騎士スザ皇子ルルシリーズ2

 
「あ、ルルーシュ殿下ぁv」

元特派であるロイドが、手を振ってこちらに駆け寄ってきた。

「前言ってたエアコンと冷蔵庫、ランスロットに取り付けたので、確認お願いしますぅ」

「出来たか!」

「流石ロイドさん、仕事早いですね」

「ルルーシュ殿下のお願いだだからもう張り切っちゃって〜v」

ランスロットの操縦席を覗き込んだ。

「エアコンは此処に取り付けてあるから、1年中涼しく暖かく過ごせます!
冷蔵庫はあまり大きいと走行スピードが落ちるから小さくなったけど、此れで勘弁して下さいねぇ(笑)」

最早あるまじきナイトメアだな。
まぁ此れでスザクとゆっくり邪魔されずにデート出来るからいいが、此のランスロットに2人乗るのは窮屈だし…

何だか自分のナイトメアが欲しくなってきた…。

「ロイド」

「どうしましたぁ?」

「俺のナイトメアを作れ」

「狽ヲえっ!?」

「殿下の?」

「色は黒か紫で、最強と言う名に相応しいナイトメアを」

「分かりましたよぉv」

「狽「いんですか!?」

「殿下にお願いされたら断れないじゃないかスザクくんv」

其れでこそロイドだ。(違)

「じゃあ頼んだぞ?」






















俺の1日はかなり忙しい。
特派は俺直属になり、日々新しい研究やナイトメア改造などが主な仕事だ。

だが、兄弟たちは呑気に俺の邪魔をする。

オデュッセウス兄上はニコニコ笑ってるだけだし、シュナイゼル兄上は何時も特派に顔を出しては仕事の邪魔しにくるし、クロヴィス兄上に捕まればチェスの相手にさせられ、コゥ姉上は俺の結婚相手の写真を…しかも俺は男だと言うのに…全部男(此処注目)!ユフィはお茶でもと時間を潰され、カリーヌときたらナナリーに対しての愚痴を零すし…

あの偽バッハは下らん(会いたかったなどと)理由で呼び付けるしッ!!

そして、漸く特派の仕事にありつく。

此れ全てが朝から始まり、部屋に着くのは夜の11時をとうに過ぎる頃。

今日もあの偽バッハや兄弟たちに振り回されながら、部屋へ帰ってきた。
もうヘトヘトで…。

「ルル、ご飯食べる?てか食べようね」

僕お腹ペコペコだよ、なんて言いながらホテルさながらのルームサービス感覚で部屋の内線で食事を頼むスザクの後ろ姿はとてもピンピンしていて、かなり羨ましい…。
どうしてお前はそんなに体力馬鹿なんだ…。

ずっと朝から一緒に行動していたのに…!

「俺はいらない」

「ダメだよルルちゃんとご飯食べないと、体力付かないよ?」

疲れてベッドに倒れるようにして横になるとスザクが覆い被さるように俺の上に乗っかってきた。

「分かった、分かったからくっつくな暑苦しい…」

「何が食べたい?魚?野菜?肉?
其れとも、ぼk…」

「貴様は何を食べさせるつもりだっ!!普通の食事をさせろっ!」

「もぉ、照れ屋なんだから…v」

ニコニコと笑ってスザクは俺の上から退き、ベッドに腰かけた。

「馬鹿か貴様は…照れ屋なんかじゃない。俺は疲れてるんだ…」

「だろうね、ルルってモテモテだから(笑)」

「何だ其のモテモテとは…」

「ん?だって、シャルル皇帝には溺愛されてるし、オデュッセウス殿下もシュナイゼル殿下もクロヴィス殿下もコーネリア皇女殿下やユフィやナナリーだって、ルルの事好きなんだよ?
まぁシュナイゼル殿下の場合、好きって言うか愛を感じるけどね…」

苦笑するスザクに俺は眉を顰めた。

「コーネリア姉上やユフィやナナリーは分かるが、他の馬鹿どもの名前を口にするな!
吐き気がするわ…」

「うわ…一気に顔色悪くなったねっ(汗)」

苦笑いしながらクスクスと笑ってスザクは俺を抱き上げた。
俗に言うお姫様抱っこ。

疲れ過ぎて突っ込むのも、最早面倒で…。

「何をしてるんだスザク」

「何って、ご飯。ちゃんと食べなきゃ体に悪いよ?
何時もちょっとしか食べないんだから」

「お前のようにガツガツ食えるかっ」

食欲なんてある訳がないだろ…。

ソファーに連れて行かれ、座らされた。

「まめに食事取らないと何時か倒れるよ?」

顔を覗き込み、スザクは悲の色をした表情で俺を見ていた。

「分かったよ…」

「其れと、食事の後の運動も、必ょ…」

「此れ以上変な事言うと、殺すぞ?スザク…」

「すいません…(泣)」

其れからすぐ食事が部屋に持ち込まれた。
其の料理を見て顔が引き攣った。

「こ、こんな量を誰が食べるんだっ!!」

「え?そんなのルルと僕に決まってるでしょ?」

どう見ても4人前ぐらいありそうな量を2人でか?

「胃袋も馬鹿なんだなスザク…」

「違うよ。馬鹿じゃなくて頑丈なだけ」

同じようなモノだ!

「ちゃんと食べないと、何時か倒れちゃうよ?」

「其の時は俺の代わりにお前が何とかしろ」

「や、無理だから(汗)」

食事を終え、明日に備えてもう寝る事にした。

「お休みルル」

「嗚呼、お休みスザク」


























「ルル、起きて?朝だよ?」

「………………(怒)」

嗚呼、スザクのバカがまた俺の睡眠を邪魔してる…。

「ルル、起きないと朝一でルルの大嫌いなバッハかシュナイゼル殿下呼ぶよ?」

パチリ、と目を開けてスザクを睨む。

「…………(怒)」

「あれ、やっぱ此のネタ駄目…?(汗)」

「一番不愉快な目覚め方だ…(怒)」

「アハハ…ごめん…(苦笑)」

上半身を起こして、ベッドから抜けだした。

「ふぁ〜…んッ…はぁ」

「ルル、あんまり疲れ取れてないんじゃない?」

「ん?あー…そうかもな」

寝ても寝ても、体が重い。
きっと、全部奴らの所為だ…。

「今日はもう何が何でも特派からは動かん…」

「其れがいいと思う…(汗)」
























軽く食事を済ませ、俺とスザクは特派に向かった。

「ルルーシュ皇子殿下!お早う御座います!!」

「嗚呼、お早う」

フッ、と笑みを向けると顔を赤くする。

何でだろうか…?
何時もそいだ。

「殿下、あまり無闇矢鱈に笑顔など振り撒いてはいけません!」

「何だスザク、何をそんなに怒ってるんだ?」

此れだから無自覚は…

「ん?」

「いえ、何でもありません…」

変なスザクだな…。

「ルルーシュ殿下〜!」

「お早う御座います殿下」

「ロイドにセシル、お早う…
朝早くから何してるんだ?」

ロイドがPCに向かって何やら作業をしてる。
覗き込むと、ナイトメアの設計図が…

「殿下が欲しいと言ってたナイトメアの製作中です。
殿下は体より頭なので、操作式ではなく、記入式のナイトメアを」

「まぁ、そうだろうな」

「空飛べちゃいますよ〜?
此れで好きな時にスザクくんとナイトメアデート出来ますからぁ、もう暫く待ってて下さいねェv」

「嗚呼、楽しみにしてる」

ロイドとセシルから離れ、俺専用の机に向かった。

「殿下、珈琲をお持ちします」

「すまない」

今日は、ナイトメアの新しい機能を試す日だ。
パイロットはもちろんスザク。

「スザク」

『はい』

「取り敢えず、適当に動け」

『適当でいいんですか…?』

「構わない。テストだからな機動性が分かるくらいで十分だ」

『了解』

カタカタとキーボードを鳴らしながら、ナイトメアのデータを写し出す。

「まぁ、機動性は文句なしか…」

「殿下ぁ〜?」

「どうした?ロイド」

話しかけてきたロイドを見ず、そう返事をすると…

「また来ましたよ〜」

「………忙しいから有無言わせず追い返せ。
今日は此処から1歩も出ないと決めたんだ。
其れと、無理にでも入ってこようとするなら、構わん、撃て」

「分かりましたぁv」

「ダメです殿下!シュナイゼル殿下をそんな風に殺しちゃ!
ロイドさんもロイドさんです!」

「え〜、だって毎日毎日面倒臭いじゃない?
だから、いっその事…」

「ロイドさん、人との正しい付き合い方、教えて差し上げましょうか?」

「遠慮します…」

「取り敢えず、中に入れるなよ」

「分かりました〜」

暫くして戻ってきたロイドはもう其れは上機嫌だった。

「殿下ぁ〜!」

「追い返したのか?」

「もちろんですよぉ〜!
シュナイゼル殿下の顔見せてあげたかったなぁ〜v」

兄上に何て言ったんだ?
あのシュナイゼルがすんなり諦めるとは…。

「さ、今日は存分に特派でご寛ぎ下さいねぇv」

「嗚呼」



















あれから、あの偽バッハからの通達があった。

至急、ブリタニアに戻れ。

「…(怒)」

「あの、殿下…?(汗)」

「…何の用件だ」

「え…(汗)」

「何の用件でわざわざ呼び出すのかと理由を聞いているんだ」

「いや、其れは…(汗)」

今日は絶対特派から動かないと決めたんだ。

あの巻き舌バッハが頂点に立っていようが関係ない。

「まぁ、呼び出すくらいだから会いたかっただのそんな下らない理由は、ないだろう?」

「…は、はは…(汗)」

「あの偽バッハに伝えろ。
お前の顔は二度と見たくないとな」

「イ、イエス、ユア、ハイネス!!(汗)」

ふう…。
此れでもうゆっくり出来るだろ…。

そう思ってPCに向かうと…

「ルルーシュ殿下、お電話です」

「電話?」

子機をセシルに渡され、耳に当てる。

「もしもし」

『ルルゥゥゥゥゥシュゥゥゥゥゥ!何ぁぁ故ワシにぃぃぃぃぃ、会いにぃぃぃぃぃ、来てぇぇぇぇ…』

「ウザい!
何だ其の喋り方は!
普通に喋ろよ!聞いてて苛々するんだよ!
つか、俺は忙しくて忙しくて仕方がないんだから電話なんかしてくるな!馬鹿がっ!!」

ピッ

「ロイド!今すぐ彼奴関連からの電話は着信拒否しろ!」

「わっかりましたぁ〜v」

「お前たちも全力で俺を守れ!」

「「イエス、ユア、ハイネス!」」




















―スザクSide―

機能性テストが終わって戻ってきてみたら、何だか騒がしかった。

全力で守れとか、僕に言ってくれないのかな?

シュナイゼル殿下なら体力では勝てると思うし…。
あ、其れを言うなら陛下もかな。
あの人、年だし。

「其れにしてもルルも本当、大変だよなぁ…」

「スザクくん」

「セシルさん…どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも…」

セシルさんはルルーシュたちを見つめて溜息を…。

「セシルさん?」

「本来ならば殿下が特派にいて下さる事が当たり前なんだけど…」

「…?」

「シュナイゼル殿下や皇帝陛下の事で仕事にならなくて…」

「アハハ…(汗)」

アレ…?
もしかしてルルーシュの特派から動かない作戦は失敗しちゃった?

「今日、何時帰れると思います?」

「…さぁ」



end...

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