探し求めていた仲間との再会

 
死者の都、其処は随分と寂れた集落だった。
此処が一番近いらしい、とメリオダスが言っていた。
寂れた街で本当にこんな場所に?と家畜が疑問をぶつけていたくらいだ。

そして、情報を集めながら豚の帽子亭で働く事となった。
ディアンヌは呼び込み、バンは料理番、王女は表でウエイトレス。
俺は、と言うと…。

「確か此処らへんに………あ、あった!」

取り出して来た其れを見て絶句した…。

「偶々立ち寄った町で一目惚れしたんだよ、中々いい趣味してんだろ」

「……俺、男なんだけど」

「分かんねーって!」

「団ちょ〜、男に女装は侮辱もいいとこだって♪」

「キミなら似合うよ!」

「ナルトさまはお顔が綺麗ですからね!」

フォローになってないんだが。
もう着ないといけない雰囲気。メリオダスもバンもディアンヌもエリザベスも、期待なのか目を輝かせていた。





素直に着ちゃう俺って………。

「おお!」

「違和感ねぇな♪」

「かわいいよ!」

「素敵ですね!」

まぁ、スカートじゃなかっただけマシか。
どうせ浮いたまんま戦うなら、どんな格好でも…。

「此処が一番近いって噂なんだ」

死者の都の情報集めを兼ねて、豚の帽子亭のオープン。
俺は何をしてるかと言うと…

「ナルト!此れ頼むな!」

「はいはい」

運搬係となった。

「おおお!」
「何だ其れ!」
「スゲーな!!」

チャクラ糸で品をテーブルまで運ぶ。
其れがまた客にとってはいい芸のように捉えていて店の方もいい宣伝にもなりそうだと、メリオダスが言っていた。

客の入りもまずまずで店も繁盛していた頃、ふとバンの姿がない事に気が付いた。

「……メリオダス」

「彼奴逃げやがったな」

「探してくる」

「おう」

サボりたいってのもあったし、俺はすぐ店を出た。
バンの気配を辿れば、近くに数人の気配も混じっていた。
直ぐさま俺は其処へと向かって行った。








「………」

着いた時にはもう戦闘は始まっていた。
バンと、俺同様浮遊する小柄な男。
バンの後ろには怯えたように隠れている兄妹の姿があった。

「やぁ、バン」

「………」

胸に矛が突き刺さってるってのもに関わらず、バンは無表情で大して気にしていないようにも見えた。

前に不死身だとか言ってたけど本当だったのか…。

「ねぇ…久々の感動の再会じゃないか。キミはオイラに何か一言ないの?」

「誰、お前?」

「オイラが誰か………だって?そんな事も忘れたのかい?」

「…微塵も思い出せねぇわ、悪ィな〜〜〜♪」

「…確かにどうどもいいね、重要なのはキミがーーー」

小柄な男の顔から察するに、バンの事をかなり憎んでいるのだろう。
男は何の躊躇まもなく、バンの胸に刺した矛を回転させながら大穴を開けた。

「強欲のバンだと言う事さ」

まるで魂が宿っているかのように、矛はバンを貫いた後、上空へ上がりピタリと止まった矛先に、小柄な男の足先が乗っかった。

「それとも、こう言った方がいいのかなぁ?
不死身のバン」

ーーズ…ズズズズ…

大穴が開いたバンの胸はみるみるうちに再生していった。

おお、スゲーな。
どーゆー仕組みなんだ、あれ。
ただ単に治癒力が高いだけ?其れとも何かしらの特殊な体質か?

「気に入らねぇ〜〜〜〜な〜〜〜〜♪
俺を知ってるかのような其の口振り、テメェ〜〜マジ誰だ?」

「…………本当にオイラが誰か思い出せないんだね…。でも、自分の罪は覚えてるだろ?
キミの犯した深い…深い……罪、自分の強欲を満たし、永遠の命を得る代償に、生命の泉の聖女を殺した」

戦闘はより激しさを増していった。

矛を操るのに、男は手を動かすだけ。
スピードも威力も申し分ない。
一方バンは、其のスピードにも屈しない反射神経と戦闘センス。
此れはかなり楽しめそうだな。

瞬身の術でバンの真横へと移動すれば、

「うお!ビビらすんじゃねぇよ!」

「面白い事してんね」

「喧嘩売られたんだよ」

「へぇ」

そして、小柄な男へと目を向けると…

「…き…」

「「き??」」

「君、ナルト…なのかい…?」

思わずバンと目を合わせていた。
俺を知る人物がまさかいるなんて…。

「俺の事、知ってんの?」

「何言ってるんだ!君は…」

ーパコっ!

「コラ!」

タイミングよくメリオダスが現れる。
此奴、俺の事知ってそうだったのに…。

「つか、団ちょ〜〜邪魔すんなよ」

「お前こそ仕事サボって何やってんの」

「何って、此の誰だか分からねぇチビに喧嘩ふっかけられたんだよ〜〜♪
一張羅が台無しだ」

「ん?」

「みんなさっきから何騒いでんの?ん?」

バンが指指す方をメリオダスとディアンヌが向いた。

「「キング!!!」」

此奴が、七つの大罪の1人、怠惰の罪(グリズリー・シン)のキング………。

 

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