殺戮ゲーム?と友情?

 
店から出てきた2人。

「何もらえた?」

「指定ポケットじゃねーヤツ」

手渡された其のカードを見てみると、何やら不思議な物体が描かれていた。

ゴミカード同類だな。

「名前からして絶対武器だと思ったのによぉ…」

ガルガイタ、だっけ?
大食いでゲットとはな。

やっぱり俺ら参加しなくてよかったよ。

「左上の1217ってのがカードナンバーで、右上のFってのがカードの入手難易度だってさ」

「其の横の数字は限度枚数って教えてもらったよ。
難易度は10段階でFは下から3番目」

「で、金はどう集めんの?」

「カードをトレードショップに持ってけば金と変えてくれるってさ。
其れに何かの条件を満たさないとイベントは発生しない」

「皿洗いしなきゃ分からなかったもんね」

苦笑いを浮かべたゴン。
そして、此のゲームの住人は限られたワードにしか答えないらしい。

例えば「スペル」に関する事しか言わない人間に、違う事を聞いても「何だ其れ?」で会話は終わってしまうと。
キルアの言うアールピージー?ではよくあるとか。
兎に角、ゲームは住人に話しかけまくりで情報をゲットしてイベントを発生させるとか。

「取り敢えず、其のトレードショップに行って情報聞くか?」

「そうだな」

此のゲームでカードを金に変えるには、かなりの枚数ゲットしなきゃなんねぇのか…。

4人でダラダラと歩いていると、急に爆発音が響き渡った。

「キャーっ」
「ひでー…」
「異国の人間らしいぞ」
「可哀想に…」

人だかりが出来、俺たちも何かと思い近付き周りの奴らの視線の先にあったモノに眉を寄せた。

「…」

「腹が吹っ飛んでやがるな」

「ねー、何があったの?」

「突然爆発したんだ!中からボーンとよ!」

中から?
どうゆう事だ…。

「有り得るのか?」

「…念か?」

「…生身で受けて吹っ飛んだんだな」

ゲーム参加者の誰かだろう。
此のゲームの住人に異国のって言われてたから。

こんなに直ぐに犠牲者を目にするとは思ってなかった。
安々と他人を信用しちまったんだな。

「っ…?」

死体となった男の体が光りだした。

「Σ消えた…」

「現実世界に戻されたんだ…」

残ったのは、男の体の形の跡。

「ねぇ…さっきキルアにかけられた魔法は!?」

「分からない…」

「安心しな。此のゲームにそんなスペルは存在しない」

急に現れたのは、小汚い男。←

「スペル?」

「(此奴、見てたのか…?)」

「あれは他のプレイヤーからだ。念のな」

「プレイヤー同士の殺し合い!?」

中々面白くなってきたじゃん。

男が言うには、此のゲームでのプレイヤー狩りがいるそうだ。
カード化限度枚数が多いカードを少しでも減らす為、コンタクトを取り殺して奪っているとか。

「ボマー。さっきの爆発は奴の仕業だ」

「…ボマー」

静かに、ゴンは怒りを灯していた。
自分の父親が作ったゲームに、なんて思ってるんだろ。

だが、1つ忘れてる。
説明で死んだ場合文句言わないって教えてもらっただろ?
其れも他プレイヤー同士のイザコザだってあるし、ゲーム中に何らかのイベントでの死亡もあるって事。

わざわざ怒る必要はねぇと思うんだけど…。

「俺たちは違う。数で勝負し、決して血は流さない。
どうだい?一緒に組まないか?」








男に一応ついてくると、其処には初心者たちだろうプレイヤーがいた。
女が1人と男が2人。
きっとバッテラに雇われたハンターだろう。
ツインテールの見た日12〜15の少女と緑の服着た色黒の男と顔デカ男。

小汚い男の仲間も2人いた。
眼鏡アゴな男と目が開いてない男。←

眼鏡アゴからすぐスペルについて男から教えてもらった。

「攻撃、防御、移動様々だが君たちが受けたスペルは調査方に属するもの。
追跡(トレース)か密着(アドヒージョン)のどちらか」

あの男、追跡って言ってたよな?

対象プレイヤー1名の現在地を常に知ることができる。だそうだ。

「もし、君たちが貴重なカードを手に入れたなら直ぐ奪いに来るだろう」

「カードで防ぐ事が出来るけど、今の君たちじゃ無理がある」

金もないしって?

そして、カードでカードを奪う事以外にも注意点がある。

「プレイヤー狩りさ」

「プレイヤー狩りをするのは過激派と言って人を殺す事に何とも思わない連中だ。
確認されてるだけで4人いる。
さっきの奴を殺したのは、放出系か操作系の念能力者で爆弾を爆発させるようなやり方から俺たちはボマーと呼んでいる」

「一番厄介なのが其奴らが奪う手段だ」

脅し、暴力などを使ってバインダーを開かせて取ってく。

「頭脳戦にも自信があるのだろう、バインダーを開かせる為のな」

「其れってさ、単なるバカのやり方だと思わねぇ?」

「言えてる」

「君たちはまだ知らないんだ。ボマーが如何に恐れられているか!」

意味が分かりません。←
恐れられてる?そんなの俺が知るか。

「そんなの興味ないよ」

「君はどうしてそんな強気な言葉を口に出来るんだ?」

眼鏡をかけたアゴが人差し指で眼鏡を上げながらそえ言った。

「俺強いから気にしないし」

「はは、威勢がいいな!」

「事実だぜ?鳴門は強いよ」

そう言ったのはキルアだった。

「ボマーだっけ?現れても俺が負けるなんて有り得ないから。其れに頭脳戦が得意?鹿には負けるよ」

そう、俺は強いから。
念能力者としては未熟者だろうけど、其れ以外では負けやしねぇもん。
鹿丸に頭や心理戦や頭脳戦で勝った奴なんて見た事ねぇもん。
瞬時に100通り以上考えて行動するのに負ける筈ないって。

「血を流さない流す関係なく此のゲームは元々死んだ場合文句言わないって言われてんだから、そんなのボマーだろうが誰だろうがそんな奴らに殺されるくらい其奴らが弱かったってだけの話だ。
最初は金の為だろうけど?説明聞いた時点で死ぬ覚悟があっての今じゃねえのか?
誰1人として死なないゲームならわざわざ説明であの姉ちゃんが死ぬだの言わないって」

「そうだとしても、誰だって死にたくて此のゲームに参加した訳じゃない。
俺たちは此の殺戮ゲームにピリオドをうちたい。
だから君たちに手伝ってもらいたいんだ!」

あーぁ、此奴はダメだ。
此のゲーム自体は殺戮でも何でもねぇってのにな。

チラリとゴンを見てみれば、またも静かに怒りを灯していた。
此奴の親父が作ったゲームに対して、其れはあんまりだな。

「俺はいい。自力でプレイするから」

「って事で、俺もパス」

「自力の方が面白そうだし」

「同じく」

ヒラヒラと手を振り其の場を去る。
ゴンはさっさと歩き、俺たちは其の後を追う。

もう顔が怒ってる。

キルアと鹿丸と顔を合わせると、キルアは肩を竦め、鹿丸は苦笑。

取り敢えずゴンが落ち付くまでと何も言わず後ろを歩いている。

「……」

「…」

暫くしてゴンが振り返った。

「ごめん…」

「?何で謝ってんのか分かんないんだけど」

「だな。謝る要素何処にあったか疑問だ」

「お前、怒ってただろ?」

「え?」

殺戮ゲームだとか言われて、かなりムッとしてたし。

「俺はジンの言う通り此のゲームを楽しもうと思ったんだ。
スタート地点に立った時、一筋縄ではいかないって思ったけど其れは恐ろしいとかじゃなくて、ゲームに参加してる皆が真剣にゲームを楽しんでると思ったから…」

其れなのに、あの小汚い男は殺戮ゲームだとか抜かした。

「ジンが作ったゲームなのに…」

「じゃあ、俺たちは俺たちなりに楽しめばいいんじゃねぇの?」

「俺も其れに賛成」

「他は他。俺らは俺ら」

ボマーとか来たって俺と鹿丸が返り討ちにしてくれる。

「鳴門、鹿丸、キルア…」

「「ん?」」

「…ありがとう。俺、皆に会えて本当によかったよ!」

俺と鹿丸は目を合わせて、ふ、と笑みを澪した。

「やめろよな。ハズいだろっ」

夕日に照らされながら、次の町へと進む俺たちを見つめる視線が1つ。

「なる程、怒ったのはそうゆう訳。其れにしてもいいわね若い男の子の無垢な友情…
なぁんかむちゃくちゃにしてやりたい気分!」

薄く微笑んだ少女がいた。
 

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