる様、様は何とも可愛らしい少女。
だが、放った言葉が言葉だ。

そんなナナリーに、此の場にいる誰もが言い返す事なんて出来る筈がない。

皆、命は大切だから。

「買i、ナナリーっ
すまなかった…!!」

「謝るヒマがあるなら、何か策を考えたらどうですか?
ただただ椅子に座ってるだけの能無しロールケーキが」

「枢木 スザク!!」

「は、はい!!」

「今からすぐルルーシュを全力で連れてまいれーーー!!」

「能無しの割りには正しい答えが出ましたね。
では、スザクさん」

「はい…(汗)」

「私を今からすぐ黒の騎士団の元に連れて行って下さい」

「イ、イエス、ユアハイネス!!」

枢木 スザクが車椅子を押す。
そして…

「あぁ、そうでしたわ」

足を止め、振り返る事なく…

「今度、こんなマネしたら、どうなるか…分かっていますよね?
私、ぶっ殺してしまいそうですわ…」

うふふ、と笑みを零しナナリーは去っていく。

そんな中、皇帝はただただ恐怖に身を震わせていた。





























「ナナリー、黒の騎士団のアジトは…」

「心配なさらずに。
ちゃんと知ってます」

お兄様の事なら何だって、そう呟いた。

「此れで、やっとお兄様に会えます」

其処には穏やかな笑みを零す少女がいた…が

「スザクさん、今度あのような事したら…」

「全力を持ってルルーシュさまをお守り致します!!」

「ふふ、宜しく頼みますよ?」

ジワジワとまた黒いモノが滲み出てこないよう、頑張るしかないと、心に決めた枢木スザク18歳。
「ナナリー、ルルーシュ戻ってきてくれるかな…?」

「私がいるのですよ?
大嫌いなブリタニアでも、あのロールケーキは今や私の掌の上にいます。
何時でも握り潰せますからv」

にっこりと笑っているのに、恐いのはもう気の所為ではない。
本気でナナリーを怒らせてしまった事を物凄く後悔している。
でも何時かは、ああなっていたのかも…

「…ルルーシュはナナリー大好きだから戻ってきてくれるよね…」

「お兄様に此れ以上危険な事に足を突っ込んでは欲しくありませんから。
何とか上手く丸め込みます」

































「な、何でこんな所にブリキの犬がいるんだよ!!」

「枢木 スザク…!」

「ナ、ナナリーちゃん…」

「総督が、何で此処に…」

アジトに着いたナナリーと枢木 スザクを、睨み付ける黒の騎士団たち。

「カレンさん」

「は、い…」

「お兄様を出して下さい」

「え…いや、今は…」

「いいから早く出して下さい」

ナナリーがそう言っているのにカレンは中々動こうとしない。

すると…

「ブリキの犬が!
其れにガキがくるような場所じゃねぇんだよ!」

玉城がそうナナリーとスザクにそう叫びながらナナリーを殴ろうとした瞬間…

―パシッ

「私の邪魔するのですか?」

目が見えない筈のナナリーが、玉城の拳を受け止めたのだ。
小さな体に似合う其の小さな手で。

「お兄様を出して下さいと言っているだけでこんな持て成しですか?
私は今、機嫌が悪いんです…
早くお兄様を出して欲しくて堪りませんの」

枢木 スザクはまたダラダラと汗を出していた。

「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!)」

此れはどうしたものか…!
またナナリーから黒いモノが滲み出ている!!

身の危険を感じた枢木 スザクは咄嗟にこう叫んだ。
 

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