奪い合いとアイテム

 
月例大会当日。
ゴンとキルアは早速ジャンケン大会に参加した。

「俺には秘策があるんだ!」

「秘策?」

「船乗りのオジサンに教えてもらったんだ!
最初はグーて相手を油断させて、ジャンケンの時からポイ!の間、相手の次の手はもう形になってるから目がいい奴なら9割り方勝てるって」

「ずっりー!何でおしえてくれなかったんだよ!」

「難しいんだよ…?レオリオに教えても出来なかったし…」

「俺とレオリオを一緒にすんなよな!」

「じゃあ、やる?」

「う…やる」←

ゴンの秘策を利用し、2人は決勝まで勝ち進んだ。

「最初はグー、ジャンケンポイ!」

勝ったのはキルア。

「まさか決勝で両手使ってくるとは思わなかったよ…」

「へっへーん。ジャンケンは右手って決まってないだろ?」

「おめごとう、優勝商品の真実の剣だ」

開催者から渡されたアイテムを触ると、カード化された。
カードナンバー83、指定ポケットのカード。

其の後、また大食いなどの懸賞カードをゲットしに行ったゴンとキルアは早速トレードショップへ持っていき金に変えた。
すると、12万ジェニーと結構な額になった。

俺たちも何日か懸賞してみて、2人で10万ジェニー。

「そろそろ違う町に行ってみない?」

「其れいいかも」

「指定ポケットのカードはなさそうだしな」

「嗚呼、此処何日か懸賞してみたけど、指定ポケットは真実の剣だけっぽいし…ブック」

視線を感じ、すぐ様バインダーを閉じるキルア。

ジャンケン大会に参加したのはいいが、いい標的になる訳だ。

「ま、こうゆうのが妥当だろ」

「うん…此のゲームでは当たり前な奪い方だよね」

「でも俺ら防御スペル持ってねぇだろ」

「…目眩ましとかどうだ」

そうか!

素早く印を組み、俺たちはゴンとキルアの分も分身を作り出し入れ替わる。

本体はとっくに避難し、違う町へ急いでいた。

「あんな連中なら上手くいくが、此のゲームの常連つーか、俺たちよりもやってる日数長い奴にはな」

「プロって事?」

「此のゲームで使えるカードもそこそこ知ってて種類も持ってたら、俺らでも太刀打ち出来ないだろ?」

「よく分かってるじゃないか」

すると、裏通を通っていたのが凶と出たらしい。

男女数人に囲まれてしまっていた。

「月例大会自体に参加するのは馬鹿のやり方だ」

「そうかな?俺からしてみれば参加自体しないで他プレイヤーから奪う奴ら程バカはいないだろ」

「何だと…?」

「自力でゲット出来るカードをわざわざ奪うだけの価値なんてあるか?
其れさえも出来ないお前らは一体何してきたんだよ」

「此のガキ!」

頭に来ただろうヒョウ柄の奴は、武力行使ときた。
俺に向かって拳を振り上げた。

「遅せぇよ」

「っ」

すぐ様鹿丸が朱羅を出して其奴の首へ突き付けた。

「何なら、今此処でお前ら全員殺してカード全部もらってあげてもいいけど?」

ちょっと睨んでやれば、奴らは押し黙った。
何でこんなのがバッテラのオッサンに雇われたのか疑いたいな。

「なぁんて、こうゆうゲームだから仕方ないよな」

「次は本当に首を落としてやるから」

「ダメだよ鹿丸!此のゲームで人を殺しちゃ!」

「ゴン、鳴門の事になった鹿丸を俺らが止められる訳ねーじゃん」

「でも…」

「鳴を狙わなきゃいいんだよ」

「いや、其れ絶対無理だから」

ちょっと棘のある言葉を吐き、大人しく真実の剣を奪わした後、俺たちは次の町魔法都市マサドラを目指した。

其の前に水と食料を調達し、其れから島の地図をゲットした。

「2万ジェニーか」

「町の名前場所、裏道とかオススメスポットが乗ってて65万とか高くね?」

「言えてる…」

ま、2万ジェニーの方しか買えないけどな。

ゲインと唱えて地図を開くも、真っ白な紙に島の形しか描かれてない其れをどう見たら場所が分かるのかと、問いたい所だった。
俺らがいる今の町も何処にあるのか検討もつかないってのに。

仕方なくトレードショップへ行き、マサドラの場所を聞く事に。

「マサドラは3千ジェニーになります」

「高っけーよ!少しはまけろよな!何回も来てやってんだろ?!」

「3千ジェニーになります」

「チッ!」

「アハハ…」

聞く耳は持たないらしい。

マサドラへは山を越えて80キロ進むと湖がある。
湖沿いに北へ進めば到着すると。

「山には山賊の住処があって、旅人は身包み剥がされる。
運よく山賊に出会わなくても山を越えた先は怪物がワンサカ出るからな」

店を出た瞬間、ゴンとキルアはかなりはしゃいでいた。

「山賊!」

「怪物!」

「よーし!俄然RPGっぽくなってきたぜ!」

「見たい!見たい怪物!早く行こう!」

かなりテンション上がりまくりのゴンとキルア。
そんな2人を俺たちは呆れた感じで笑ってやる。

「よーし!出ぱーつ!」

「待って下さい!」

「「ん?」」
「「あ…」」

声をかけてきたのは、ツインテールの少女。

「確かあの時一緒にいた…」

「だよね…?」

小汚い男の勧誘の時だろ?
1人だけ女がいるとは思ってたけど。

「あのぉ…わたしを」

か弱い感じに演じてるらしい。

見た目は少女だが、此奴は強いと感じた。
俺は相手の力量を測り違う程、馬鹿じゃない。

ゴンとキルアは気付いてなかったが、ずっと俺たちの後を追っていた。
絶の使い方が今まで会った誰よりも上手い。

「私を仲間に入れて下さいっ」

「「Σえ!?」」
「「…」」

「お願いします…」

少女は目をキラキラと輝かせていた。
だが、キルアは相手の事を知ってか知らずか分からないが、

「え、ごめーん、無理」

即答していた。ププっ。

「Σヴっ…ど、どうしてですか…?」

「邪魔だから」

またキッパリ言ったな…。

「(言うに事欠いて此のガキャ!
アタシがテメェの何倍生きてると思ってんだ!カスが!
アタシが本気出しゃ片手でチョチョイノチョイだぞ!?決めた!
少しだけお前らの関係掻き回そうと思ってたけど修復不可能になるまでメッタメタに〜〜!!!)」

ププっ。
此の女かなり面白い…!←
拳握り締めてるのモロバレだしっ!
分かり易!

「あっちから行ってみっか」

「うん」

「Σはっ!?」

話しかけてきた少女を無視するようにゴンとキルアは足を進めた。
俺は笑いを堪えながらゴンたちを追った。
鹿丸はそんな俺を見て、呆れ顔。

「待って下さーいっ!足手まといにならないよう頑張りますからぁ!
待って!待て!此の待ちやが…って下さぁい…!」

「ププっ」←

あの女、かなりの確率で素が出てんじゃねぇか。












山に入れば、日は落ちていた。
森の中をゴンとキルアのペースに合わせて走っていた。

「北に真っ直ぐ行けば目的地!」

「嗚呼、途中山賊に気を付けろって事はだ」

「北に真っ直ぐ行けば山賊に会えるって事?」

「正解!ゴンも大分ゲームが分かって来たじゃん!」

「ゲームってのは奥が深いな…」

「全くだ」

楽しいからいいけど。

急に立ち止まったかと思えば、ゴンとキルアは後ろを振り返った。

「で、どうする?アレ…」

視線の先には、俺たちを追ってくる女の姿。

「ほっとけほっとけ。山賊が出たらどさくさで撒けばいいよ」

「其れはちょっと酷すぎない?」

「何言ってんだゴン。あの女も歴っきとした念能力者だぞ?」

「そうだ、ヤバい時は逃げるくらい出来るさ」

「そっか…そうだよね…」

そしてまた、俺たちは先を急いだ。

早く山賊出てこねぇかな。
 

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