キリコとハンター試験 キルアside

 
「此処が現実世界か…」

見渡す景色は違うけど、ゲーム内と変わらない空気。

「実感湧かないなぁ…た、取り敢えずドーレ港の一本杉目指すか」





ドーレ港の一本杉。
其処に、ゴンが言ってた魔獣がいた。
ゴンの友だちだと言えば

ークンクンクン…
ークンクンクン…

両手に挟まれ、匂いを嗅がれている俺。

「うん、確かにゴンや鳴門や鹿丸の匂いがする」

「会いたいねぇ」

夫婦、なのか?
全く見分けが付けられない。

彼奴はこうゆうの普通に見破るんだろうな。
しれっとした顔で言い当てるんだ。

こっちが旦那さんで、こっちが奥さん!とか。

ま、其れは鳴門や鹿丸にも当てはまるんだけど。

「案内するのは大丈夫だよ、問題ない。
此処からだと4日くらいかかるな?」

「なるべく早くゴンたちの所に戻りたいんだ。
パーッと行ってサーッと合格してさ」

「そうは言っても試験が始まる日は決まってるからね」

「あー、そっか」

「其の間、ゴンたちの話を聞かせておくれよ。
ゴンからは試験合格までしか聞いてないからさ」

「オーケー、んじゃ彼奴が俺ん家来た所から話そうか。
俺ん家結構有名でさ、山1個全部が家な訳」

鳴門が俺の家族に受け入れられた事。
ミケを手懐けた事。

「あの子は別次元の人間だよ」

「我々を簡単に見抜いたんだから」

「隣にいた鹿丸って子もね」

「其れは俺も同感。彼奴ら、マジ強ぇーよ」

出会ってから今まで、あの2人のする事に驚かない事はなかった。
全て上を行く。全て。

「俺ん家の番犬がいるんだけどさ、鳴門の野郎手懐けたんだぜ?
家族以外の言う事聞かないミケだったのに」

「ミケ?番犬なのにミケなのかい?」

「猫?」

「デッカい猛獣のような白い犬だよ」

「んー、微かに獣の匂いはするね」

普通なら、腰抜かすのが当たり前なんだけどな。

「手懐けたならまだしも芸も教え込ませてさぁ、鳴門の前じゃ番犬としての脅威がまるでゼロ」

「鳴門も面白い人間だね」

「本当にあいたいねぇ」

「クラピカさんはお元気なのかしら」

「クラピカ?彼奴は今ハンターとして雇われで仕事してるよ!金持ちの護衛みたいなの」

「レオリオさんは?」

「あー、オッサンなら医者になる為に猛勉強中じゃないかな?」

懐かしい名前。
あの2人も元気にやってるだろうか。

「ゴンたちは今何処で何してるんだい?」

「俺たちは今、グリードアイランドってゆー、ハンター専用のゲームをやってんだ。
念を使わないと入れない、価値58億のゲームさ」

グリードアイランド中に起こった事。
ビスケの事や念の修行の事。

其れを語るのに、1日じゃ語り切れなかった。




「さぁ、会場へ案内するよ」

ミハエルって言う家を訪問し、DICK SAKURAで買い物して、ミハエルって男から渡されたカードを渡すと、店員が道を示してくれた。
そして、前回とは違う会場へと辿り着いた。

「…………」

其処にいる会場に辿り着いた奴らは1000人は下らない。
其れでも、全然負ける気はしなかった。

暫くして、試験管がやってくる。
サトツのオッサンじゃねぇんだな。

現れたのはサングラスをかけたオッサン。

「えっとぉ…1500超えかぁ…んー、どうすっかなぁ。
よし、お前ら戦え」

「「??」」

「昼の2時までに5人ぶっ倒せ。プレート5枚俺の所荷持ってこい、いいな」

楽勝だな。

ーバタン…

扉が閉まったのを合図に俺は動き出す。







ーガチャン…

「やっと来たか。中々遅いから待ちくたびれた…………」

「全部集めるのに時間くっちまってさぁ」

全プレートが入った袋を引き擦りながら試験管の所へ行くと、かなり驚いた表情をしていた。

「な、な!?」

確認の為か、試験管は会場の様子を見に行った。
勢いよく開けた扉から、其処ら中に転がる受験者たちの姿を見れば、パカーと口が開いてた。

「で、俺合格っしょ?」

「んーっ……」

「………」

何渋ってんだろ、此のオッサン。

「其奴の実力は去年のハンター試験でも確認済みじゃよ。
一目瞭然てはないかの?」

「ネテロのじーさん!」

俺、キルア・ゾルディック。
ハンター試験合格を言い渡された。

楽勝楽勝!!
 

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