高銀
戦場には不釣合いな銀の髪に真っ白な肌…。
目を開けると戦場に相応しい程の真っ赤な目。
月の光に照された銀の髪は白く輝いていた。
白夜叉と異名を銀時は敵味方関係なく恐れられた存在。
天人を何百、何千と斬る銀時の姿はまさに脅威を感じる程の冷徹さで…。
「死ぬなよ」
「分かってるって」
「お前こそ死ぬなよ」
「それじゃあ、いっちょ暴れようぜ」
鞘から刀を抜き、目の前にいる大勢の天人たちの中に飛び込んで行った。
自分たちが生き残る為に天人を斬る。
命じられた事をしているだけ。
そう、どんなに咎められたってこれは【命令】なのだから。
「グッ…ァ…」
最後の一人を沈めた後、
「終わったな」
勝利に終わった戦の跡の戦場には、もう動く事のない亡骸と血の生臭い匂いが充満していた。
味方も何人か命を落とし、手傷を負っていた。
「…」
この真っ赤に染まった場所を見つめて、刀をしまう。
「あぁ…」
その瞬間、静けさが辺りを包み込んだ。
今まで響いていた雄叫びも、悲鳴も何もかもなくなった。
「また血だらけじゃねェか」
楽しそうな声を発するのは同じ攘夷志士である高杉晋助。
頭から足の先まで真っ赤な血で染まってしまい、何時もは銀色の髪の毛も血で真っ赤になっていた。
まるで別人のように…。
「避けるの面倒でしょ?余計に体力使うし。そうゆう高杉も血だらけじゃねェの」
「テメェよりマシだよ。
戦始まる前と終わった後じゃ、別人じゃねェか…
髪は赤いし、顔と服にはべったり血ィついてよォ」
「別人でいいよ…」
「…白夜叉?」
悲しみを含む表情に、高杉は銀時の顔を覗き込むようにして見つめた。
『銀時side』
雄叫びや悲鳴が響く此の場所が、静まり返ると、何だか心にスッポリ穴が空いたような感じがするんだ。
此の時だけ…空いたような…そんな感じ。
血だらけになったっていい。
政府の犬だって言われてもいい。
俺には、これしかない。
天人を殺し続ける事しか出来ないんだ。
だから…
「普段の俺と、攘夷の俺は別人でもいいんだよ」
「どうした急に」
「別にどうもしないよ…俺には、これしかねェから…」
俺は与えられた仕事をやるだけ。
仲間から怖がられようが何であろうが、目の前の敵を殺すだけ…。
それしか出来ないから…。
何時の間にか俯いていた。
その侭、地面に座って膝を抱く。
「また何か抱え込んでんだろ」
「抱え込んでなんかないよ…ただ、本当に俺はこれしかないから…」
勝利をもぎ取る為に、刀を握って、天人を斬るだけ。
「なぁ白夜叉…いや、銀時ィ」
「?」
俺の隣に座り、高杉は胡座を組んで顔を向けた。
そして、べっとりと天人の血が付いた俺の頬に高杉の冷たい手が添えられて…
「テメェにぁもっと色々あんだろォ…」
「…ダメだよ高杉…」
そんなに優しくされたら、お前に甘えてしまうよ、きっと…。
「優しく、しないで…」
「銀時…」
「煤c高、杉…?」
いきなり抱き締められ、俺は頭がパニックになった。
何で、此奴は俺を…?
「他に夢中になるようなの探せばいいじゃねぇか」
「…夢中…?例えば?」
「誰かを好きになるとか」
誰かを好きになる?
誰かって、誰を?
俺には、好きな人なんていないし…。
「なぁ銀時…お前って着痩せするタイプなんだな」
「いきなり何だよ…」
「否、意外と細いんだなって…」
理解不明。
取り敢えず、抱き締められていた高杉を腕を突っ張って少し離す。
「今日の高杉…可笑しい…」
頬触ったり抱き締めたり、いきなり細いとか言ったり。
「そうか?俺ぁただ、テメェの力になってやろうと思っただけだよ」
「…本当に?」
「あぁ」
本当にいいの?
其の言葉に、俺、甘えちゃうよ?
「じゃあ…此処、埋めてよ…」
「…?」
「ポッカリ空いたような感じがするんだ…だから、此の穴を埋めて…お願い…」
俺を抱いて…。
無茶苦茶にしても、いいよ。
「高杉の事しか、考えられないぐらいに…」
End...
わっけ分かんないですけど。ぇ
オチが考えられなかったのよ。
あの後の絡みが、ね。
あのほら、キスぐらいさせればよかったのかしら…。
壌夷志士時代の彼たちにはかなり萌える要素が私には一杯あるんですよね!(いや、聞いてねぇし)
少し?暗めの銀さんとエロい高杉サマ書きたかったんだけどなぁ…(´A`)←
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