落花流水 ディアイザ※
前がき。
此の小説のタイトル…
『落花流水』とは。
(らっかりゅうすい)
人と人が相思相愛で有るさま。
散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、
流れる水は落花を乗せて流れたいと思う。
事を意味します。
そんな甘い物になっているか不安ですが…どうぞ…m(_ _)m
手を伸ばしても、届かない…。
触れたくても、触れられない…。
彼奴は今、俺の傍には居ない…。
此の宇宙には、居ないんだ…。
隊長と成った俺は忙しい身だ。
「何度言ったら分かるんだ貴様は!?」
「狽キ、すいません!!」
新人なんかには、仕事を増やされ…手を焼く日々。
何故仕事を覚えてくれないのか…。
最近ディアッカにも会ってなくて、何故か苛々する…。
「隊長!」
「何だ?」
「先日地球へ向かった隊から連絡が入りまして。四日後に帰国するっの事です!」
「そうか…」
其れを聞いた俺は、『嬉しい』…其れしか頭に浮かんで来なかった…。
彼奴が…、ディアッカが宇宙に帰って来る…。
俺の所に帰って来る…。ディアッカの地球行きが決まった時、仕方がないとしか思ってなかった。
―……けど今は違う。
毎日のように顔を合わして、躰に触れて、キスして、躰を重ねてた事を只、こんなにも…寂しいと思うなんて…。
ディアッカと離れ離れになって初めて、俺は気が付いた。
ディアッカ…お前が居ないと…
…………俺は…。
ディアッカが帰って来る迄、後三日…。
何時ものようにくたくたになり乍部屋に戻る。
「はぁ…」
仕事が終わって何時も、心が安らぐ場所と言えば俺の自分の部屋…。
此処には、彼奴の匂いが染み込んで居るからな…そう思い乍、ロックを解除し部屋に入ると…
「あ、イザお帰りぃ〜v」
横になってたであろうベッドから起き上がり、俺に笑顔で手を振るディアッカの姿…………。
「ディアッカ…」
此は錯覚か…?
今、俺の目の前にディアッカがいる…。
ディアッカは地球にいる筈だぞ?
錯覚する程、俺は疲れてるのか?…其れ程、寂しいのか?
「イザ?」
驚きに立ち止まっている俺に、ディアッカは近付いて来る。
「何でそんなに悲しい顔してんのさ?久しぶりに会ったのに、そんな顔すんなよ?」
そう言ってディアッカは俺を抱き締めた。
悲しい顔…?俺が、そんな顔してるのか?
抱き締めた俺は限界に達した、錯覚でも何でも良い…ディアッカに…。
「ディアッカ…っ!」
会いたかった…。
蚊が鳴く様な小さい声で、言った。
自分から、ディアッカの背中に手を回して、ふつふつと湧く『嬉』の感情に涙が溢れた。
「俺も。イザに会いたかったよ。こうやって、抱き締めたかった…」
腕の力を緩め、ディアッカは両手を俺の頬に添え、上を向かせる。
指で頬を伝う涙を拭い乍、
「キス、したかった…」
其の侭、ディアッカは俺にキスをした。
錯覚とは怖い…。
抱き締めた感覚キスした感覚、匂い、全てが嘘のように本物だ…。
「嬉しい。イザも俺に会いたいって思っててくれたなんてなv」
俺にしか見せない、優しい微笑み。
何だか、歯止めが効きそうに無い。
お前に、約一ヶ月も会ってなかったんだ…。
こうなると分かっていれば、お前を地球になんか…。
「ずっと俺の傍に居ろ!何処にも行くな!俺を一人に、するな…ディアッカ!!」
胸に顔を埋め、俺は泣き叫んだ。そんな俺をディアッカは優しく抱き締めてくれた。
「何処にも行かない。俺はイザの傍から離れないよ…ずっと傍にいるから、だからもう泣くなよ?」
抱き抱えられ、俺はベッドに横たわらせられた…。
今から何が始まるか、なんて先は見えている。
嗚呼…こんな事迄錯覚させられるとは…。でも、悪気はしなかった。
「イザ…良いよね?」
「…//」
俺は、無言の侭頷いた。
服を脱がされ、躰中を愛撫される。
「あ…ディア……カ…//」
ディアッカが触れる所が熱い…。
嗚呼、俺は何でこんなにも錯覚に陥(おちい)ってるんだ?
ディアッカに一ヶ月会えなかった所為で、こんな錯覚迄も作り出して…躰を重ねてるなんて…。
聞いて呆れる…。
「馬鹿だな俺は…」
そう声が出てしまった。
其の所為か、ディアッカは動きを止め俺を見下ろす。
「どうしたの…?」
「此が本物なら、より一層嬉しんだがな…」
そう言って俺はディアッカの頬に手を添えた…。
「何言ってんだよ…」
キョトンとした目で俺を見つめてる。
何故此奴が本物ではないんだ…。
「貴様は、此処には居ない…。今地球にいて三日後帰って来る奴が、こんな所にいる訳がないって言うのに…俺は」
「え…知らないのイザ?」
何を言ってるんだ此奴…?錯覚の分際で。
「俺、本物なんだけど…?」
………………………。
……………………は?
………………本物…?
「………何だと…?」
「否ね、俺もう我慢出来なくてさ。許しもらって先に一人で帰って来たって訳よv」
何…?一人で帰って来た…?
待て、じゃあ今目の前にいるのは…。
「…本物…?本当に、ディアッカなのか?」
「そうだよv」
本当に 本物のディアッカ…?
「此は…錯覚ではなかったのか…」
「錯覚…?俺を錯覚だって思ってた訳?もう、可愛いなぁv」
…本……物…?
「買Cザっ!?」
瞳の奥から熱が込み上げて、段々と視野がぼやけてきた…。
嗚呼、俺は泣いてるんだな…。
こんなに嬉しいなんて思いもしなかった…。
此奴の存在が俺にとってどれ程大きいか、やっと分かった気がする。
否、気付かされたな…。
やっぱり、お前が居ないと俺は駄目なんだ…。
「泣くなよイザ」
「此もみな、全部貴様の所為だ!」
「狽ヲ?!」
「貴様が連絡を入れなかった所為だぞっ!錯覚して当然だ!!俺がどんな思いをしたか…貴様に分かるものか…っ!!」
そう言ってる俺の目からは涙がどんどん頬に伝ってゆく。
「早くイザに会いたくて、連絡なんか取ってる暇なかったんだよ…今さっき着いたし。驚かせて御免な?でも、俺もイザと同じ気持ちだったんだよ?」
そう言ってディアッカは優しく俺を抱き締めた。
「ずっとイザの事考えてたし…」
「お前は俺が傍に居ないと駄目なんだから当たり前だ!!」
「本当御免。今度からはちゃんと連絡入れるから…」
…………………。
何だか怒りが込み上げて来た。
此奴、忘れてやがる…。
「貴様は馬鹿か!」
「…へ?」
「俺を一人にするなと言っただろ?!」
そう言って自分からディアッカに抱き着いた。
もう、此奴と離れるのは御免だ!
絶対付いてってやる!
二度と離れないからな…。
「やっぱりイザは可愛いっ!!」
◎終わり◎
↓オマケ↓
「ま、其れは良いとして。
こっちはまだ終わってないよ?つか見過ごせないしv」
「狽・…あー!!/////」
そう言えば繋がった侭だったっ!!
「頑張ろうねイザ!一ヶ月分は長いよVv」
狽ネ…何だとぉ?!//////
「ギャーーー!!//////」
イザークの悲鳴に似た喘ぎ声は朝迄止む事はなかった事は言うまでもない…。
.
後記。
イザークは可愛いね。
可愛いとしか言えないよ!
此れぞツンデレって感じ(笑)
そんなイザークが可愛くて仕方ないんです(*´艸`*)
いやぁ、弟にしたいなぁ…
家に1人欲しい!
めっちゃ溺愛するよーっ!←
主人公総受けを愛する私が虜にされたCPですよ。
いやぁ…本当。
ネタ思い付いたらまたディアイザ書くぞーv
今度はツンデレ強化しなくちゃっ(笑)
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